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berobe 映画雑感

「 映画 」と「 本 」の感想

今月 読んだのは

 

 

第二次大戦・ユーゴスラビア侵攻 を描いた 戦争マンガ

「 石の花 」 坂口尚

 

 

メフィスト賞

「 ゴリラ裁判の日 」 須藤古都離

 

 

“始めの 一行は みんな同じ”・アンソロジー

「 黒猫を飼い始めた 」  編:講談社、 著者26人

 

 

の マンガ全5巻、 小説 2冊。

 

 

まずは「 マンガ 」から。

 

 

「 石の花 」  坂口尚

 

1941年「 ドイツ軍による ユーゴスラビア王国 への 侵攻 」を描いた「 歴史・戦争・人間ドラマ 」マンガ、全5巻。

 

「 図書館にも 漫画がある 」シリーズ。

去年は『 風の谷のナウシカ 』でしたが 今回はこちら。

 

 

本当は 年末に 読もうと思ったのですが、そっちは 読み終わるのが 長くなりそうな「 ノンフィクション 」を読む予定だったので

今のうちに 読むことに。

 

 

「 第二次大戦 」での「 ドイツの侵略 」については、

西欧や ポーランドあたり、ソ連 しか頭になく、

 

「 ユーゴスラビア 」ついては まったく 意識していませんでした。

 

そういう意味でも 読んでおいて 良かったですね。

 

 

本作は かなり前に『 映画秘宝 』で 紹介されていたのですが、

 

その「 絵柄 」と「 タイトル 」( 覚えやすい )を なんとなく 記憶していました。

 

本作は「 文庫版 」もあるらしいのですが 去年出た こちらの方は「大判」での復刻になっており、とても 見応えのある「 画 」になってます。

 

 

「 内容紹介 」の前に( 知らない人向けに ) 軽く 歴史背景を。 

 

( ネット調べ )

 

1941年の ユーゴスラビア王国( 旧・ユーゴ )は

 

スロベニア、 クロアチア、 セルビア、 モンテネグロ、

マケドニア、 ボスニア・ヘルツェゴヴィナ の 六つの共和国

からなり、

 

民族にしても スロベニア人、 クロアチア人、 セルビア人、

モンテネグロ人、 マケドニア人 の 五つの民族からなる 国家

でした。

 

しかし、力を持っていたのは セルビア人 で、その事を 前々から クロアチア人は 良く思ってはいなかったらしいです。

 

そんなところに 他国に侵攻し、勢力を伸ばしていた ドイツが

「 同盟 」を求めて来て、ユーゴ政府も それを 受け入れるんですが、

 

それに反対する( セルビア人の士官らしい )が「クーデター」を起こした事で 政権が 崩壊、新政権になります。

 

( 前政権は 亡命し「 亡命政府 」に )

 

そこに付け込んだ ドイツ軍が ユーゴスラビアに 侵攻、

ユーゴは わずか 10日あまりで 降伏、占領される事に。

 

そんな中、クロアチアの「 反セルビア 」で「ファシズム思想」を持つ 団体・ウスタシャ が クロアチアを「 独立 」させます。

 

ウスタシャは ドイツに 協力し、セルビア人や ユダヤ人の他、

反対派の クロアチア人をも「 強制収容所 」に収監。

 

どうやら「 虐殺 」も 行われていたようですね。

 

セルビア側も それらへの対抗として「 チェトニク 」を組織するんですが、こちらも クロアチア人を 迫害していたらしいです。

 

一方、ユーゴの 共産主義者たち は「 我関せず 」(?)だったのですが、

 

ドイツが「 不可侵条約 」を破り ソ連へ 侵攻した事で 一変、

チトー 率いる 対ドイツ組織「 パルチザン 」が結成されます。

 

ですが「 王党派 」で「 反共産 」の チェトニクと

「 共産主義 」の パルチザンも 対立してたみたいですね。

 

と まあ、だいたい こんなところでしょうか。

( 大体あってるハズ )

 

 

ちなみに この セルビア人との確執が 後の「 クロアチア紛争 」(91年)と「 ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争 」(92年)に繋がります。

 

個人的に「 ボスニア紛争 」の「 背景 」を理解できないまま

「 ボスニア紛争を扱った 映画 」を観てきましたが、

 

本作を読んだ事で その「 背景 」が おぼろげ ながらも 知る事が出来ましたよ。

 

 

という事で よくやく「 内容紹介 」。

 

本作の 主人公は スロベニア地方に暮らす スロベニア人

( 作中:スロヴェニア )の少年・クリロ( 14歳くらい )。

 

1941年、クリロたち 学校の生徒は「 ポストイナ鍾乳洞 」の見学の帰途、侵攻してきた ドイツ軍機に襲われ、

 

クリロと、たまたま 体調を崩し トラックに 乗っていなかった、

クリロの幼なじみの少女、フィー 以外 全員死亡します。

 

村も 焼き払われてしまった クリロは 紆余曲折あって ゲリラに

加わり…みたいな流れになります。

 

フィー の方は「 ポストイナ 」で捕まり「 強制収容所 」送りになるんですが、ドイツ軍・マイスナー中佐( すぐ 大佐に )の

 

「 亡き妹 」に 似ていたため、の保護を受ける事になります。

 

この クリロフィー、 シスコン気味の マイスナー大佐 に、

 

大学に行っている クリロの兄・イヴァンと 彼の恋人のミルカ、( クリロが入る )ゲリラを率いる ブランコ、 

 

兄弟の協力者の ミント なんかが 主な登場人物になります。

 

 

これらと共に ユーゴの人々や ドイツ軍の「 侵略 & 占領 」

模様、

 

さらに ウスタシャ( 作中:ウスタシ )や チェトニク、 

パルチザン の「 思惑 」も 絡んでくる…みたいな 内容になってます。

 

「 ドラマ 」としては 偏りが少ない「 フラット目な視線 」で

描かれるため、「 人間の業 」が 強く出ていましたね。

 

個人的には マイスナー大佐 の「 シスコン 」っぷりと、

それに巻き込まれ 心を病む、フィーの話が 面白かったな。

 

フィーは「 五巻 」で 過酷な目に遭うが… )

 

あと「 戦争・戦時 ビジネス 」( 戦争特需 )も しっかり盛り込まれていたのも 良かったです。

 

ただ、終盤は 少々 拙速気味だったのが 残念だったかな。

 

まあ、あのまま 続けても グダグダになりそうですが。

 

 

ちなみに 後半で いきなり 居なくなる “あの人”

序盤で 居なくなる フンベルバルディング先生 は、

 

人間の持つ「 希望 と 欲望 」( 明と暗 )みたいな

「 対になる キャラ 」のようでしたね。

 

 

あと、最終巻「 五巻 」の後半には、

 

ドイツ軍に 侵攻された町の 子供たちを描いた ユーゴ映画、

『 抵抗の詩( うた )』(69年)の「 コミカライズ版 」が載ってます。

 

 

という事で 話としては「 戦争ドラマ 」で重いんですが、

 

以外にも「 エンタメ 」としても 十分 面白い展開もある(?)

ので、興味があったら チェックしてみてください。