「 ドラマ系 」作品を サクサクッと 紹介&感想。
「 ネタバレ 」あったり、なかったり。
あと 鑑賞から時間も経ってるんで ちょっとテキトーです。
「 母の聖戦 」(21年)
メキシコ。
娘・ラウラを誘拐された 母親・シエロは 身代金を要求してきた 男に 大金を払うも 娘は 帰ってこず。
シエロは 単独で 娘の行方を捜そうとするが……。
という感じの「 誘拐サスペンス 」ドラマ。
「 誘拐 」を描いた 作品は コンスタントに 作られてますが、
それって 誘拐( 行方不明者 )が多いって事でもあります。
今読んでいる ノンフィクション本によると、
アメリカ国内では 毎年 60万人が 行方不明になり、
4千体の「 身元不明の遺体 」が 発見されているそうですよ。
そんなわけで「 誘拐 or 行方不明 モノ 」は それなりに 観てるんだけど…思い出せない。
近年ので パッと思い出すのは
『 ブリング・ミー・ホーム 尋ね人 』(韓国/18年)と
『 名もなき歌 』(ペルー他/ 19年)くらいか。
ちなみに『 名もなき歌 』は
「 無償医療を 謳うクリニックで 出産した女性が 出産後に
その赤ん坊 を盗まれる… 」
という エグい話です。
本作も「 誘拐( ビジネス )が多い メキシコ 」が 舞台って事で 始めっから 重苦しい空気。
警察が頼りにならず 母親・シエロが 自身で娘を捜そうとする
展開になるんですが( L・ニーソンなんて いないのである )、
なんせ 素人なんで バレバレ、「 命が軽い国 」のため 結構
ハラハラするんですよね。
警察の「 重装備 」からも 危険度が ひしひしと伝わってきて
すごく緊張感がありましたよ。
観てる途中で ちょっと気になってきたのが タイトルにある
「 聖( 聖戦 )」の文字。
特に 宗教要素もないため( 原題は『 La Civil 』) テキトーに
付けたんだと 思っていたんですが ちゃんと ラストに掛かってましたね。
ネタバレになりますが「 後半 ~ ラスト 」を軽く説明すると…
シエロが「 死体埋め立て地 」を発見して 警察に引き継ぎ、
その結果として「 ラウラの 肋骨が 一本見つかった 」という
報せを受ける。
シエロは 逮捕された 身代金を払った男と 面会するも ラウラに関しては のらりくらりで 要領を得ない返答。
意気消沈して 座り込む シエロの前に 何者かが現れ
( ラストカット )……
みたいな流れ。
「 何者か 」は 画面には映りませんが、
個人的に 見つかった「 肋骨 」から「 アダムの肋骨 = イヴ 」を 想起したので シエロの前に現れたのは
生きていたのか、霊的なモノ なのか わかりませんが ラウラ
( 奇蹟的なヤツ ) だと 思いましたね。
この話の モデルになった女性は「 組織に殺された 」ようなので「 組織の者 」とするのが 座りがいいのかもしれないけど、
それだと 不自然な?「 肋骨のみ発見 」が ちょっと浮いちゃう気が。
おそらくですが 製作側としては「 せめて 映画の中だけでも 」と考えたんじゃないかな。
「 邦題 」を付けた人も そこらへんの想いを 汲んだのかなと
思いましたね。
「 聖地には 蜘蛛が巣を張る 」(22年)
イランで起こった「 連続 娼婦殺し 」“スパイダー・キラー” を モチーフにした、
「 “町の浄化” を目的とした 娼婦殺し 」と その顛末を描いた
サスペンス作品…と思いきや、
「 宗教 」と「 男社会 」を背景にした「 女性への蔑視・抑圧 」を描いた「 社会派ドラマ 」。
犯人が「 英雄視される 」のも 恐ろしいんですが、
犯人の息子が「 嬉々として 父の犯行を語る 」場面に
ドキュメンタリー映画『 アクト・オブ・キリング 』(12年)の「 悪びれることなく 殺人を語る 」アンワル が重なって見え震えましたね。
まあ、終盤の「 メンドクセーから 話を合わせて サクサク進めて処刑 」(?)しちゃう展開は チョット笑ったけど。
ちなみに「 女性への抑圧 」のほか 注目してほしいのが
殺される娼婦が 買おうとしていた「 薬物 」。
A・ファルハディ監督『 美しい都市 』(イラン/04年)でも ちょこっと書きましたが、
イランって「 薬物汚染 」が 深刻なんですよ。
そこらへんも 頭に入れておくと、より イランが抱える問題の
根深さを感じられるかも。
「 トキとロキタ 」(22年)
ダルデンヌ兄弟。
少年・ロキタと共に「 彼の姉と偽って 」アフリカから ベルギーに来た 少女・トキ。
2人は 料理店で働く裏で「 薬物の運び屋 」をしているが、
早く「 偽造ビザ 」が欲しい トキは それと 引き換えに
「 大麻栽培 」の仕事を やらされることになり……。
すっかり忘れてた作品…だけど、意外と「 サスペンス 」要素もあって 面白かったですよ。
まあ、「 弱みに 付け込まれて… 」( こうやって 末端の犯罪者が増えていき、深みに はまっていくんだな )とか、
「 家族への仕送り 」とか いろいろと やるせない話では ありますけどね。
「 バーナデット ママは行方不明 」(23年)
リチャード・リンクレイター 監督、
ケイト・ブランシェット 主演による、
業界を去った 天才建築家と その家族を描いた 人間コメディ。
いろいろ とっつきにくかった(?)、同じく 天才を描いた
『 TAR / ター 』(22年)よりも コチラの方が いろいろと
観やすかったですね。
『 ター 』は イマイチだったという方でも こっちは イケる
かも?
まあ、人間キライで “ディスコミ” な バーナデットに ムカつくかもですが…。
タイトル( 原題も ほぼ同じ )にある「 行方不明 」は
「 家族の前から 」、「 建築業界から 」のほか、
「 自分( の居場所 )を見失った バーナデット自身 」にも
掛かってましたね。
俳優は ケイブラも 良かったけど、
夫を演じた ビリー・クラダップ の方に グッと来ました。
「 ヒンターラント 」(21年)
第一次大戦後、「 捕虜収容所 」から解放され 戦友たちと共に 故郷・ウィーンに帰国した 元刑事・ペーター。
何事もなかったかのように暮らす国民に 憤りを覚える ペーターだったが、そんな中「 連続殺人事件 」が発生する。
拷問され殺された その被害者は 戦友だった……。
みたいな内容の、「 全編 ブルーバック 」で 撮られた 幻想、
悪夢的な趣を感じる ミステリー。
監督は『 ヒトラーの贋札 』の ステファン・ルツォヴィツキー。
〔 個人的には『 アナトミー 』(00年)の人だったり 〕
エンタメ系だとは 思うけど 個人的には「 戦争が残した傷 」を
描いた 人間ドラマ強めの作品でした。
「 いびつな街の 風景 」も「 癒しきれない 戦争の傷痕 」や
「 変わってしまった 主人公( そして 犯人の心 )」の表れに
思えたし。
戦争で 変わってしまった( トラウマを抱えた )自覚のある
主人公が、
かつての家を離れて暮らす 妻子に会いに行く場面でみせる 葛藤と 逡巡が 切ない。
「 ミステリー 」としては よくある感じでしたが、
「 残酷 」描写が なかなか エグくて 良かったです。
〔『 ヒンターラント 』
『 カリガリ博士 』(1920年)を思い出す、歪んだ街 〕
あと、単純に「 いびつな街 」の映像が 視覚的に楽しかったですね。
「 サイコ リバース 」(10年)
これは チョット前の「 Amazon配信 」セールで鑑賞した作品。
1年前に 虐待母を 亡くした 銀行員・ジョンは その心の穴を
埋めるかのような 母親・エマの「 別人格 」を持っていた。
そんな エマを 周囲に隠していた ジョンだったが、家の前で
列車事故が起こった事により エマの存在が バレてしまう。
ジョンは エマを「 自分の妻 」だと説明するが「 議員選挙 」や
「 女性の自立支援 」の話により ほころびが出始め……。
みたいな サイコ・サスペンス。
いかにもな「 やっつけ邦題 」ですが、
主演は キリアン・マーフィーなんですよね。
注目すべきなのが ジョン & 母親人格・エマ を演じた
K・マーフィーの 演じ分け。
冒頭の 何気ない場面も イイんですが、
中盤以降の「 別人格なのに 自立し、活動を始める エマ 」、
「 エマの勝手な決断に パニくる ジョン 」の演技が 素晴らしく
「 コント 」みたいな展開を さらに盛り上げるんですよ。
こう書くと まるで「 コメディ 」※ですが、
( ※ つうか「 ブラック・コメディ 」として観ても いい作品。
京極夏彦も 書いていたが「 ジャンル 」は “便宜的に付けられている” だけなので 自分で決めていい )
ジョンの「 自身の精神が生んだ イイ母親・エマ 」に
彼の「 母親への想いと 受けた 心の傷 」が 感じられ、結構 心に響きましたね。
「 主人格 」が男性なため「 女性の自立 」のくだりは ちぐはぐ だったし、
( 一応、母親に 抑えつけられていた ジョンが 今度は “母親”を
抑えつけようとする、逆転の構図ではあるが )
虐待母の説明( 虐待の理由 )も 得になかったため 内容的にはうまく消化されては いなかったけど。
〔『 サイコ リバース 』
朝、洗濯やら 朝食の準備を終えた 母親・エマ 〕
〔『 サイコ リバース 』
そのエマは「 別人格 」で 本来の人格は 銀行員・ジョン 〕
ちなみに 原題は『 Peacock 』=「 孔雀 」。
〔『 サイコ リバース 』 母親を気にする ジョン 〕
ジョン、エマ 共に「 記憶の共有 」は無し、という設定。
その “エマ” は 厳しいらしく( 元の母親の影響かも )ジョンは 勤め先の社員証( だっけ?)のほか、
禁止されていたらしい「 チョコバー 」や「 野球カード 」を
外に隠してます。
食べ終わった チョコバーの包みに至っては 職場で捨てる 徹底
ぶり。
〔『 サイコ リバース 』 エマからの 買い物メモ 〕
エマは 朝だけ出現(?)って事で 買い物は ジョンが担当。
この時、袋を別にして チョコバーと 野球カードを購入。
と、こんな感じで うまく生活してたけど…
〔『 サイコ リバース 』
大ピンチ図鑑「 別人格がバレた 」 ピンチレベル 50 〕
朝っぱら、家の前で起こった「 列車事故 」により 住民たちに エマの存在がバレてしまい、それが発端となって ほころびが出始めるんですね。
〔『 サイコ リバース 』
入れ替わったら 事故現場で 人がいっぱい 〕
時間が来て “入れ替わった” ジョンも いきなり 家の前が
事故現場でビックリ、そして 大パニック状態に。
…というのが導入。
この時点で チョット面白そうでしょ?
〔『 サイコ リバース 』 上司 演じる ビル・プルマン 〕
「 出番 」は少ないものの( 近年は チョイ役が 多いような )、
一応 上司役は ビル・プルマン だったり。
〔『 サイコ リバース 』
家に籠っている エマに 外で活動するよう薦める 女性支援家 〕
外に出ない エマに声をかける 女性支援家を演じているのが
スーザン・サランドン。
〔『 サイコ リバース 』 大ピンチ図鑑
「 別人格が 積極的に行動を始める 」大ピンチレベル 90 〕
この女性支援家と 列車事故を選挙に利用しようとする 議員顧問が ジョンの家を訪れる事となり、
それにより エマに 独立心が 芽生え始めるんですが、
ジョンと エマは「 記憶を共有していない 」ため 双方の意見に ズレが出始め おかしな事になっていくんですね。
〔『 サイコ リバース 』
マギーと ジョン、そして 亡くなった母親との関係とは… 〕
それ以外に「 チョット常識を外れた 」意外な展開もあったり。
で、その展開に関わる人物、マギー を演じているのが、
エレン 改め、エリオット・ペイジ。
ちなみに 本作の「 クレジット表記 」で ペイジ の改名と
トランスジェンダーだったのを 知ったんですが、
検索してみると 数年前に「 乳房切除 」もしてましたね。
というわけで「 ドラマ 」としては ちぐはくな部分がある作品でしたが、
個人的には「 ヘンな映画 」「 キリアン・マーフィー作品 」として 掘り出し物の作品でしたよ。
「 哀しみのトリスターナ 」(70年)
ルイス・ブニュエル 監督、
カトリーヌ・ドヌーブ 主演の 人間ドラマ。
両親を亡くし、母親の知人で 没落した老貴族のロペの養子になった、16歳の トリスターナ。
初めは ロペの いいなりだった トリスターナだったが 次第に
自我を持ち始め、やがて 画家と駆け落ちするが……。
前、中、後半と「 キャラ変 」する トリスターナ( ドヌーブ )も イイんですが、
以外にも ロペ( フェルナンド・レイ )が 傲慢で 好色、
働くのイヤ、それでいて イイ所も チョットあったりする、
面白いキャラでしたね。
年と共に 角が取れていく ロペとは 逆に、自由と愛を 手に入れ 逞しくなっていく トリスターナ。
そんな 立場が逆転していく構成に 権力の衰退( スペインは
フランコ政権下 )を感じたかな。
〔『 哀しみのトリスターナ 』
「 誰がために ロペ鐘が鳴る 」〕
トリスターナが夢で見た「 ロペの首 」、
サプライズな「 残酷描写 」で ビビっと来ましたよ。
〔『 哀しみのトリスターナ 』
死の淵からの生還、足の切断により 吹っ切れたトリスターナ 〕
「 脚フェチ 」というよりは「 脚欠損フェチ 」作品だったな。
本作は B・P・ガルドス の小説が原作。
と、ここで「 トリスターナ・コソコソ噂話 」。
( 映画本『 ショック!残酷!切り株映画の世界 』から抜粋 )
ブニュエルが 最初に映画化しようとしたのが 1952年。
ハリウッドの ディナーの席で ヒッチコックに その話をした際、彼は「 トリスターナの 切断された足! 」と 繰り返していたという…。
10年後、再び 映画化を試みるが『 ビリディアナ 』(61年)が起こした スキャンダルにより 頓挫…という経緯があります。
〔『 哀しみのトリスターナ 』 電話かけたフリ 〕
最後は 江戸川乱歩『 お勢登場 』を 思わせる展開であったな。
〔『 哀しみのトリスターナ 』 ラストカット 〕
締めはどうなるかと 思っていたら なんと「 巻き戻し 」!
序盤の方、カットがなかった( 他は 全て 既存カット使用?)、
「 サトゥルノに 会ったあと 引き返す2人 」が
まさかの「 ラストカット 」で 唖然としましたよ。
「 戻ってやり直したい 」とか「 また 繰り返す 」みたいな意味なのかな。
“戻った” トリスターナが 今度は どんな選択をするのか
思いを馳せるのも また 一興かもしれません。
という事で「 邦画 」とか、順次 配信されている
『 サウスパーク 』の 新シーズン( コロナ対立の和解! )
とかも 取り上げたいけど 今回は これで終わり。
最後は 取り上げていないどころか「 ドラマ 」ですらない、
『 ダウンタウン物語 』(76年)の ジョディ・フォスター で締めときますよ。
〔『 ダウンタウン物語 』
タルーラ を演じる ジョディ・フォスター 〕
















