ミステリー2冊 「 厳冬之棺 」「 そして誰もいなくなるのか 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

 

 

 

しばらくしたら消す、関係ない話題から。

 

 

来月、深水黎一郎の ミステリー『 ミステリー・アリーナ 』

「 映画 」が公開されますね。

 

一応「 多重推理モノ 」だけど 一般に ウケるかなぁ。

「 内容 」自体も いろいろと アレだし。

 

珍しく「 予告 」も見てみたけど なんか 雰囲気的には ダメそうな予感…。

 

もっと「 映像化 」に向いた作品があるような気がするけど…。

 

 

 

今月 読んだのは…

 

 

本格ミステリー

 「 厳冬之棺 」  孫沁文

 

 

宗教( 人工知能 )SF

 「 コード・ブッダ 機械仏教史縁起 」  円城塔

 

 

本格ミステリー

 「 そして誰もいなくなるのか 」  小松立人

 

 

宗教本

 「 まんがで読破 『 コーラン 』」

 

 

の4冊。

 

 

「 ミステリー 」が2冊になったのは たまたま。

 

 

まずは その「 ミステリー 」2冊から。

 

 

 

「 厳冬之棺 」  孫沁文

 

華文・本格ミステリー。

 

 

(ルー)家の当主、陸仁( ルー・レン )が 行方不明になってから3日後、外にある「 半地下の地下倉庫 」で 窒息死させられた状態で 発見される。

 

そこは「 死亡推定時刻 」が “前日” にも関わらず 数日前の雨で 入り口が「 水没 」して入れない状態( 密室 )でもあった。

 

さらに 小窓には 嬰児の「 へその緒 」が見つかり…。

陸家の屋敷で 部屋を借りている 鐘可( ジョン・クゥ )は

陸哲南( ルー・ジャーナン )から の部屋で “呪い” に使う

「 嬰棺釘 」( えいかんくぎ )を見つけたことを聞かされる。

 

数日後、自室で「 釘 」を見つけた 陸哲南から 見張りを頼まれた 鐘可は、日付が変わるまで 彼の部屋の前で 見張ることに。

 

しかし、日付が変わった後、異変を感じた 鐘可が 部屋に入ると 陸哲南は 首を切られて 殺されていた。

 

しかも 部屋のカギが すべて施錠されていた「 密室 」状態で、

さらに 焼かれた「 嬰児の へその緒 」も置いてあった……。

 

 

 

という風な内容。

 

ちなみに「 華文 」ということで 人物名が 覚えにくいけど、

場面ごとに フリガナが 振られるので 特に 支障はなかったです。

 

 

話としては「 一族のひとりが 密室状態で 殺され、さらに… 」と 割りと オーソドックな感じ( 古典風 )の ミステリー。

 

 

卓越した推理力を持つ「人気 漫画家」が 探偵役なのが 今っぽかったですね。

 

まあ、あまりにも 非の打ち所がない キャラだったので 魅力は

感じなかったけど。

 

( 個人的に キャラは 重視してないんで 評価には 影響ナシ )

 

「 ミステリー 」としては「 最初の殺人 」が 半地下の入り口が

“溜まった水” で塞がれた「 水密室 」という面白い現場だし、

 

さらに そこに残された「 嬰児の へその緒 」が 不吉な空気を

醸し出していて 気分も上がりましたね。

 

その反面「 あまりにも 不可解な殺人現場 」に対する 懸念も覚えたんだけど それが 的中した形にもなりました。

 

それでも「 窒息方法 」自体は かなり独創的で 好きだったりします。

 

 

「 2つ目の殺人 」の方が 最初のと比べて ケレンは 少ないけれど 納得感があり「 本格らしさ 」がありましたね。

 

( コッチも いろいろあるけど… )

 

「 3つ目 」も 最初の殺人と 似た感想( 気になるところが 多くある )だけど、こちらも「 首の切断方法 」が 独創的で オモシロかったです。

 

 

そんな中、図らずも 良かったのが「伏線」の貼り方が「 本格 」らしかった「 犯人 」の方。

 

まあ、あの「 伏線 」から 犯人に たどり着けるのか…という疑問は 覚えましたけど…。

 

 

 

ということで、個人的には イイところと ダメだったところが

半々といった、“評価に困る系” の作品でした。

 

それでも トリックの独創性は すごくあったので ミステリーとして楽しく読めたし、満足感もそれなりに ありましたよ。

 

たぶん「 派手なトリック 」が 好きなら 面白く 読めるんじゃないかな。

 

 

 

「 そして誰もいなくなるのか 」  小松立人

 

特殊設定・本格ミステリー。

 

「 鮎川哲也賞 」受賞作品。

 

 

 

10年前の空き巣で手に入れた 大金を掘り起こしに 向かった、「 ミステリ小説家 」を目指す 小松立人3人の男たち

 

だが、地震による崖崩れに遭い 小松は 死んでしまう。

 

…はずだったが、死神の都合により 猶予期間として 一週間前の自宅で 目を覚ます事に。

 

さらに 他の3人も 同じく死んで リセット( タイムリープ )していることも判明。

 

死神から「 死ぬ事は変わらない 」と告げられていた4人は すぐに 金を掘り起こし、各々残りの時間を生きることを決める。

 

小松は ミステリの新人賞を目指して 執筆を始めるが、そんな中仲間のひとりが 亡くなる出来事が発生してしまう。

 

リセットのルールには「 殺害することで 残った寿命を奪う 」というのもあり……。

 

 

 

時間が戻る「タイムリープ系・ミステリー」だけど “結局は死ぬ” ってのは チョット新しいのかも。

 

「 殺害すると 寿命が奪える 」という 今どきな(?)設定も

サスペンス性があって 良かったですね。

 

ただ、ページ数が「 約240頁 」と 少ないため「 ドラマ性 」が薄く、

 

主人公も「 ミステリーを書いてばかり 」と “動き” が少ないため 単調な印象も。

 

あと、主人公の人物造形が ベタというか、アレというか…なのも 結構 引っ掛かりました。

 

それでも さすが受賞作、「 本格 」としては 良かったです。

 

「 いかにも 」な描写も あったものの、手掛かりや 伏線の貼り方が巧く、納得感もあったし、動機にも 意外性があって感嘆しましたね。

 

“メタ”要素のある あの「 終え方 」も 嫌いじゃないです。

 

正直、犯人の “アレ” については もう少し情報が欲しかったし、

 

終盤の展開も “サスペンスのテンプレ” みたいで どうかと 思いましたけど…。

 

まあ、今は あれくらいの方が 盛り上がって いいのかもしれませんが。

 

 

ということで、個人的には ドラマ性は 物足りなかったけど

 

ミステリー部分が 良かったので “まずまず” といったところだったかな。