リブート版「 ヘル・レイザー 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

 

 

 

「 ヘル・レイザー 」

(イギリス・セルビア/2022年)

 

 

幻想系・ホラー『 ヘル・レイザー 』(87年)の リブート版。

 

 

先月の「 Amazon配信 」100円セール枠。

 

 

度々 思い出しては 忘れていた作品です。

 

『1作目』~『4作目』※までは 好きなんですが、その後の

( 3作品くらい観た )は ダメダメだった印象(覚えてない)。

 

 

( ※ 評判が良くない?『4』

「 オカルト + SF 」と 好みの内容で スキなんだよな )

 

 

なので 本作も ネット・レビューが フツーくらいってのもあって 期待はしていなかったんですが、

 

言いたいところは あるものの、すごく面白かったですね。

 

個人的には 劇場で観ても いいくらいの作品でしたよ。

 

 

「 話 」は『1』『2』を併せたような感じなんですが、『1』が 半分「 メロドラマ 」という事で かなり『2』寄りの内容。

 

それと、80年代らしい ファンタジックな趣だった「 過去作 」と比べると、本作は 今風な「 現実(リアル)寄り 」のスタイルになってましたね。

 

 

全体の流れは よくあるタイプ、

主人公も「 安直に 過ちを犯す 身勝手な若者 」と 人によっては「 感情移入し難い 」設定だし、

 

前半は「 残酷描写 」を見せなかったり「 セノバイト登場 」の場面も暗かったりで「 話 」を追うだけだと 少々退屈な面も。

 

上映時間も「 2時間越え 」と ジャンル映画にしては 長いのもね…。

 

( とはいえ エンドロールが 9分くらいと長いので 言うほど

長くはないのだが )

 

 

ですが 本作、予算は 結構 掛けられているんですよ。

 

そのため 安っぽさはないし「 形を変える パズルボックス 」や メインの「 セノバイト( 魔導士 )」の造形、

 

オカルト収集家・ローランドの「 屋敷 」のデザインなど

「 映像面 」が素晴らしく、雰囲気もイイんですよね。

 

個人的には「 ラスト 」も “好きなヤツ” だったりで 満足できました。

 

 

と、ここから「 画像 」。

 

例によって「 残酷描写 」注意。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』  タイトル 〕

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』  OP。

パズルを解かされ「 生贄 」にされたローランド( 左 )〕

 

 

 

OPは オカルト収集家・ローランドによる「 パズルの生贄 」

場面。

 

パズルを「 一段階 解く 」たび「 パズルから 刃が飛び出て 」

それによって出た「 血 」により? “決定する” みたいな仕組み。

 

 

OPは 景気よく行ってほしいんだけど「 上画像 」の様に

「 ボカシ演出 」で ガッカリ…。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』

盗んだ「 パズル 」と、解いた事で現れた セノバイト

 

 

主人公・ライリーは「 薬物依存で 今は リハビリ中の身 」で

「 弟のマットと 同居 」という設定。

 

その ライリーが 彼氏・トレヴァーから「 倉庫での盗み 」を

そそのかされて 夜中「 パズルボックス 」を盗み、

 

から クスリの使用を疑われて ケンカ、出て行った先で パズルを解いてしまい 探しに来た が 犠牲に…

 

という「 ほぼ全部 主人公のせい 」という導入。

 

 

ちなみに「 弟 」と表記してますが、

 

字幕では「 弟 」、吹き替えでは「 兄 」という ちょっと珍しい「 brother翻訳( 兄・弟どっち?)問題 」が発生してましたよ。

 

ここでは 字幕で観たので「 弟 」としておきます。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』  「 夢オチ系 」演出。

上が ライリー( 胸から鎖が出てる )、 下が 弟・マット

 

 

上のは が犠牲になる チョット前の「 夢オチ 」場面。

 

「 画像 」から わかる通り 画面が「 暗い 」ため 楽しそうな

描写なのに イマイチ胸に刺さりません。

 

( これでも 少し調整はしている )

 

 

最近の、主に ホラー映画での「 画面が暗い 問題 」なんとか

してほしいですね。

 

この後に 同じく「 100円枠 」で観た

『 ペット・セメタリー:ブラッドライン 』(23年)も、

「 後半 」は 画面が暗すぎて 何が何やらでしたよ…。

 

ちなみに ある2人を見て、

 

パム・グリアデヴィッド・ドゥカブニーに似てるな 」

 

と思ったら両方とも本人でした。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』

セノバイトの コレがホントの「 パックリ背中 」〕

 

 

セノバイトも 暗くて よく見えないんですよね。

 

まあ、後半は だいぶマシになってますけど。

 

( 毎回ですが、このブログでは 調整して 見やすくしてます )

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』

「 星型・パズルボックス 」と ローランドの「 屋敷 」〕

 

 

形が変形する「 パズルボックス 」は 表面の模様と 相まって

すごくアート的だし、

 

格子で囲われた 異様な風貌の「 ローランド邸 」も 内部の方も 結構 凝っていて気分も アガります。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』  「 パズルの段階表 」〕

 

 

「パズル」は「 形 」(段階)によって “得られるもの” が違い、最終段階「 リヴァイアサン 」では「 権力 」が得られる。

 

しかし、先に進むには 解く度に 代わりの誰か(生贄)が必要。

 

 

今までの「 快楽( = 苦痛 )の押しつけ 」と違ってますが コレはコレで「 オカルティック 」で 嫌いじゃないです。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』  「 神の降臨 」〕

 

 

しかも 最終段階では『2』に出てきた神、リヴァイアサン

「 降臨 」との情報が飛び込んで来て 期待が高まりましたよ。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』

ピンヘッドピンヘッドの ネビラチェーン 〕

 

 

今回の ピンヘッドは 女性。

 

そもそも 性別は どうでもいいキャラだと思ってるんで 違和感
とかはナシ。
 
 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』  喉の「 ハリ串刺し 」〕

 

 

ここでの ノーラが「 針で喉を貫かれる 」場面では「 喉の中 」を映すという 凝った演出も。

 

個人的には こういう “一手間” は ちゃんと評価したいですね。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』

歯茎むき出し・セノバイト( 歯は キレイなんだよな )〕

 

 

ノーラに とどめを刺した 歯茎・セノバイトは…

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』

引き裂かれた 歯茎むき出し

 

 

この後、ライリーによる「 パズルの刃 」に刺されて「 鎖 」による「 引き裂き 」で グッバイしてます。

 

どうやら「 パズルの刃 」で セノバイトを倒せるらしいです。

 

『2』『3』でも たしか「 パズル 」で セノバイトを倒していたので それを持ってきたのかな。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』

「 感覚 」を選んだ ローランド

 

 

後半から「 ローランド邸 」が舞台になるんですが、

 

そこに 行方不明だった ローランドが登場と、意外な展開をみせるんですよね。

 

その ローランドは「 パズル 」で「 感覚 」を選んだことで 胸に「 痛み発生 装置 」( ジョジョ4部 玉美の「 錠前 」みたい )

 

を組み込まれていて、その「 装置 」を外すため ライリーが利用されていた事が後に 判明。( トレヴァーは 雇われだった )

 

その ライリーも「 ラザロ段階 」の レザレクション( 復活 )で を取り戻すことが目的になります。

 

 

ここで セノバイトをサクッと 紹介。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』  おててパックリ 〕

 

 

「 スプリット・タン 」ならぬ スプリット・ハンド。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』  窒息プレイ 〕

 

 

コイツだけ「 プレイ感 」強め。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』   頭どうなってるんだ? 〕

 

 

コッチは 上半身に目が行くけど 実は「 下半身 」が ヤバめ。

 

( なので あまり映らない…? )

 

あと、切り開かれた「 喉 」を よく観てみると「 女性器 」

(+ピアス )っぽくなってるのが わかりますね。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』  顔が ハリボテ 〕

 

 

コイツのよさは よくわかりません…。

 

でも シュールレアリスムっぽいかも?

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』  ピンヘッド

 

 

で、改めて ピンヘッドは こんな感じ。

 

悪くないけど、結構 テキトーな デザインとも 言えなくもない。

 

とりあえず 服着てないんで(今回は全員ハダカ?)「 魔導士 」感は あまりないですね。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』

屋敷の上に「 リヴァイアサン 」降臨 〕

 

 

終盤間近、いろいろあって リヴァイアサン降臨。

 

…なんだけど「 雲 」がジャマで よく見えん!

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』  館の敷地の「 俯瞰 」〕

 

 

ちなみに「 俯瞰 」だとこんな感じで 屋敷の周りが「 迷路 」になってるのが わかります。

 

コレも『2』の異界の「 迷路 」が モチーフ。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』

ローランドの胸の再生 〕

 

 

他者を犠牲にして「 リヴァイアサン 」まで解いたものの、

 

一度 パズルを解いたら 元には 戻れないらしく、ローランドは  さらに上の段階に 進む事に。

 

すると 胸に入っていた「 痛み発生 装置 」が外れ、胸の傷も

再生。

 

 

ここの「 胸の再生 」場面、「 画像 」端折ったけど 細かく描写されていて 見応えが ありましたね。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』

ローランドの胸に「 鎖 」が ズキュン、さらなる高みへ 〕

 

 

「 痛みから 解放された 」と安堵したのも 束の間、

今度は ローランドの胸に リヴァイアサンからの「 巨大な鎖 」が ブッ刺さる。

 

そのまま ローランドは「 リヴァイアサン 」へと 吊り上げられていく…。

 

関係ないけど「 天井 」のデザインも イイんだよな。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』  説教臭い ピンヘッド

 

 

一方、ライリーはというと「 の復活を諦め 」て これまでの

「 罪 」を背負って生きる道を選択する……

 

という「 ダメな主人公が 改心する 」結末となってます。

 

 

賢明な選択ではあるけど、のほか、端折ったけど ローランドの弁護士も( 事故とはいえ )「 異界( 地獄 )送り 」にしてる事( あと ノーラも? )を思えば 若干 モヤりますね。

 

とはいえ これも『2』の「 結局 父親を救えなかった 」結末を なぞっているんで まあ、納得。

 

でも、急に「 説教臭くなる 」ピンヘッドは ちょっとイヤだったな。

 

ここで 終わりかと思ったら まさかの「 ローランドの その後 」があるんですよ。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』

目を覚ました ローランド

 

 

「 眩い世界 」で目覚めた ローランドの 目の前には「 光 」

( おそらく 神・リヴァイアサン )が。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』  剥がれる皮膚 〕

 

 

それを見ていた ローランドの「 皮膚の一部 」が剥がれ始め…

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』  歯が乾く~ 〕

 

 

さらに「 ピン 」も刺さり「 口の皮膚 」も横に剥がれていく。

 

 

〔 リブート版『 ヘル・レイザー 』

セノバイト・ローランド 爆誕( ラストカット )〕

 

 

だが、それは セノバイト変容の過程であり、ローランド

セノバイト 」として 生まれ変わるのでした……(終)

 

 

『2』でも チャナード医師が セノバイトになって( 暴れて )ましたが、まさか ローランドが「 神と謁見 」して セノバイトになるとはね。

 

妙に神々しい “光・リヴァイアサン”(?)と「 残酷描写 」の 組み合わせは『 マーターズ 』※ を思い出しましたよ。

 

 

〔 ※『 マーターズ 』(07年)

 

ただの「 拷問映画 」と思われがちだが「 神の存在・非存在 」を「 宗教の狂信(残酷さ)」で描いた内容は 結構 深かったり。

 

「 リメイク版 」は 観てないから 知らないけど… 〕

 

 

アッチの世界に行けた※ ローランドだけを見てみると

「 まあまあ グッドな終わり方 」のような気がしますね。

 

 

〔 ※『 ヘルレイザー 』は「 アブノーマル( への誘い )」と

それを「 嫌悪する 」( 両者断絶の )物語だと思っている 〕

 

 

という事で、イマイチな評判も 結構 見受けられるけど、個人的には 高評価の作品でしたよ。

 

昨今の「 リブート版 」の中では 群を抜いているんじゃないかな。

 

まあ、あくまで 個人の感想ですけどね。

 

とりあえず「 画面が暗い 」とか「 主人公がアレ 」とか 気になるところは ありますが、

 

人によって「 見どころ 」は 多いと思うので「 ホラー好き 」は 観ておいて損はないかと。