エイリアン「 エイリアン:ロムルス 」 | berobe 映画雑感

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「 エイリアン:ロムルス 」(米/2024)

 

 

『 エイリアン 』シリーズ。

 

 

本当は もう少し 涼しくなってから 観に行こうかと思っていたんですが、いろいろと都合があって 初日に行ってきました。

 

劇場公開中なんで ネタバレ無しで( 少しあるかも )感想など。

 

 

ちなみに『 エイリアン 』シリーズを劇場で 観たのは『 3 』と『 4 』以来です。

 

 

 

〔『 エイリアン:ロムルス 』  ポスター 〕

 

 

 

前日譚的な『 プロメテウス 』は 初見で「 う~ん… 」だった

ものの、再鑑賞では 楽しめたし、

 

『 コヴェナント 』も 面白かったので 本作にも 期待を大きく持っていたんですが、

 

監督は『 ドント・ブリーズ 』(16年)フェデ・アルバレス に バトンタッチ、

 

リドリー・スコットは「 製作 」という事を 直前になって知り、

 

リドスコの「 エイリアン・ラブ注入 」 が不足してるんじゃないかと 不安な気持ちに。

 

まあ『 ドンブリ 』では サスペンス演出が上手かったし、

 

『 死霊の~ 』リメイク版も( ほどんど記憶にないが )悪くなかったので 楽しみな部分も 若干 ありましたが。

 

 

最初に「 感想 」から言うと、大満足というほどでは ないけど

「 劇場で観て 良かったな 」( 充足感があった )でした。

 

「 話 」の発端が “人を使いつぶす” 大企業「 ウェイランド社 」( カイジの「 帝愛 」みたいだった )と、

 

“日が差さない”「 植民地惑星 」という どん底から 抜け出す

ため、廃棄船で 別の星への脱出を図る…という『 ドンブリ 』と 同じ骨子で 苦笑はしたものの、

 

ポイントは 押さえているし「 過去作を想起させる 」描写などもあって、しっかり「 エイリアン 」してましたね。

 

(『 ドンブリ 』を思わせる場面も あったけど )

 

こう書くと 近年に多い「 懐古パッチワーク 」作品みたいに

思うかもしれませんが、ちゃんと「 オリジナル展開 」もあります。

 

しかも それが なかなか スリリングな場面になっており、

個人的に その「 オリジナル 」部分を 評価したいですね。

 

 

雰囲気的には『 プロメテウス 』みたいな「 ハード寄りSF 」ではなく、

 

『 1作目 』( OPも アレだし… )の「 SFサスペンス 」に近く「 エンタメ性 」もあったので そこらへんも 良かったですよ。

 

( とはいえ『プロメテ』&『コヴェ』の路線も好きだったり )

 

あと「 機械 」関係( “再現” されたモニターに しみじみ )なんかも 見どころだったり。

 

 

ちょっと惜しかったのが「 中盤 」の サスペンスが 少々弱い

ところ( テンポも 速め )。

 

…でしたが、その分「 後半 」に 時間を割いているので( 展開が 多めで )結果的には OK です。

 

まあ、こちらも テンポ速めでしたけど。

 

 

その後半は「 終盤 」の アレが物議を醸しそう…かな?

 

個人的には「 よりによって あれを持ってくるの? 」と、結構 脱力しましたよ。

 

それでも「 オモシロかった 」し、「 活躍 」も それなり、

 

チョット『 プロメテウス 』が入っていたりで コチラも 悪くはなかった…ような。

 

あと、エイリアン( 正確には ゼノモーフ )が『 1 』を踏襲して「 よくわからん生態 」なのも 最高。

 

途中で「 サナギ 」っぽくなってるし( デザインに 注目 )、

 

『 1 』で カットされた「 繭 」も ちゃんとあって 嬉しかったですね。

 

あと「 頭部 」も 半透明なのも 良かった。

 

「 残酷描写 」が 控えめなのは まあ、いいとしても※

「 画 」として “映える” 場面が 少なかったのは 残念。

 

 

( ※『 プロメテ 』『 コヴェ 』両方には イイ残酷描写があったので 本作にも 期待していた )

 

 

『 ドンブリ 』で 効果的だった「 疑似ワンカットの 長回し 」も無かったし。

 

( こっちは 監督というよりは「 撮影 」の方か )

 

ちなみに「 画 」としては「 キリストの磔刑 」みたいだった

「 ぶら下がっていた エイリアン 」に グッと来ましたね。

 

 

主人公たちは「 Z世代 」も 劇場に呼びたいのか 若手で構成されていて 瑞々しく、ちょっと新鮮な印象。

 

『 エイリアン 』としては 人物たちが キレイ過ぎ、とも言えますが。

 

あと、主人公のレインが 後半になっても「 マッチョ感 」が

抑え気味?だったのも なんか 今っぽかったな。

 

登場人物の中では アンディが キャラとしても、演者としても

( “切り替わり”の演技、良かった )オイシイ役でしたね。

 

ちなみに「 目玉が クリッとなる 」ところが 軽くツボに入りました。

 

 

「 ドラマ面 」の方は、

 

「 冷徹で 合理的な アンドロイド( AI )」

「 感情的で 不合理な 人間 」

 

の対比が 強く出ており「 決断の難しさ 」を感じさせる内容。

 

そんな 人間( 労働者 )と アンドロイド( AI )、両方を支配しているのが 巨大企業というのも なんだか 今日的だったな。

 

あと『 映画秘宝 』での 監督インタビューどおり「 兄弟 」の話でもありましたね。

 

( 一応「 父娘 」の話でもあったのかな )

 

 

 

という事で 良くも悪くも「 上手く、手堅く まとめて 」いたと思うので、大きくハズす事は ないかと。