SF作品 「 2300年未来への旅 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

「 2300年未来への旅 」(米/1976)

 

『 八十日間世界一周 』(56年)マイケル・アンダーソン

が監督した、「 原作あり 」の ディストピア系・SF作品。

 

 

「 Amazon配信 」100円枠。

 

 

 

2274年。

 

「 ドーム 」で覆われた都市で 不自由なく 暮らす人類。

だが、30歳になると「 生まれ変わり 」と称して 行われる

「 火の儀式 」により「 死ぬ 」事が定められていた。

 

「 死 」から 逃れる者を捕らえる( あと 治安維持も? )

“サンドマン” である ローガン は、

 

「 人類を管理する 」コンピュータ、“マザー” から 逃亡犯たちが目指す「 サンクチュアリ( 聖域 )」の場所を 単独で調べるよう指令を受ける。

 

「 寿命 」を縮められ 断る事ができなくなった ローガン

逃亡犯グループの一員、ジェシカに 接触するが……。

 

 

 

実は あまり 興味はなかったんですが 100円って事で 借りてみました。

 

たびたび 目にしていた タイトルでしたが、評価も 高いみたいですね。

 

 

始めに 感想から言えば「 面白かった 」です。

 

少し 説明足らず では あるものの、「 ドーム都市 」(セット)に 結構 予算を掛けていて 雰囲気は良かったし、

 

思っていたより「 見どころ 」も ありましたね。

 

( 若い人には チープに見えるかもしれないが… )

 

「 管理社会からの 脱出 」( テクノロジーからの解放 )というテーマも さりげない感じ、クドくないのも 良かったです。

 

 

「 話 」も「 管理側の主人公が 逃亡者になる( される )」と、よくある展開では あるんですが、

 

「 指令・単独行動 」の理由付が 意外と説得力があって

主人公の「 追い詰められる 」感も 強く出ており、

 

サスペンス的な 空気感や 緊迫感が イイんですよ。

 

さらに「 友人 」でもある 同僚 “サンドマン” を登場させる事で 「 ドラマ性 」も 生まれてましたね。

 

 

総じて 完成度は “高め” だと 思ったんですが、

 

しいて 惜しいところを 挙げれば「 エンタメ性 」が “低め” な

ところでしょうか。

 

時代や そもそもの「 ジャンル 」を考えれば しょうがないんですが、

 

個人的には『 マイノリティ・リポート 』(02年)のような

ハラハラ感のある「 逃亡・アクション 」があれば もっと良かったですね。
 

あと、謎のロボット、“BOX” が “あっさり” だったのも 残念だったな。

 

 

内容としては 一応、「 ディストピア もの 」という括りみたいですが、個人的には あまり その要素は 感じませんでした。

 

「 30歳までしか 生きられない 」という設定は なかなかの

“ディストピアっぷり” では あるんですが、

 

「 ドーム都市 」での 生活自体は「 安全 」で、

まあまあ「 自由 」もあるっぽいし、

 

特別「 誰かが 得している 」って事も なさそうですし。

 

「 人口の管理 」にしても「 地球の環境を守る 」、

 

しいては「 人類の 未来を守る 」( 持続可能な社会 )や

「 争いをなくす 」事にも つながっていて、

 

これはこれで “アリ” だと 思うんですよね。

 

( 個人的には “今っぽい” 話なんだと 思うんだけど、

ほとんどの人は そうは感じないんだろうな… )

 

 

あと、フツーに「 自由を手に入れる 」話なんですが、

「 キリスト教圏 」っぽい視点で 見てみると、

 

「 楽園追放 モチーフ 」や「 自由意志 」、

「( 神が創った )自然環境で 暮らす 」みたいな話にも思えましたよ。

 

それと、

 

原作者が 好きなのか、制作側が 好きなのか、

もしくは “たまたま” なのか わかりませんが、

 

後半に「 猫 」だけ※ が たくさん 出てくるため、

 

今っぽい( 猫人気 )「 猫のいる世界、いない世界 」の視点でも 観れたりできるかも?

 

 

( ※ 一匹だけ トカゲが 出てきたが 他の動物は たぶん、

出てこなかった。

まあ、出てないだけで 他の動物も いるんだろうけど )

 

 

ここから「 画像 」。

 

結局「 ネタバレあり 」、注意。

 

 

 

〔『 2300年未来への旅 』  「 ドーム都市 」〕

 

「 タイトル 」撮り忘れた。

 

原題は『 Rogan’s Run 』

 

「 邦題 」の方が 趣があってイイね。

 

「 ドーム 」の中から「 外 」は見えないらしい。

 

 

 

〔『 2300年未来への旅 』

主人公・ローガン( 右 ) と 同僚・フランシス

 

主人公・ローガン を演じるのは マイケル・ヨーク

 

名前に 番号が付いているのは 名前を使いまわしているから?

 

ちなみに ここは 赤ん坊がいる「 新生児室 」です。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』  「 移動 」方法 〕

 

建物間の移動は「 乗り物 」で。

 

レーンが 一本しかない?  利便性 悪そう…。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』

「 火の儀式 」に漠然とした 懐疑心を持つ ローガン

 

 

30歳になると「 火の儀式 」で 死ぬ事になるが、

代わりに 赤ん坊が 増えるので 人口は 一定。

 

その 赤ん坊は「 体外受精 」?なのかな。

 

「 服の色 」( 黄・緑・赤 )は 年齢の区別っぽいです。

 

女性たちの「 セクシーな服 」に 時代性を感じますね。

 

ちなみに ローガンたち“サンドマン” なので 特別な服。

 

 

 

〔『 2300年未来への旅 』  「 火の儀式 」1 〕

 

ドーム人類は 生まれた時から「 手のひら 」に

「 カラータイマー 」みたいな「 クロック 」というのが

付いており、

 

30歳になると「 赤く点灯 」して「 死期 」を告知される…

 

という設定。

 

「 火の儀式 」参加者の「 仮面 」が 結構 不気味。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』  「 火の儀式 」2 〕

 

「 火の儀式 」では 参加者が 謎のパワーで「 空中浮遊 」して そのまま「 爆発 」と ダイナミックな「 死 」を遂げる。

 

この「 爆死 」は「 生まれ変わり 」でもあるので、観客?は

大盛り上がり。

 

個人的にも まさかの「 連続 爆死 」で 盛り上がりました。

 

あと「 ダイナミックな死 」は『 ミッドサマー 』(19年)を 思い出す場面でもありましたね。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』

粛清された 逃亡者( グズグズに… )と ホバー・マシン 〕

 

逃亡者を仕留めるのが “サンドマン” の役割。

 

ローガンは この逃亡者の死体から「 謎の装飾品 」をゲット。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』  ジェシカ との 出会い 〕

 

「 ドーム 」の「 出会い系 」は「 ワープ装置 」を使った

「 直接面会 」方式(?)。

 

「 移動 」も ワープを使えばいいのでは…。

 

ここは、

ジェシカが着ている「 サイドが 丸見え 」の服にも 注目。

 

 

ヒロイン・ジェシカ を演じているのは ジェニー・アガター

 

この後に『 鷲は舞いおりた 』(76年)に 出演。

ドナルド・サザーランド恋仲になる娘の役です。

 

 

 

〔『 2300年未来への旅 』

“マザー” からの 指令( 極秘任務 )を受ける ローガン

 

 

“マザー” から「 聖域の捜査 」の指令を受けた ローガン

 

さらに まだ 4年あるのに「 クロック 」が 赤く点灯、

「 死亡 フラグ 」が立つ事態に…。

 

しかも「 単独でやれ 」という 無茶ぶり。

 

 

この後、

 

あの「 シンボル 」、逃亡者が 持ってた ヤツだ。

ジェシカも つけてたな。

 

…という感じで 進んでいきます。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』

「 寺院 」に たむろする 不良たち

 

しかし、ローガンは「 ドーム側 」の “サンドマン” という事で

なかなか ジェシカと その仲間に 信用されず。

 

不良女性への対応で 少し 信頼を得るが、

今度は 同僚・フランシスに 疑惑を持たれ 追われる事に。

 

…と なかなか キビシイ( 面白い )状況に。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』

「 施術装置 」を前にしての 外科医との バトル 〕

 

ローガンは 顔を変えるため、逃亡者を助ける「 整形外科医 」を

ジェシカと共に 訪ねるが 信用されず バトル開始。

 

 

 

〔『 2300年未来への旅 』  「 レーザー 」で ズタズタ 〕

 

もちろん、外科医は 返り討ちに…。

 

こういう 予期せぬ「 残酷 」は 嬉しいね。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』  水槽 〕

 

フランシスに追われて「 ポルノ・ショップ 」を抜け、

さらに「 アンク 」を カギにして「 扉 」を開けて さらに進むと…

 

魚が泳ぐ、「 巨大な水槽 」のある場所に到着。

 

どうやら 昔は 魚を養殖していたようだ。

 

( 今の「 食糧事情 」は まったく わからない )

 

ちなみに「 ポルノ・ショップ 」は「 乱交ルーム 」でした…。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』  「 氷の洞窟 」〕

 

さらに 進むと「 氷の洞窟 」。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』

謎のロボット的なヤツ、“BOX”

 

そこにいたのは 謎の人型金属、“BOX”

 

ロボットかと 思いきや、そうじゃないらしい。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』  冷凍保存人間 〕

 

この “BOX” は 逃亡してきた人間を 凍らせて 保存?しているようだ。

 

“マザー”との関係は どうやら なさそう?

 

 

〔『 2300年未来への旅 』

「 二丁拳銃 」“BOX” が あらわれた 〕

 

と、いきなり “BOX” が「 戦闘モード 」に。

 

 

唐突な「 戦闘イベント 」に 心が踊ったけど、「 もみ合い 」→「 天井を撃つ 」→「 氷が崩れ、それに巻き込まれる 」で
 

”BOX”、ものの数秒で「 再起不能 」…。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』  “BOX” の最後 〕

 

中身 スカスカだな…。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』

初太陽、なんか…あったかいぞ 〕

 

「 氷の洞窟 」を抜けると そこは地上で 太陽が…。

 

もちろん、ふたりは 太陽の事を知らない。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』  自然 & クロック機能停止 〕

 

「 外の世界 」は 緑がいっぱい。

 

しばらく進んで 水浴び、そこで 手のひらの「 クロック 」が

機能していない事に気付き、歓喜する ふたり

 

その ふたりの後を フランシスが追っていた…。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』

オベリスク & リンカーン像 〕

 

さらに進むと「 オベリスク 」が見え、

その場所の建物で「 人物の像 」( リンカーン像 )を発見。

 

 

オベリスクは「 ワシントン記念塔 」でした。

 

という事は あの「 氷の洞窟 」は 人工的なヤツって事でしょうね。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』  あ、クロックがない! 〕

 

別の建物で「 第一 村人発見 」。

 

その 老人・“オールドマン” の シワシワ、白髪、

「 クロック無し 」に驚く ふたり

 

老人の両親は すでに 他界、老人は この世界で ひとり、

猫たちと 暮らしていた。

 

 

という「 地球最後の老人 」( アイ・アム・老人 )な事が

わかる、なかなかの 哀しい場面。

 

あとここ、「 画像 」には 映ってはいませんが 猫が たくさん

います。

 

 

ちなみに 老人・“オールドマン” を演じているのは、

 

『 ナイル殺人事件 』『 地中海~ 』『 死海~ 』ポワロ

演じた、ピーター・ユスティノフ です。

 

 

 

〔『 2300年未来への旅 』  フランシス 死亡 〕

 

一段落したところに 後を付けてきた フランシスが 登場、

ローガンに 襲い掛かるが 返り討ちに遭い 死亡。

 

 

ここは「 ブロマンス 」な雰囲気があったな。

 

端折ったけど、フランシスの「 葛藤 」も ちょいちょいあって、結構 イイ場面になってるんですよ。

 

 

話的には ここらへんで 終わっても いい感じなんですが、

「 もうちょっとだけ続くんじゃ 」。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』  戻ってきた 〕

 

ふたりは「 外の世界 」を 皆に知らせるため、

証拠として 老人を連れて「 ドーム 」に戻る事に。

 

出た時とは 別ルート、「 水力発電 施設 」から 侵入、

「 火の儀式 」に向かう 人々に「 外の世界 」の事を伝えるが、

 

誰も 興味を示さず、結局 ふたりは 捕まってしまう。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』  ローガン“マザー”? 〕

 

そして “マザー”の「 尋問 」を受ける ローガン

 

だが、ローガンは 逆に「 精神攻撃 」( 我慢くらべ )?を

仕掛けて “マザー”を 混乱させ 撃破(?)。

 

すると 何故か 建物内で「 爆発 」が発生。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』  ドーム都市、連爆 〕

 

すると 何故か 他の建物でも 爆発が起こるのだった…。

 

 

ちなみに 右の ビルっぽいのが 本部( 中心部 )みたいです。

 

 

〔『 2300年未来への旅 』  みんな 脱出 〕

 

他の人々も「 ドーム 」から脱出。

 

ここは『 アイランド 』(05年)の最後を想起しますね。

 

 
〔『 2300年未来への旅 』  老人、初の「 モテ期 」〕
 
皆、老人に 興味津々、集まってくる。
 
ひとりの女性老人に近づき、タッチ。
 
 
〔『 2300年未来への旅 』  ラストカット 〕
 
最後は「 ドーム爆発 」、「 脱出した人々 」、
ローガンジェシカ 」を 重ねて映して 終わり。
 
 
 
一見すると「 グッドエンド 」っぽいけど、
 
この後の「 衣食住 」や「 免疫 」、「 出産 」等々を 考えると
「 暗い影が差す ラスト 」の様な気がします。
 
ただ、老人の “ぼっち” が解消したのは 素直に 良かったと思いましたよ。