ミステリー2冊 「『 アリス・ミラー城 』殺人事件 」「 仮面の復讐者 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

今月 読んだのは

 

 

海外「 “変”愛 」アンソロジー
「 変愛小説集 」  編訳: 岸本佐知子

 

 

本格ミステリー
「『 アリス・ミラー城 』殺人事件 」  北山猛邦

 

 

芥川賞 作品、 個人的には エンタメ・ミステリー

「 むらさきのスカートの女 」  今村夏子

 

 

本格ミステリー

「 仮面の復讐者 」  小島正樹

 

 

の4冊。

 

( もう 一冊、読み終わりそうだが 書く時間がないんで それは 来月に 持ち越し )

 

まずは「 ミステリー 」2冊から。

 

 

 

 

「 『 アリス・ミラー城 』殺人事件 」

北山猛邦

 

 

本格ミステリー。

 

『 城 』シリーズ 3作目。

 

20年くらい前に1作目の『「 クロック城 」殺人事件 』

読んでます。

 

残りも気になってはいたものの ほったらかし状態。

でしたが ちょっと前に「 古本 」で見かけたので 購入。

 

一応、このシリーズは 全部 読む予定です…

 

 

 

「 ルイス・キャロルは 実際に〈 鏡 〉を使い 〈 鏡の世界 〉に行ったのでは…?」との逸話。

 

その くだんの鏡、「 アリス・ミラー 」があると言われている、孤島にある「 アリス・ミラー城 」に「 鏡 」を求める 探偵たちが 招待される。

 

だが 翌日、探偵のひとりが ある部屋で 死体となって発見される。

 

その部屋は “人が通れない”「 小さなドア 」で、カギにより施錠もされており、唯一?の出入り口、「 テラス側の窓 」も 外からカギで施錠( 外側に 鍵穴がある )されていた。

 

その2つのカギは すぐ見つかるのだが…。

 

さらに 殺人は続き……。

 

 

みたいな内容。

 

 

『 クロック城 』と 世界観が違うんじゃ…と思ったら、

探偵役どころか「 世界設定 」自体も 違う、それぞれ独立した

設定?の シリーズになっているみたいです。

 

 

内容的には

「 孤島で ひとり、またひとりと 殺されていく 」系の話で、

 

「 “鏡” の実存、または その在処 」

「 アリス・モチーフの城 」の舞台設定に 興味をそそられるし、

 

その他「 不可解な密室 」や「 城が建てられた理由 」など

奇妙さを覚える「 謎 」にも 胸が躍り、楽しく読めました。

 

「 動機 」の方は評判が よくないみたいですが、個人的には

“好きなヤツ” だったので そっち面でも 結構 満足でしたよ。

 

 

肝心の「 トリック 」の方は

 

「 密室 」の方は 良かったとは 思いますが、少し「 やりすぎ 」に思えたので 個人的に 納得度は “低め” かな。

 

( あそこまで…と いろいろと 手間、時間が 掛かりそう。

もっと…ても 良かったような )

 

 

あと「 後半のヤツ 」は 問題点には すぐ気づきましたが、

「 仕組み 」としては 結構 好きです。

 

 

それよりも 問題は “あっち”の方

 

読後、軽く確認しましたが、しっかり…ましたね。

 

「 ちゃんと考えれば 気づきそう 」だったので、

そういう意味では かなり「 フェア 」だとも言えるんですが、

 

それでも「 不自然さ 」が 拭えない( 強い )んですよね。

 

総じて考えると 個人的には「 アンフェア寄り 」ってところ

かな。

 

 

 

 

「 仮面の復讐者 浜中刑事の逆転 」

小島正樹

 

刑事モノ・本格ミステリー。

 

『 浜中刑事 』シリーズ、第5弾。

 

『 海老原 』シリーズは 知ってはいましたが、コレは知らなかったな。

 

 

 

昭和61年。

 

竣工した「 A棟 」と、20メートル離れた位置に建つ、

建物自体は出来上がっているが 工事は終わっていない「 B棟 」の 2つのマンション。

 

「 A棟 」の部屋を借りた 桧垣夫妻に「 お披露目 」として部屋に招かれた「 桧垣商会 」社員・愛田と 取引先の 加川

 

しばらくして「 大きな音 」を聞いた4人が 外に出てみると

「 B棟 」のそばに ひとり別行動で来るはずの 社員・藤元

「 墜落死体 」が。

 

だが、その時間帯「 B棟 」最上階の階段そばで 作業していたは 昇ってくる 藤元の姿を見てはおらず…。

翌年、自宅で 桧垣伸幸( ひがき・のぶゆき )が殺される事件が起きる。

 

刑事の 浜中康平( はまなか・こうへい )は 女性刑事・木原

先輩・夏木 と共に捜査に参加、自由が利く「 遊撃班 」に任命される。

 

桧垣に「 麻薬密輸 」の嫌疑が掛かっていたため、麻薬取締官が「 監視カメラ 」を設置しており、その日「 桧垣宅 」を 訪れた人物3人が 浮上するのだが……。

 

 

 

小島正樹といえば「 デカい・トリック 」が特徴的な作家。

 

「 スケールが大きい 」と 無理っぽさも 出やすいんですが、

個人的には「 説得力・納得力 」も 十分 感じられたし、

 

何よりも「 話 」自体が面白いんで 今のところは ハズレのない作家です。

 

とはいえ 今作は「 ミステリー的・ケレン味 」が少ないと思われる「 刑事モノ 」って事で 若干 不安も。

 

でしたが 読んでみると「 刑事モノ 」でありながらも

ガッチリとした「 本格 」になっていましたね。

 

「 トリック 」も「 程よいスケール感 」になっていたし、

( それでも そこそこの 大きさだが )

 

「 手掛かり 」も親切(「 解けそう感 」強め )だったので、

 

“しっくり来る”人が 多そうな感じでした。

 

まあ、「 本格歴 」の長い人だと 物足りなさを 感じるかも

しれませんが。

 

個人的にも「 本格度 」に関しては 満足はしていますが、

高揚感としては それほどでも なかったですし。

 

 

「 話 」の方は「 オーソドックスな 刑事モノ 」でしたが、

面白く 読めました。

 

主人公である 浜中刑事は「 駐在所の勤務を希望 」していたり、

 

「 探偵役 」では “なく”、「 ワトソン寄り 」(?)と チョット変わった 立ち位置 なんですが、

 

それも 上手く「 木原との 掛け合い 」や「 人間ドラマ 」に

活かされていて「 笑い 」や「 イイ話感 」 に 繋がってましたね。

 

( 個人的には「 イヤな話 」の方が 好きだけど… )

 

 

という事で 総じて考えてみると「 手に取りやすい作品 」って

事になるのかな。

 

ちなみに「 犯人は すぐ分かる 」(「 倒叙 」要素もある )構成

なので「 犯人当て 」が好きな人は 留意。