石井隆 監督の サイコ・サスペンス 「 フリーズ・ミー 」 | berobe 映画雑感

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「 フリーズ・ミー 」(日/2000)

 

石井隆 監督・脚本の 「 サイコ×2・サスペンス 」

 

今回の「 石井隆 特集 」で 一番 ヒドく、恐い( 面白かった )作品でした。

 

 

 

5年前の 雪の降る夜、3人の男に強姦された 山崎ちひろ

今は 東京で暮らし、同僚で恋人の婚約者もいる ちひろ だったが、

彼女のマンションに 3人のうちの一人、広河が 突如、来訪。

 

強姦の首謀者でもある ヤクザの馬場が 刑務所から出所するため、

ちひろのマンションを 待ち合わせ場所にしてたのだった。

 

その時に 撮られた「 ビデオ 」を ネタに そのまま マンションに居座る 広河ちひろ は……

 

 

山崎ちひろ 役、井上晴美

馬場 役、竹中直人

広河 役、北村一輝

小島 役、鶴見辰吾

 

 

 

「 ネタバレ 」あり。

 

 

「 強姦者が 数年後、被害者宅を 訪れる… 」 という、異常 極まりない 不快な内容。

 

ある意味 「 不条理譚 」でもあり、

「 フラッと 被害者の元を訪ねる 」 強姦者「 共感性皆無 」の心理には 戦慄を禁じ得ません。

 

最初の訪問者、広河を演じる 北村一輝 の「 オラオラ・自己中 演技 」からして 最悪( 最高 )で、

 

それに怯える ちひろ役、井上晴美の 「 恐怖に 慄く 」表情や 振る舞いも上手く、居心地が悪いのなんの。

 

しかも 強姦者が あと二人もいるっていうのも 絶望的で、終始イヤな気持ちでしたよ。

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』  主人公・ちひろ婚約者( 右 ) 〕

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』

突如、ちひろを 訪ねてきた 強姦者のひとり、広河北村一輝 ) 〕

 

「 まったく 悪びれていない 」表情「 思慮が足りない 」行動 から、

「 サイコパス度 」の高さが 窺えますね。

 

 

ちなみに 某・海外の番組で

「 サイコパス 」の認定は 「 20項目の質問( 0~2点 )で 30点以上 」を取った人が サイコパスと認定されると 説明してました。

 

巷の情報では ( 基準は わからないが )「 サイコパス割合 1% 」と

ありましたが、「 高い点数 」( 29~27点くらい?)の人を加えれば

その数は もっと増えそう。

 

もっとも、項目により 「 性質の偏り 」があったりもするので

実は 多くの人が 「 サイコパスな面 」※を持っているんですよね。

 

 

( ※ NHK 『 脳と心の白熱教室 』、「 サイコパスの回 」だったかな。

ちなみに ジェームズ・ボンド も サイコパスでした… )

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』

広河を見て 「 雪の降る日 」に起こった強姦を「 フラッシュバック 」する ちひろ

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』

「 部屋に ずかずかと入って来た 広河 」と、

「 プリントアウト した “ビデオ画像”を 投函する 広河

 

「 シャワー中 」だったとはいえ、「 裸で 画像を ばらまく 」という 異常な行動を見せる 広河に 恐怖を覚えますね。

 

「 警察に連絡するれば いいのに… 」とは 思うものの、

「 ビデオ 」の存在を考えれば なかなか 踏ん切れないのも 理解できるな。

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』  ちひろの会社に 乗り込んで来た 広河

 

この件で ちひろは「 会社をクビ 」になり、婚約者にもバレて…と、

幸せな生活から 転落。

 

「 大声を上げながら 会社にやってくる 」非常識にも 程がある 広河

見てる こちらも ゲンナリ。

 

こういう輩には 関わりたくないな…。

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』 精神的に追い込まれた ちひろに殺された 広河

 

ちひろが 「 殺人 」という 一線を越えしまう、やるせない展開。

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』  強姦者2人目の 小島鶴見辰吾 )〕

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』  ちひろに 「 土下座する 」小島

 

サイコパス特有の

「 心が 通っていない( イヤイヤ感すらない )“形式的な” 土下座 」

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』  居座る 小島に 頭を抱える ちひろ

 

広河とは別の 「 粘着質な 傍若無人さ 」に イライラしますね。

 

鶴見辰吾の「 無神経な 振る舞い 」は 気分は悪いけど、凄く良かったな。

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』

「 勝手に冷蔵庫を開けた 小島 」と 「 その 小島を襲う ちひろ 」〕

 

「 広河の死体 」は 冷蔵庫で保存していた。

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』

2台の「 冷蔵庫 」に入っている 広河小島の死体を 愛でる ちひろ

 

ちひろは「 冷蔵庫 」を もう一台購入、そちらに「 小島の死体 」を入れる。

 

 

「 凍った死体 を 美しく感じている 」この時点くらいから 「 ちひろの心 」は壊れ始めていたんだな。

 

この話は

「 サイコパスな男たち 」と、彼らによって「 精神が破壊された 女性 」

「 ダブルサイコ・サスペンス 」の内容なんですよね。

 

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』  3人目、出所したヤクザ 馬場 登場 〕

 

2人を殺すも 首謀者のヤクザ・馬場が 訪問、ちひろは またしても

平穏を脅かされる。

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』  「 死ね 死ね 」言いながら ゲームをする 馬場

 

暴力的、威圧的な 馬場は ゲームでも 「 死ね 死ね 」を連発

「 はしたない恰好 」も 相まって 気が滅入ります。

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』  3台目の「 冷蔵庫 」を購入した ちひろ

 

電話で注文する時の ちひろの明るい声に 少し ワクワク。

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』  「 馬場殺害 」場面 〕

 

〔 『 フリーズ・ミー 』  普通に「 冷蔵庫 」としても 使っている ちひろ

 

強姦者3人を 殺し、平穏な日々が戻ったかと 思いきや、

 

「 冷蔵庫 」を 3台も 稼働しているため 「 エアコン 」が 使用できない

状態に。

 

そんな 部屋が暑い中、婚約者が訪問。

急遽、「 冷蔵庫 」を止め 「  エアコン 」を稼働させるのだが…

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』  「 冷蔵庫 」の中を 覗く 婚約者

 

その事で 婚約者が「 冷蔵庫 」から 漏れ出た “体液” に気付く事態に。

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』  婚約者を撲殺しようとする ちひろ

 

ついには 婚約者まで 手に掛ける…という、やるせない展開。

 

 

〔 『 フリーズ・ミー 』  最後、雨が降るなか ベランダに 向う ちひろ

 

最後は 「 ちひろが ベランダから ( おそらく )身を投げる 」という、

全く 救いのない 結末。

 

 

 

「 雪の降る日 」に起こった 強姦。

 

その時 “凍らせた” 「 心の傷( 記憶 )」と 同じように 3人を“凍らせる” 展開でしたが 「 復讐感 」は まったく無し。

 

“凍った心” が 溶けたかのような 「 最後の雨 」

「 トラウマ解消 」などではなく、「 生きる希望が 溶けた( なくなった )」かのようでしたね。

 

 

 

そんな 「 気分が落ち込む、不快な 」作品ですが、

 

「 反社会性人格者の映画 」として たいへん見応えのある 内容で、

 

個人的には とても 興味深く ( ホラーとしても 楽しく )観れましたよ。

 

 

主演4人の演技も いろんな意味で最高なので、内容としては

オススメ出来ませんが、作品としては オススメです(?)。