読書 ホラー系 2冊 「 鬼談 」、「 粘膜蜥蜴 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

全然 関係ない話題から。

 

数日前 ヘビ( シマヘビ? )に遭遇。

 

 

地方といえど 、一応 住宅地っぽいところなので ビックリ&感動。

 

道路の横断中で、車が来ないか ハラハラ しましたよ…。

移動している時の動きが ( 結構 速いのな )面白かったな~。

 

( 人口が減ったためか 生き物を よくみかけるように なった気が… )

 

 

 

〔 『 怖い絵本 とうふこぞう 』 の 豆腐小僧 〕

 

「 Eテレ 」の 『 怖い絵本 』シーズン3 で

作:京極夏彦『 とうふこぞう 』やってましたね。

 

いいデザインだったので 画像掲載。 ( 話、他の絵も 良かった)

 

もとの 『 怪談えほん 』( 豆腐小僧は 『 妖怪えほん 』 )シリーズは

図書館で

 

『 悪い本 』( 作 : 宮部みゆき )、 『 いるの いないの 』( 作 : 京極 )、

『 ちょうつがい きいきい 』( 作 : 加門七海 )は 読んでます。

 

3冊とも ゾクッと きましたが、

一番 好きなのは 『 ちょうつがい きいきい 』ですね。

 

 

本題。

 

 

今月 読書は

 

現代怪談、幻想・怪奇譚の短篇集

「 鬼談 」  京極夏彦

 

 

連作短編 本格・ミステリー

「 文学少女 対 数学少女 」  陸秋槎( りく・しゅうさ )

 

 

本格ミステリー、「 マリア&漣 シリーズ 」の短篇集

「 ボーンヤードは語らない 」  市川憂人

 

 

エンタメ( 人間ドラマ )・ホラー

「 粘膜蜥蜴 」  飴村行

 

 

の 4冊。

 

 

まずは 「 怪奇・ホラー系 」の 2冊から。

 

 

 

「 鬼談 」  京極夏彦

 

「 現代怪談 」、「 幻想・怪奇譚 」の短篇集、『 談シリーズ 』

全9作品 収録されてます。

 

 

京極夏彦といえば 『 百鬼夜行シリーズ 』 ですが、

 

個人的には 多くが “イヤな後味を残す” この 『 談シリーズ 』も 好きですね。

 

という事で 期待して 読んだのですが、

どれも 「 恐怖譚 」と 「 “想い”のドラマ 」のバランスが良く、予想以上に 面白かったです。

 

 

作品の「 ザックリ紹介 & 感想 」。

 

 

「 鬼交 」 は 「 ベッドで まどろむ 女性が… 」を描いた 幻想譚。

 

京極『 エンティティー 霊体 』(81年)といえそうな エロティックな

作品で、これまでとは 毛色が違う 内容 なんですが、

 

初出が 『 エロティシズム12幻想 』 という事で 納得。

 

「 京極 節( 幻想表現 )」+「 エロ 」が 新鮮でしたね。

 

 

 

「 鬼想 」 は 2ページの「 ショートショート 」。

 

サブタイ 『 八百人の子供の首を斬り落とさなければならぬ程。 』

とある通り、「 子供の首を斬り落とす男 」の話。

 

残酷な話と思いきや、「 生きる苦しみ 」を選らんだ者の 「 悲しい話 」でしたね…。

 

これも 初出が 『 小説新潮 』 という事で、他作品と 趣が異なっています。

 

 

次の 5作品は 怪談誌『 幽 』 が 初出。

 

 

「 鬼縁 」 は、

 

「 物心付いたときには 右腕が無かった、〈 将軍家の 剣術指南役 〉の

息子、作之進 」と、

現代が舞台の が生まれた 小学4年生の少女( 姉 )」の話。

 

2ページ事に 「 2つのパート 」が交互に代わる構成は テンポがよく、

話に 引き込まれました。

 

作之進に 腕がない理由 」の判明 から徐々に 何気ない

( けど ちょっと 不穏な )「 4年生少女・パート 」に 暗雲が立ち込め

始め、そして 2つが “繋がる” 展開には 戦慄が走りましたね。

 

その後、「 因果な結末 」に 向うところも ピリピリッと きましたよ。

 

 

 

「 鬼情 」 は、

 

僧同士「 人への愛 ( 想い・慈愛 )を巡る 」対話( 問答 )と、

「 新たに 鬼が… 」 という、『 雨月物語 』『 青頭巾 』を元にした 話。

 

「 僧同士の対話( 問答 )」の 書き方が、

 

ひとりは 「 普通( 上詰め?)」の記述で、もうひとりは 「 下詰め 」という 面白い構成で、 なんだか 「 バトル感 」を 強く覚えましたね。

 

平行線の様相をみせる 僧同士の「 問答 」( やり取り )でしたが、

元の『 青頭巾 』 を 知らなかったため、

 

次第に 分かってくる 「 愛の解釈 」その「 行動 」に 驚愕しましたよ。

 

後半、一転して 別の僧が現れ、「 僧同士の対話の “切っ掛け” 」が

分かり 納得がいきましたが、 最後のオチに※ 再び 驚愕…。

 

あの“一撃” には 笑みが こぼれましたけどね。

 

( ※ 『 青頭巾 』と 違う、京極らしい オチ )

 


 

「 鬼慕 」 は、 「 互いに “連れ合い”を亡くした の対話劇 」

 

“呆れて” からの “ズドーン”な顛末が 切なくて 怖くて・・・

チョット愛らしい。

 

その顛末( というか 全て?)も、ちゃんと 冒頭で・・・ね。

 

そういう意味では 「 夢のある話 」だったな~(?)。

 

 

 

「 鬼景 」 は、

 

「 “ほぼ毎日 通る道” で、〈 見覚えのない家 〉に 気づいた女性

に 〈 その家 〉について 訊ねるが… 」 という 怪奇譚。

 

「 見覚えのない家 」から 「 別のイヤな話 」に転じ、

再び 「 見覚えのない家 」の不安が 頭をもたげる 愉快な流れ。

 

「 見覚えのない家 」もですが、「 別のイヤな話 」も 結構 インパクトがあり 「 怪奇譚 」として とても面白く 読めましたよ。

 

 

 

「 鬼棲 」 は、

「 呼ばれて 〈 伯母の家 〉に行った 伯母の 対話劇 」 で、

 

京極夏彦「 恐怖論 」( 恐怖とは “予感” )が 炸裂する話。

 

前読んだ 他の作品でも 「 恐怖論 」が 語られていましたが、

それよりも 若干、詳しめ だったし( たぶん )、

 

その「 恐怖論 」が オチに( 「 何もない部屋 」に… )に 繋がるので

結構 面白く 読めましたね。

 

でも 展開自体は “ほぼ無い” ので 「 恐怖とは… 」に 興味がないと

つまらないかも…。

 

 

最後の 2作品は 「 書き下ろし 」。

 

 

「 鬼気 」 は、

 

「 夜、自宅へ帰る男“顔の片側を手で隠した女” に 後を付けられている事に 気づく… 」 という 話。

 

 

読んでいくうちに “顔を隠した女” の「 正体的なモノ 」は わかってくるんですが、それでも 「 最後の1ページ 」に ゾワッと きましたね。

 

「 恐怖譚 」では ありますが、「 いろいろと 身につまされる 話 」でも

あり、 同様に ゲンナリ します…。

 

そういう意味では 『 厭な小説 』っぽかったかな。

 

 

 

「 鬼神 」 は、

 

「 〈 疫病が蔓延した村 〉から 逃げだした 太郎は 飲まず食わずで

叢( くさむら )を 彷徨う。

山には 人を食う が住むというが… 」

 

 

「 人は皆 ( 因業により )鬼 になる 」( 鬼=人 ) みたいな話で、

最後に ふさわしい 作品でしたね。

 

“業の深い” 太郎の父村人たち からは、

「 ヒドイ奴、ヤバイ奴 ばかり出て来る 」 平山夢明の作品を 想起。

 

なので 最後も 平山作品っぽく、

 

「 ヒドイ話だけど ちょっとした 希望、救いも… 」的な 雰囲気を 匂わせて 終わるのかと 思いきや、しっかりと 「 鬼 」で 締めていましたね。

 

でも、「 鬼に食われず、鬼にもならず 」って事で 若干マシなのかも…。

 

 

 

「 粘膜蜥蜴 」  飴村行

 

エンタメ系・ホラー。

 

個人的には 「 人間ドラマ系・ホラー 」でしたね。

 

「 ホラー大賞 」を受賞した 『 粘膜人間 』と どっちを読もうか 悩んだんですが、 「 ミステリー 」要素が あるみたいなので こちらを選択。

 

 

強大な権力を持っている「 病院の院長 」の息子 で、

「 “頭部が蜥蜴”の爬虫人 」 富蔵( とみぞう )を下男にしている

月ノ森雪麻呂( つきのもり・ゆきまろ )。

 

国民学校初等科に通う 堀川真樹夫( ・まきお )は、中沢大吉 と共に 雪麻呂の 「 ご招待 」を受け、病院と併設された 「 月ノ森家 」へ。

 

病院の地下の「 死体安置所 」に案内された 2人だったが…。

東南アジアの国、ナムールに 出征している、真樹夫の兄で 陸軍少尉の 三樹夫( みきお )は、

貿易商・間宮の「 村落までの護衛 」の任務を受ける……。

 

 

『 粘膜人間 』は “グチョグチョな話” みたいですが、こっちは そうでもなかったです。

 

ですが、舞台が「 戦前の 軍国主義の日本 」という事で

ヘンなジメジメ感や 閉塞感を 強く感じる作品でしたね。

 

「 第壱章 」雪麻呂に 「 ご招待 」された 真樹夫の話で、

傍若無人な 雪麻呂に 振り回される 2人が 切なくも 可笑しかったですね。

 

それと 「 院長の研究 」、 「 死体安置所の管理人の・・・ 」、

「 家出中の雪麻呂の母 」、 「 事件後の・・・ 」など、気になる描写も

多く、「 ミステリー心 」も 刺激されましたよ。

 

「 第弐章 」は 打って変わって 東南アジアを舞台にした

真樹夫の兄、陸軍少尉・三樹夫「 密林行軍 」冒険譚

 

「 ゲリラとの戦闘 」、「 肉食ミミズの襲撃 」 など、エンタメ展開もあるんですが、

 

「 蒸し暑い 密林 」と 「 激しい ノドの渇き 」、

「 軍隊の 理不尽、不条理 」三樹夫同様、気が滅入ります。

 

まあ、「 間宮の顛末 」は エグくて 面白かったし、爬虫人の子供

可愛かったですけどね。

 

「 第参章 」雪麻呂の視点で 描かれる まさかの「 恋愛・愛情劇 」

 

雪麻呂と 「 爬虫人の下男で 愛国者 」の富蔵の 「 掛け合い 」が

バカバカしくも 愉快で、 先の 二章よりも 「 コメディ色 」が強め

 

相変わらず 傍若無人な 雪麻呂は 不愉快だし、

 

「 許嫁を巡る 対決 」「 大吉の くだり 」なんかも かなり凄惨なんですが、酷すぎて 逆に 笑えるんですよね。

 

特に 「 デンデン太鼓 」( 「 富蔵の応援 」 )のくだり は、かなり 滑稽で 最高でしたよ。

 

あと、「 母親の家出 」の真相も 結構 衝撃的で、 個人的には その真相と 「 諸々の伏線 」ちょっぴり「 本格ミステリー 」※を 感じましたね。

 

( ※ 個人的には ギリギリ、「 本格ミステリー 」でも いいかも?

あくまで 個人的にですが )

 

ちゃんと・・・を受ける「 顛末 」と、

「 愛 」で 締める「 結末 」( 最後の二行 )も 良かったですね。

 

 

個人的には 期待した 「 グロさ 」、「 悪趣味さ 」は 思ったほどは

感じませんでしたが、

 

「 エンタメ・ホラー 」、「 恋愛・愛情ドラマ 」、「 ホラー系・ミステリー 」

として 十分に 楽しめました。

 

杉江松恋の 巻末「 解説 」を読んで 『 粘膜人間 』に さらに強く 興味を覚えたので 読むかもしれません。

 

人によっては 不快感を 覚えそうな 内容では ありますが、

意外と 「 イイ話 」なので(?)個人的には オススメは しやすい作品ですね。