読書1 本格ミステリー2作 「 パズラクション 」、「 時空旅行者の砂時計 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

今月 読んだのは…

 

倒叙系?本格ミステリー

「 パズラクション 」 霞流一

 

 

SF( 特殊設定 )・本格ミステリー 

「 時空旅行者の砂時計 」 方丈貴恵

 

 

SF短篇・アンソロジー

「 SFショートストーリー 傑作セレクション 時間編 」

小松左京、 筒井康隆、 広瀬正 ほか

 

の 3冊。

 

 

「 本格ミステリー 」2作品から。

 

 

「 パズラクション 」 霞流一

 

本格ミステリー。

 

霞流一 作品は 『 落日のコンドル 』は 面白かったけど、

その他の作品は 「 まあまあ 」「 イマイチ 」だったんですよね…。

 

でも、今作は なんだか 面白そうだったので 挑戦。

 

一応、2019年の『 本格ミステリ・ベスト 』 3位 の 作品でも

ありますし…。

 

 

 

広報を担当し、捜査にも協力する 刑事、

白奥宝結( しらおく・ほうむす )と、

 

の「 専属ライター 」・和戸隼( わと・しゅん )。

 

2人は 「 悪党を殺し、その事件の “犯人”を提供、 解決に導く 」、

悪の制裁者。

標的の田久保を殺しに パーティ会場へ行った 和戸だったが、

「 装飾され、柵に 逆さに吊るされている 」 田久保の死体を 発見。

 

その犯人が 分からないまま、和戸は 次の標的である 菊島

「 元・宗教施設の廃墟 」で 殺すが、

不運が重なった事で 意図せぬ 「 密室殺人の現場 」になってしまう。

 

白奥和戸は “仕掛け” として 「 ある “見立て” 」を 現場に施す…。

 

さらに 「 田久保の件 」で 怪しげな 「 食品メーカー 」や

「 フィットネスクラブ 」が浮かんできて…。

 

 

 

今作は 「 犯人が 別の 解決法( 犯人 )」でっち上げる

倒叙系の ミステリー。

( 本作から 引用すれば 「 転倒叙 」

 

「 証拠の 取捨選択 」により、「 ニセの真相を作る 」 という、

「 アンチ・本格ミステリー 」っぽい作品でも あります。

 

( 本作から 引用すれば 「 逆本格 」

 

 

話的には 「 悪党を裁く 」という、ミステリー版・「 必殺仕事人 」

雰囲気でしたね。

 

「 設定 」や「 物語 」自体は 好きですが、

 

和戸が 標的を殺すたび 不運に見舞われ、「 意図せぬ 殺人現場 」※になる展開は、「 強引 」かつ 「 バカバカしく 」て 若干 ゲンナリ。

 

 

( ※ 「 意図せぬ 殺人現場 」

 

「 菊島 殺し 」では、「 地震 」「 死体に ロープが 引っかかった 」

により、

菊島の死体が 「 5階 渡り廊下 」から 「 2階の部屋 」へ移動 と、

かなり 強引 )

 

 

「 “ニセの真相” の構築 」※「 イイ伏線 」がある 一方、

「 ツッコミ所 」も 多めで、

 

個人的に 「 本格 」としての 「 納得度 」は “総じて低め”…かな。

 

( ※ 「 ニセの真相 構築 」は チョット『 虚構推理 』っぽかった )

 


それでも 最初の「 田久保 殺し 」のくだりは 以外にも “本格”

「 オッ 」と思ったし、

 

もともと 「( 昔の )マンガチック 」な作風「 バカミス 」傾向を持つ

著者という事で

「 本格のハードル 」を下げ気味に 読んだのも 功を奏してか、

 

終盤の 「 “ニセ( 捏造 )の犯人” 指摘 」の「 推理 」も 思ったより

楽しめましたよ。

 

あと、最後の“オチ”の くだりも 良かったですね。

 

 

「 クセが強い 」ので 「 ススメづらい 」作品ですが、

「 バカミス 」に 抵抗がなければ 楽しめるかも しれません。

 

 

 

「 時空旅行者の砂時計 」 方丈貴恵

 

SF系( 特殊設定 )・本格ミステリー。

 

『 鮎川哲也 賞 』作品です。

 

 

1960年 「 竜泉家の別荘 」で 「 殺人と その後の 土砂崩れ 」により、

ほとんどの 竜泉家一族が 亡くなる事件( 「 死野の惨劇 」 )が 起きていた。

竜泉家の血筋を引く、瀕死の妻を 救うため “謎の声”の 力によって

58年前の( 1960年 )の 「 竜泉家の別荘 」に タイムスリップ した

加茂冬馬( かも・とうま )。

 

加茂は 「 土砂崩れ 」のタイムリミットが 近づくなか、

竜泉家の少女・文香 共に 真相の解明に乗り出すが…。

 

 

 

「 伏線( 情報 )」が 多く、「 読者への挑戦 」もあったりと、

思った 以上に 「 本格 」でしたね。

 

「 別荘と その周辺 」の 「 見取り図 」や 「 家系図 」もあるし、

殺人も 「 バラバラ殺人 」「 人物消失 」「 見立て 」と、気分的にも

上がりました。

 

「 タイムトラベル 」( SF )設定も 一応、しっかり提示しており、

 

個人的には 「 タイムトラベル 」時の

 

「 場所を 厳密にすれば 時間の、 時間を 厳密にすれば 場所の

誤差が大きくなる 」

 

との 「 不確定原理 」の要素を 取り入れていたのが 面白かったです。

 

その他 「 制限 」や 「 範囲 」も 上手く 話に 組み込んでいて、

 

「 トリック 」考察に 於いても 「 普通 と タイムトラベル どっち?」 と、

いろいろと 考える楽しさも ありました。

 

個人的には “最初の” 「 人間消失・トリック 」※が ツボ でしたね。

 

( ※ 『 ジョジョ 』や、某有名・SF映画の “アレ” っぽいヤツ )

 

ですが 「 本格 」にしても 「 SF 」にしても 「 気になるところ 」も多く

感じました。

 

人によっては そこに 不満や ストレスを 感じるかも…?

 

個人的には 中盤頃からの 若干の 「 テイスト( 趣向 )変化 」(?)に

一瞬、ついて行けず 気分が盛り下がったし、

 

上記のように “引っ掛かり” も 結構ありましたが、それでも 面白く

読めましたね。