9月に読んだ本は、
本格ミステリー 「 元年春之祭 」 陸秋槎
ホラー・アクション 「 人外サーカス 」 小林泰三
アンソロジー
「 ガール・イン・ザ・ダーク 少女のためのゴシック文学 」
高原英理 編著
の3冊。
最初の2冊から。
「 元年春之祭 」( がんねんはるのまつり )
陸秋槎 ( りく しゅうさ )
華文・本格ミステリー 作品。
前漢の時代の中国。
かつて 楚国 で 祭祀を 行っていた名家の 観家 を訪れている
豪族の娘、於陵 葵( おりょう き )は、
当主の娘、観 露申 ( かん ろしん )と 親しくなる。
そんな中、崖に挟まれた 「 1本道 」 で、殺害された 当主の妹 が
見つかる。
しかし、道の東西には 「 人の目 」 があったが、誰も 犯人を 目撃
してはいなかった…。
昔の中国( 前漢 )の知識が ないので、
「 読み始め 」 は イメージが 想起できず、
「 漢籍 」( 漢文で 書かれた 書物 ) や、「 見慣れない 漢字 」 も
多く出てきて、 なかなか ノレない感じ※ でしたが、
読んでいく うちに 徐々に 慣れて きましたね。
( ※ “この感じ” は、イスラム教を 全く 知らずに 読んだ、
古泉迦十 の イスラム教・ミステリー 『 火蛾 』( メフィスト賞 )の時と
同じ だったな~。
『 火蛾 』 は、好きで 2回読んでますが、オススメ度 は 低いです… )
それでも、読む スピードは 遅めで ( ただでさえ 遅いのに… )、
ページ数は 「 300頁 少し 」 と、そんなに ないのですが、
読了には 思いのほか 時間が 掛かってしまいました。
「 ミステリー 」としては 上記の 「 消えた犯人 」の他、
4年前に 起こった
「 前当主 一家の 殺害事件 」 ( こちらも “消えた犯人” )の 「 謎 」、
さらに 「 殺人 」も 続き…と、意外と 多め。
( ちなみに 2件目の殺人は 漢籍の 「 ダイイング・メッセージ 」 )
一応、「 読者への挑戦 」 が あるんですが、無い方が 良かったかな?
個人的には 「 消えた 犯人 」 よりも 「 動機 」の方が 素晴らしく、
もう一つの方の 「 動機 」も かなり “好きヤツ” でしたね。
「 伏線 」は、
個人的には ちょっと “細か過ぎ” のも ありましたが、
しっかり 提示されていて、 “納得度は高め” だと思いました。
( 全然 分かりませんでしたが… )
内容としては 「 女性たちの物語 」 で、チョット 「 百合 」要素も?
キャラ は 少し 「 ラノベ・チック 」※ で、
「 露申 と 葵 」、 「 葵 と 召使の小休 」 の 掛け合いは
「( 過激な?)ツンデレ風 」 でもあり、結構 楽しかったです。
( ※「 ラノベ・チック 」。 「 あとがき 」 によると、
「 アニメ的な キャラ表現への情熱を 割愛したくなかった 」 との事。
あと、構想、執筆中に 読んで 影響を 受けたのが
麻耶雄嵩 『 隻眼の少女 』 ( 日本語版 )と、
三津田信三 『 厭魅の如き憑くもの 』( 中国語版 )のようです )
あと、面白かったのが 「 明神 」( 「 祭る神 」 で いいのかな?) の
くだり で、
特に 「 東皇太一 」 と 「 太一 」の関係や、
「 “太陽崇拝” から “星辰崇拝” への変化 」 が 興味深かったですね。
( なので「 宗教要素 」 も意外と あります )
昔の中国や 漢文に 興味がないので、楽しめるか 心配でしたが、
「 本格ミステリー 」 としても、「 ドラマ 」 としても 面白かったです。
余談
「 週刊文春 」 の 本の紹介ページ で 陸秋槎 が
『 三体 』( 劉慈欣 ) の紹介をしていたんですが、
「 SF的な ミステリー 」※ と 「 謎のある SF 」 から 始まる その内容は、
今までの 『 三体 』 紹介記事 で 一番 読みたくなる 記事でしたね。
特に 「 三部 」では 密室事件?が あるらしく、とても気になってます。
(※ 西澤保彦 『 七回死んだ男 』 を 挙げていたのが シブいな。
あと、 「 どちらとも 言えない 」 作品 として、
アシモフ の 『 鋼鉄都市 』 と、『 はだかの太陽 』 が 挙げられていて、こちらも チョット気になってます… )
「 人外サーカス 」 小林泰三
「 アクション作品 」 ですが、ミステリー要素が “ほんのチョットだけ”
あります。
「 吸血鬼ハンター 」 の “サーカス偽装” が 吸血鬼たち に バレて
しまい、
その事で 貧乏サーカス団、「 インクレディブル サーカス 」 が
吸血鬼たち に 襲われる…という話です。
全体的に
コミカルな 「 ジャンル映画 」 ( 「 バトル・マンガチック 」 )の雰囲気 で、
序盤の 「 オープニング・アクション 」 は ハデめ で盛り上がりましたね。
その後は 「 吸血鬼 」に 襲われた 「 インクレディブル 」の 団員たちが 「 スキル 」を活かして 対抗する 展開 なんですが、
「 吸血鬼が 強すぎ 」 なんですよね…。
吸血鬼の 「 驚異の回復力 」 は ( グロくなるので )良いんですが、
スピード と パワー も かなり 凄いので、
団員たちは 「 それぞれの スキル 」 を 活かしているとはいえ、
結局は 「 油断した ところを 突く 」 という感じが 多くて
物足りなさを 感じます。
それでも、「 死闘 」 になので 楽しかったし、
“あの人” の登場と、その活躍には ビックリ しましたけどね。
あと、
ちょっと前に 読んだ 『 わざわざゾンビを殺す人間なんていない。 』
での 「 2つの パートの 繋がり 」 が良かったので、
今作の 主人公・蘭堂 の 「 過去エピソード 」 と 「 本編 」の “繋がり” にも 期待していたんですが、それは 今一つ でした。
まあ、個人的に 「 好みの設定 」 だったので 楽しめた作品では
ありましたね。
なので 「 ホラー・アクション 」 や 「コメディ・ホラー 」 が好きなら
楽しめるかな?