6月 読書、残り 2冊。
「 白魔の塔 」 三津田信三
ホラー小説。 ( ミステリー要素も アリ )
物理 波矢多 ( もとろい はやた ) シリーズの 2作目。
1作目の 「 黒面の狐 」 は未読。
敗戦後、炭鉱 などで働いていたが、
今は「 灯台守 」 として働いている 物理( もとろい )。
次の 赴任先 「 轟ヶ埼 灯台 」 に 港から歩いて 向う事になった
物理 だったが、森で 迷ってしまう…。
「 3部 」構成で、「 のぞきめ 」 に 近い感じ?
灯台で 「 怪異と ( 殺人 )事件に 遭遇する 」話 だと 思っていたんですが、違いました…。
第1部 は 物理が 「 網引( あじき )港 から 灯台に向う 」 話で、
「 最初の 赴任地 」のエピソード も あります。
物理が 「 森で迷い、怪異に遭遇する 」展開 なんですが、
その 「 森で迷う 」 が 長くて ダレるんですよね…。
「 “何者か” に 後を付けられる 」という、三津田 作品でよくある
恐怖描写も あるんですが、それでも 少し退屈。
でも、途中の 「 白屋 」や、灯台に 着いてからの 不穏な雰囲気は
悪くなかったかな。
第2部は、物理が 「 轟ヶ埼 灯台 」の 灯台長・伊佐加 から、
「 伊佐加の 過去の話 」を 聞く 内容。
伊佐加と 物理の “共通点” に 興味を そそられるし、
“白い人” の描写も 良く、少し 盛り返してきました。
が、後半は 「 恐怖 」ではなく、「 恋愛の展開 」( 恋愛譚 ) になり、
ちょっと ガッカリ。
しかし、第3部 で その理由が 少しずつ 分かってきて、
終盤は 以外にも 盛り上がりましたね。
あと、「 幻想怪奇 」な描写 も 好みで、風情感じる オチ も嫌いじゃないな。
別の面白さだと、「 灯台ウンチク 」 が ありました。
灯台によって 違う 「 灯質 」( 光り方 )や 「 霧笛の周期 」、
「 日本の灯台の父 」 と言われている イギリス人技師、
リチャード・ヘンリー・ブラントン の話が 興味深かったですね。
( ちなみに 最初の 「 西洋式 灯台 」 は 観音崎灯台。
フランス人により 設計された 灯台 で、1869年 初点灯 )
とはいえ、総合的に見ると 面白さとしては 「 まあまあ 」 かな。
( やっぱり 「 殺人 」 が あった方が…。 「 黒面の狐 」 の方が
面白そう… )
「 世界を売った男 」 陳浩基
読む本は 決めていた のですが、普通のミステリー が 読みたくて
変更。
陳浩基( ちんこうき、サイモン・チェン。 香港在住 ) 作品は
「 13・67 」 も 気になりますが、
気分的に( ページ数的に ) こちらの方を 選択。
あと、「 第2回 島田荘司 推理小説賞 」※ 受賞作品 でも ありますしね。
( ※ 台湾で実施されている、中国語で 書かれた 本格ミステリー長編を募る 文学賞 )
車の中で目覚めた 刑事の 許友一 ( ホイ・ヤウヤツ ) は、
警察署に行き 今が 2003年 ではなく、2009年 だと知る。
許 は 03年に 起こった 「 東成ビル 夫婦 殺害事件 」の捜査に
当たっていたのだが…。
どうやら “心的外傷” による 記憶喪失で、6年間の記憶を 失ったようだ。
許 は、事件の映画化に 便乗した 特集記事のため 「 殺人事件 」 を
取材する、盧沁宜( ロー・サムイー )と 共に “解決していた事件” を
調べる…。
「 記憶喪失 」、「 再捜査 」 ミステリー で、
許 の 「 記憶障害 」 からわかるように、心的外傷 が テーマ。
「 調査 」は 普通な感じ ですが、「 過去 」のパート もあり、
「 謎 」 と 「 ドラマ性 」 を深めています。
その “設定” から、いろいろと 推測 ( と、推理も )出来たんですが、
そこは 上手い事やっていて、意外と 惑わされましたね。
あと 「 最後の1行 」の くだり は、薄々 気づいては いましたが、
それでも 良かったですね。
でも、ミステリーとしては 期待したほど では なかったかな。
( 賞を取った 作品は 期待し過ぎてしまう 傾向があるな… )
全体としては ドラマチックな 仕上がりで、
特に ある人物の 意外な一面に しんみり。
それと 何個かあった 「 映画の 小ネタ 」 に ニヤリとしちゃいました。
なので 終盤の展開は いろいろな映画作品を 想起しましたね。
ミステリーとしては キビシめ な評価 ですが、
作品としては 面白かったですよ。