戦争と奴隷 2作品 「 ビハインド・エネミーライン 」、「 バース・オブ・ネイション 」 | berobe 映画雑感

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「 映画 」と「 本 」の感想

「 戦争ドラマ 」 と 「 黒人奴隷ドラマ 」 の 2作品。

 

 

「 ビハインド・エネミーライン 女たちの戦場 」

(独・2016)

 

戦争 ドラマ。

「 ミュンヘン映画 アカデミー 」の学生 による 卒業制作 作品 のようです。

 

 

1941年。

ソ連の ウクライナ の小さな寒村を ドイツ小隊 が占領。

その村は 女性老人子供しか いなかった。

 

村人小隊 は良好な関係だったが、

少尉村人 が 殺されたことにより その関係が崩れていく…。

 

 

興味深いのが、

村民 が 18世紀から 19世紀に ロシアに 入植してきた

「 民族ドイツ人 」( 黒海ドイツ人 または ウクライナ・ドイツ人 ) な事。

 

なので、人 によっては ソ連赤軍 より、ドイツ軍側 だったりするんですね。

中には 「 強い方に付く 」 と、したたかな考え を 持っている人も。

 

 

前半は、両者の 薄まっていく 「 不安感 」の描写 のほか、

人によっては 不信 が あったり、

互いに 好意を 抱いたり などの 「 人間 ドラマ 」 が 以外に 楽しめました。

 

 

中盤は 少尉に 色仕掛けをした 村民のカーチャ が殺され、

その現場を 見た 村民のマータ少尉 を殺してしまった ことで、

 

両者 疑心暗鬼 になり、エンタメ的(?)に 面白くなってきます。

 

軽い 銃撃戦 や、兵士の仲間殺し など、徐々に 人死に が増えていく展開は 悲劇的 で 喜劇的。 ( こういうの好き )

 

「 スープの場面 」 が スリリング だったな~。

 

副題は かなり盛り過ぎ な表現 だけど、

銃撃戦 ( 独兵 対 女性 )は 意外に 盛り上がりましたね~。

 

個人的には 結構( エンタメ的にも )面白くて、拾い物 作品でした。

 

 

 

「 バース・オブ・ネイション 」 (米・2016)

黒人奴隷・ナット・ターナー が 反乱に至るまでと、その顛末 を描いた

「 実話ドラマ 」 で、劇場未公開 作品。

 

ナット 役の ネイト・パーカー が 監督と 脚本と 主演を やっています。

 

あと、「 実話モノ 」 ですが、脚色は 結構 しているようですね。

 

 

気になっていた 作品です。

この作品、評価は 高かった ( オスカー候補といわれた ) のですが、

 

ネイト・パーカー

過去の 「 レイプ疑惑 」( 告訴されていた。 女性は 後に自殺 ) の

影響で、

日本では 公開中止になったんですね。

( 詳しくは ネットで読んで )

 

 

1809年、バージニア州。

農場を営む ターナー家 の 奴隷少年・ナット は、文字が 読めることで

聖書を学ぶことに。

 

1831年、大人になった ナット は、他の農場の 奴隷

“聖書の説教” を することに なるが、

そこで ナット黒人奴隷たち の 悲惨な状況を知る。

 

 

ナット・ターナー 役、ネイト・パーカー

サミュエル・ターナー 役、アーミー・ハマー

レイモンド・コッブ 役、ジャッキー・アール・ヘイリー

 

 

『 それでも夜は明ける 』(13年) が ホラーだった ように、

今作も ホラー でした。

 

道端に 転がっている “頭が吹っ飛んだ黒人の死体” から

奴隷の 命の軽さ を感じます。

 

ターナー家 には 借金があり、そのため 他の農場主 から

“金を貰って” 奴隷たちに ナット が 「 説教 」 をするんです。

 

なぜ 「 聖書 」 を教えるのか というと、

 

「 黒人は 白人に従う 定め 」 と 「 聖書 」 で 解釈されていた から

なんですね。 ( これも 詳しくはネットで )

 

 

農場では 奴隷たち は皆、疲弊している んですが、

ある 農場主 は、経営が苦しいので “奴隷は1日1食” なのに、

 

「 やつらは なまけ者 」 とか言うんですよ…。

 

まあ、似た言葉は 今も良く聞きますけどね。

 

ここでは 「 ハンガー・ストライキ 」 をしてる 黒人の前歯 を、

ハンマー と ノミ?を 使い 抜いて

食べ物を 漏斗で 流し込む 描写が 壮絶でした。

 

その後、ネットの妻暴行に遭ったり

ネット「 白人を洗礼 」 した事で 鞭で 打たれたりし、

 

後半、ついに ネット が 「 聖書 」 の 間違った解釈に 気づき、

仲間たちと 立ち上がるんです。

 

始めに、夜中 白人の主人の家に 侵入し、

主人オノで殺す んですが、その描写に 少し ホラー演出を 感じて、

気分が上がります。

 

その後は 仲間を集め、武器を奪うため 白人と 大乱闘。

( ハンマーで 頭部を潰す 残酷描写 あり )

 

辛くも 勝利するも、「 待ち伏せ 」 を くらい、ネット以外 全滅…。

 

そして ネットが 捕まるまで、報復として 黒人が バンバン処刑 されていきます。

 

ここで 映される 複数の「 縛り首の死体 」 が凄惨なんですが、

さらに ビリー・ホリデイ『 奇妙な果実 』( ニーナ・シモン

流れるので、かなり滅入ります。

 

( 歌詞で 分かるけど 「 奇妙な果実 」 とは 木に 吊られた 黒人の死体のこと )

 

最後、逃げた ネット が 自ら捕まりにいき、縛り首 にされ終わります。

 

( 正確には 処刑を見ていた 黒人少年 が 成長して、南北戦争で戦う場面で 終わる )

 

 

エピローグ によると、この 48時間の反乱 で、白人が 60人以上

死亡し、

その報復による 黒人の死者は 数百人のようです。

 

それと 「 ネットの遺体 」 は 皮を剥がされ 「 記念品 」 に、

脂は 「 潤滑油 」 に 加工されたようです…。

 

 

黒人奴隷 の話だけど、今も 似た構造は 至るところに ありますね。

あと、きっかけが あれば、人は 虐げる側に 容易に 変わるんだな。

 

 

ネット の ヒロイックな描き方 が 気になりますが、

個人的には かなり 面白く ( ホラー視点でも )観れました。