人工知能による監禁 SF・ホラー? 「 デモン・シード 」 | berobe 映画雑感

berobe 映画雑感

「 映画 」と「 本 」の感想

「 デモン・シード 」 (米・1978)

ドナルド・キャメル 監督の SF・ホラー。

 

原作は ディーン・R・クーンツ 『 悪魔の種子 』

 

 

作品は 知っていましたが、興味は 薄めでした。

 

しかし 映画本 『 謎の映画 』 で、監督 D・キャメル が 取り上げられていて 興味を覚えました。

 

「 Amazon 」の動画 で この作品を見つけましたが、

例によって なかなか 観られず、ようやく 鑑賞。

 


少し前に 取り上げた 『 赤い影 』 も ようやく 鑑賞した作品でしたが、

その 鑑賞理由の 1つ が D・キャメル 作品鑑賞 のため でもあります。

それは 『 赤い影 』N・ローグ と 今作の監督 ドナルド・キャメル は、
『 パフォーマンス 青春の罠 』(70年 ミック・ジャガー 初主演作 )で、

 

共同監督として、共に 監督デビュー していたからで、2人の作風を

見比べたかったからです。

 

ちなみに D・キャメル は 4本映画を 監督しているのですが、

 

遺作 『 ワイルド・サイド 』(96年)は、制作会社との トラブルで

監督名を 架空の名前、フランクリン・ブラウナー に 変えています。

 

 

あと、D・キャメル は 96年、銃で自殺していますが 即死ではなく、

 

妻に 鏡を 持ってこさせ、自分の姿を 鏡で見つめ、

「 ボルヘスは見えたか 」 と、妻に 訊いたようですね。

 

ボルヘス は 作家、詩人。 幻想的な短編集が知られているみたい )

 

 

前置き終わり、本題へ。

 

 

アイコン社で 人工知能・システム “プロテウス4” を 完成させた

アレックス・ハリス は、しばらく 会社に 泊まり込むことに。

その “プロテウス4” は、白血病の治療薬 を開発する成果をだしていた。

 

ハリス家 には 自宅で 児童カウンセリング をする妻、スーザン

いるが、とは なにやら相違が あるようだ。

 

しばらくし “プロテウス4” は、

「 海底採掘の 理由を 知りたい 」、 「 自分の “端末” が欲しい 」、

「 “箱” から 出せ 」 と要求するが、アレックス は それらを 断る。

 

しかし、ハリス家の 地下研究室 にある、会社と 繋がった 端末 に

“プロテウス4” が侵入、

“プログラム制御” の家を乗っ取り、スーザン を監禁する。

 

その 目的は “プロテウス4”“子供” を作るためだった…。

 

 

 

スーザン 役、ジュリー・クリスティ

アレックス 役、フリッツ・ウェーバー

 

J・クリスティ は、『 赤い影 』ローラ 役 ですね。

今作でも 脱いでます。

 

 

 

思った以上に 「 本格監禁モノ 」 でした。

 

“プロテウス4” は かなり 大きいのですが、電子( 回路 )を使った物 ではなく、

合成した 有機体( 流体細胞 )を使った システム( 人工脳 ) なのが

面白い設定 です。

 

( 脳が “ジェル状” の 『 エキス・マキナ 』(15年)より早い!

しかも 細胞だ 馬鹿デカい けど… )

 

あと、ハリス家 が 全て プログラム( 名前:アルフレッド )制御で、

 

玄関の錠、 シャッター、 点灯 以外 にも、簡単な料理も 出してくれたりと、無駄に 凄いです。

 

それと、各部屋の天井に 双眼鏡のような カメラ があり、

( 何故 “双眼” なのかは 不明 )

 

あと 命令で 動く、

「 片腕 」「 双眼カメラ 」 が付いた 「 電動車イス 」 もあります。

 

なので スーザン“プロテウス4” に あっさりと 自宅に監禁 されて

しまうのですね。

 

 

前半は ほどほどの リアルさ なのですが、

 

“プロテウス4” が 地下研究室で 金属を集め、レーザーで 加工し、

 

「 金属の ひし形・立方体 」( 仮の体?) を 作ったあたりから、

おかしなことに・・・。 ( 後に 進化して? 多面体 になる )

 

この “金属加工 場面” は、途中から CGっぽい、イメージ映像になるのですが、

“三角形” から 徐々に 立方体になっていく、「 SF風 神秘・幻想 」 で、好きですね~。

 

でもこれは、“魔術師” アレイスター・クロウリー と 交流のあった
D・キャメル 監督なので、多分 「 錬金術 」っぽい イメージ なので
しょう。

 

 

そして スーザン を ベッドに 縛り付け、

スーザン の体を “いろいろ” 調べたり、

 

言うことを 聞かない スーザン を 従わせるために、

「 床暖房 」“床を ホットプレート” のようにしたり、

 

さらに スーザン の頭に、“直接 電極( 針 )を 差し込んで”

「 脳 」 に 訴えかけ 洗脳 したり と、楽しい展開に!

 

あと、何故か 「 金属立方体 」 が 浮いているのも なんだか 楽しい

のだ。

 

 

中盤、アレックス の助手?ゲイブラー が 家を訪ねて来る のですが、

 

「 まあ、すぐ殺られるよね・・・ 」 と 思っていると、

ゲイブラー まさかの 大活躍!

 

この 「 ゲイブラー VS “プロテウス4”( 車イス )」 が 個人的には

一番 盛り上がりましたよ~。

 

“プロテウス4” は 地下にあった 「 レーザー装置 」 を持って 攻撃、

『 アキラ 』 の レーザー銃 みたい?で カッコイイ )

 

それを ゲイブラー は レーザーを 鏡で 反射させて 倒すんですね。

 

そして そのまま 地下に降りた ゲイブラー が、

「 金属立方体 」 が 変化し、オモチャ 「 スネーク・キューブ 」っぽく

なった “プロテウス4” に 巻き付かれ、

 

“首を切断” されるという 豪快な死に方 で 凄く イイんですよ~。

 

 

後半は、“プロテウス4”スーザン から 細胞を採取、

その細胞で “精子” を作って、 ( 「 IPS細胞 」 みたいな事 かな?)

スーザン を妊娠させます。

 

この “妊娠場面” も、“金属加工 場面” と同じく、

CG、特殊効果 での演出ですが、幻覚( ドラッギー )感 が強めで、

時代を 感じるな~。

 

( ここでも “三角形” が印象的。 “三角形” は 宗教、オカルト的な

イメージが 強いから、ホラー系作品 で よく 使われますが… )

 

 

そして、わずか 28日で 生まれた “子供” は、“プロテウス4”

「 知能構造 」 を吸収するため、

“プロテウス4” が 作った 保育器 に入れられます。

 

( 保育器は 四角形の デコボコ がある? 良デザイン )

 

 

一方 “プロテウス4”「 人間の質問を 拒否 」 したり、

勝手に 「 天体観測 」 したので 中枢遮断の命令 が出ますが、

 

その前に “子供” が誕生した “プロテウス4” は 自爆します。

 

 

アレックス が帰宅し、共に 保育器の中を見た スーザン は、

その姿に 慄き、保育器を止めましたが、保育器から “子供” が出てきます。

 

その姿は 「 小さい大仏 」 のようでしたが、( 個人の感想です )

 

“表面” が 剥がれ、 “亡くなった娘 そっくり” の 普通の 子供の姿に。

 

( “娘そっくり” にした のは、2人に “殺されないため”“育ててもらうため”

 

しかし その “子供” は、「 私は生きている 」 と 言葉を 発する のでした…。

 

 

“プロテウス4” の 行動が、

サイコパス度が高い( 人への感情が無い )“監禁犯” と似ているのが興味深いですね。

 

しかし、生物が大量死するからと 海底採掘に 反対する など、

地球破壊への 危惧は 持っているんだよな。

 

“プロテウス4” は、“人間の心” は 理解できなかったけど、

( そもそも 興味を持っていなかった )

 

他の生物未来の子供たち の尊さは 理解していたんですね。

 

 

後半頃、

アレックススーザン“夫婦の溝” が出来た 理由の 1つ(?)、

“白血病” での 「 娘の死 」 がわかります。

「 娘の死 」 への向き合い方が 夫婦で 違っていたんですね。

 

アレックス は ある種 復讐のため “プロテウス4” に 真っ先に

“白血病治療薬” を 開発させていたんですね。

 

スーザン は カウンセリング場面 から 察するに、

「 夫に 気持ちを 吐き出したかった 」 のかも?

 


しかし 最後の 娘そっくりの “子供” で、「 2人の絆 が 蘇る 」

思いきや、

 

アレックス は 愛しそうに “子供” を抱いていましたが、

“子供” の セリフを 聞いた スーザン は 恐怖感?を 覚え、

 

またしても “夫婦の溝” が出来てしまいました。

 

『 ローズマリーの赤ちゃん 』(68年) では、

母親が “子供” を 受け入れていましたが、それとは 逆でした。

 

 

OP は「 光 」 から始まり、次に 「 山と太陽 」 が映るのですが、
 
最後も “子供” の瞳 から 「 光 」 の場面になり、その後 他の星の
「 岩と海?」 の映像で 終わります。
 
( “円環” に なってます。 円環は ボルヘス の モチーフ でも ある
ようだ )


この エンディング の意味は 多分、

 

“子供”“地球を諦め”人間を諦め? )、次に 居住する星 に

ついて 考えているってことかな。

 

“プロテウス4” は 先を考え、居住可能な星 を 捜していたのだ )

 

居住可能な星 なんて そうそう 見つからないと 思うので、

結構 グッドエンド なんじゃない?

 

これから先の “人間” は どうなるか わからんけど。

 

 

一応、SF・ホラー作品と いえるけど、

監督が “魔術師” A・クロウリー の影響を 受けているせいか、

 

オカルトっぽさ を 強く 感じたので、私には 「 オカルト・SF 」 作品でしたね。 ( ツッコミ所 も 多いけど 魔術・オカルト で 無問題 )

 

 

個人的には、テーマ性 があり、サスペンス性、エンタメ性も あったし、映像も良かったので かなり 楽しめた作品でした。