「オードリー・ローズ」 (米・1977)
ロバート・ワイズ 監督の スピリチュアル(?)・ホラー。
興味が薄い設定の 作品でしたが、映画本『 謎の映画 』にあった、
R・ワイズ の章で、「 馬車と車 」の印象的な演出について 気になったので鑑賞しました。
ビルと ジャニスの 娘アイビー と、アイビーを車の事故で死んだ娘 オードリー の生まれ替わり( 輪廻転生 )と信じている フーバー の話です。
その フーバー役は、アンソニー・ホプキンス で、亡き娘への妄執による 狂気を上手く 表現していました。
OPの 家族サイクリングの最後、フーバーが2回映りますが( 構図も同じ )、怪しい雰囲気で、 雨降るなか 傘もささずに 学校の前で待ち伏せしたり、 父親ビル のカバンに プレゼントを入れるなどの 付きまといが気持ち悪く、不気味です。
“輪廻”の説明を聞いても ビル は信じないのですが、次第に 娘の錯乱(発作)が酷くなり、錯乱を止めることが出来るのは、フーバー だけなので、母親 ジャニスの心は揺れます。
しかも 娘の錯乱時に、ジャニスは 神に祈るのですが、過去に “過ち” を犯したらしく、それが元で 娘が苦しんでいると思っていて、母としてふさわしいか の葛藤(?)も見受けられます。
“過ち”については 特に語られていないので、とても気になりますね。
ジャニス役の マーシャ・メイソン は、娘を想っての苦悩が伝わってくる良い演技でした。
中盤から、アイビー誘拐による裁判になるのが アメリカっぽくて、
最後は“退行催眠”で 前世の記憶を掘り起こす、という荒業!
車に閉じ込められて亡くなった オードリー と、ガラスで隔てた部屋に閉じ込められた アイビー が重なり、同じ結末をたどったのは “ 因果 ” なのか?
結局 フーバーは、“ 娘 ” を助ける事が出来ないのが 皮肉な結果で、また、前世( 魂 )を信じた ジャニス が “アイビー探し” をするかもしれない 不穏感が残ります。
印象的な「 馬車と車 」について
冒頭の車の 正面衝突は、フロントガラス越しに撮られていて、観客が事故に遭ったような印象を 強く与え、“嫌な感じ”です。
“退行催眠”で、アイビー(オードリー?)が見る 事故の記憶も、
“死の追(再?)体験”のようで、“嫌な感じ”を受けました。
“退行催眠”後、錯乱した アイビー に、割れたフロントガラスや、車窓を叩く オードリー の映像が “ほんの一瞬”、しかも数回入れられ、違和感や 不安感を 煽ります。
この映画は、“事故の疑似体験”、“ストーカー”、“子供を他人に取られそうになる” という、不快な内容で、不穏や 不安の描写が楽しく(?)、面白い作品でした。