◎オペラ学研究会第33回例会(終了)

日時:2019年5月18日(土)14時〜
場所:早稲田大学早稲田キャンパス8号館104

タイトル:グラントペラの成立に関わるスクリーブとロッシーニの接点

お話:中山千夏子(明治大学他非常勤講師)

概要:
ロッシーニの《オリー伯爵》の台本を書いていることで知られるウジェーヌ・スクリーブは、19世紀前半においてヴォードヴィル、演劇、オペラ・コミック、オペラの4つの分野で時代を画した稀代の人気台本作家であった。ヴォードヴィル作家として出発したスクリーブが他の分野に進出しのし上がっていくちょうど階の時期に、彼は「ロッシーニがパリにやって来る!」という最旬ネタのヴォードヴィル《パリのロッシーニ、あるいは大宴会》を書いている。実はこの上演に先立って実際の大宴会が催されており、作品はリアルな宴会のパロディであるのみならず、当時のパリ社交界の音楽事情、音楽家たちの力関係などを反映した内容になっている。発表では、この作品に取り入れられた音楽史的事項に解説を加え、ロッシーニのパリ登場の背景、およびスクリーブが後にグラントペラを支える巨匠となりえた土台を探りたい。

発表者プロフィール:

中山千夏子(なかやま ちかこ)

文学博士(フランス文学)。日本ロッシーニ協会会員。専門はステファヌ・マラルメ。フランスとロッシーニ。
日本ロッシーニ協会紀要『ロッシニアーナ』への寄稿:「1804年の《パリ音楽院の声楽メソッド》について」(2015年第35号)、「マヌエル・ガルシア1世の《声楽練習教本》譜例分析ーガルシア・ファミリーの声の育成・技法習得システムを考える上で」(2016年第36号)、「テオフィル・ゴーティエ 評論『ロッシーニの《スタバト・マーテル》』(1842年)」(2017年第37号)、「スクリーブと《パリのロッシーニ、あるいは大宴会》ーパリはロッシーニをいかに受け容れたか」(2018年代38号)。
(以下、永倉千夏子で)共訳:ジャン=リュック・ステンメッツ著「マラルメ伝ー絶対と日々』、筑摩書房、2004年。
著書:『〈彼女〉という場所ーもうひとつのマラルメ伝』、水声社、2012年。
シンポジウム《マラルメの現在》(2013年、慶應大学):ワークショップ「詩と音楽の交錯点」で発表(前提「なぜ〈歌・曲〉なのか」、他いくつかの歌曲分析)

 



 今回も活発な意見交換が行われました。