コロナウィルスで自粛モードのGWということでブログ。
コロナウィルスによる経済危機への米国政府の対応についてはリーマン危機の時と同様にウォール街が主導しているようである。
2009年9月に「出口戦略がなかったらどうなる?」というブログを書いていた: 出口戦略がなかったらどうなる?
これはリーマンショック後の 量的緩和第一弾(QE1)の頃の話である。
この時点では金融システムを維持するために大量の流動性供給が必要な状況だった。
その後2010年8月のJackson HoleでバーナンキがQE2をすると言い始めて局面が変わった。
信用危機が過ぎたのに流動性供給をし続けるということはFRB主導で資産バブルを起こすということである。
金融緩和への制約としてインフレがあるが、大部分の製造業が中国などに移転している状況ではインフレになることもなく、その後2012年にはQE3が続いた。バーナンキの後のFRB議長イエレンの下でも正常化されないまま維持された。
2018年にFRB議長がパウエルになって出口戦略として金利の引き上げが行われ始めてFRBのバランスシートが縮小し始めたが、市場が反応して暴落気味になってしまって出口に行けないまま去年の秋には短期金融市場のレポ金利が暴騰して金融緩和の再開へと追い込まれた。
結局出口戦略はなかった。
それで今度は別の危機=コロナ危機が来た。10年以上に渡って意図的につり上げられた相場が実体を伴う危機でいともたやすく崩壊した。
リーマン危機後はブッシュ政権の財務長官ポールソン、オバマ政権のガイトナーによって債権者(ウォール街)の救済と債務者(中流階級以下)からの取り立てが行われ、それにFRBの金融政策が加わるという非常に偏った政策が取られた。それがかつてないレベルの極端な貧富の差の拡大を生み出した。
このての現象は実は18世紀から「カンティロン効果」として知られている。
金融コメディアン(?) Max Keiserの番組での解説:
今回のコロナ危機への対応ではトランプ政権のムニューチンはやはりウォール街のエージェントという感じだが、 パウエルはバーナンキに比べるとまだましな気がする。 今回の危機対応で新しいのは共和党の上院議員のマルコ・ルビオらが小規模事業者を救済する政策をねじ込んだ点:
制度に穴がないわけではないが大きな効果が上がっているようだ: