7月8日(水)午後7時30分〜
長寿&がん予防で注目! 腸内細菌パワー覚醒術
スーパーやコンビニにずらりと並ぶ、ヨーグルトや乳酸菌飲料。世間はまさに、腸内細菌ブーム。みなさんも腸に良いことしてますか? 今回ガッテンでは、体に良い作用をもたらす、ある“善玉菌”が多い地域を発見!その最新研究の現場にお邪魔しました。見えてきたのは、とってもすごいパワーを持った“善玉菌”を増やす秘策!あなたのおなかの中にも秘められている「腸内細菌パワー」覚醒術をお伝えしました!!
長寿にがん予防まで!? 腸内細菌が秘めた可能性
今回注目したのは、京都府北部「京丹後」といわれる地域。古くから健康長寿で知られ、さらに大腸がんの罹患率も低いという特殊な地域。その原因は何なのか、地域の高齢者の体を徹底的に調べる一大プロジェクトが進められています。見えてきた一つの可能性が特別な「腸内細菌」の存在。体内の炎症を抑える良い働きをしてくれる、ある“善玉菌”が多いことがわかってきました。いま大注目のすごいパワーを秘めた善玉菌、どうやったら増やせるの?


ヨーグルトの真実…正体は「お助けマン」
腸にいいといえばヨーグルト。ですがヨーグルトに含まれる菌に関して、興味深い研究があります。ヨーグルトを食べている間は、ヨーグルト由来の菌がおなかの中にいますが、食べるのをやめると、いずれおなかの中からいなくなってしまうんです。実はヨーグルトの菌は「通過菌」と呼ばれ、もともとおなかの中にいる「常在菌」とは違う性質・働きを持っています。ヨーグルトの菌は腸の中には住み着かず、最終的には出て行ってしまいます。でもご安心を!彼らが働くのは腸の中を通過するとき。良い物質を出して常在菌を助けてくれていました。ヨーグルトは、食べ続けることが大切なんです。

善玉菌を増やす秘策は「水溶性食物繊維」
体に良い“善玉菌”を増やすには、常在菌を増やしてあげることがポイント。その方法は、ずばり「水溶性食物繊維」を摂取すること!実は水溶性食物繊維は、特定の善玉菌のエサになってくれていたんです。京丹後のみなさんの食生活アンケートでは、やはり水溶性食物繊維を多く含む食品を多くとっていることが明らかに。
実は日本人の食物繊維の平均摂取量は14.6g。国が定める目標値は21g(成人男性)と18g(成人女性)で、5gほど足りていません。一日にプラス5gの食物繊維、そのうち1.5gの水溶性食物繊維をとることを意識してみてください。
<水溶性食物繊維を多く含む食品>
☆海藻 ☆大麦など全粒穀物 ☆根菜類 ☆豆類 ☆イモ類 ☆キノコ類
<水溶性食物繊維を1.5g摂取するのに必要な食材例>参考:日本食品標準成分表(文部科学省)
- ヒジキ(乾燥重量)…6.7g
- ワカメ(乾燥重量)…25g
- 納豆…4分の3パック ※1パック=50g
- 大麦ごはん…茶碗2杯 ※1杯=150g
- サツマイモ…4分の1本(およそ90g) ※1本=360g など

現代人は食物繊維不足!善玉菌のエサを毎日の習慣に
番組でご紹介した、水溶性食物繊維をとるコツは2つ。
- お味噌汁を具だくさんに!(水溶性食物繊維を多く含む食材を加えて)
- ヨーグルト+フルーツ
一度にたくさんとるよりも、毎日の習慣として、おなかの中の菌にエサをあげるように食物繊維をとることがオススメです。

腸の健康と短鎖脂肪酸の関係性~短鎖脂肪酸を増やす水溶性食物繊維~

「短鎖脂肪酸」は最近の研究で、腸内環境、便通、過敏性腸症候群など優れた効用をもたらすことが分かってきました。その「短鎖脂肪酸」と食物繊維との関係についてご紹介してまいります。
短鎖脂肪酸とは
短鎖脂肪酸とは、腸内細菌が作る、酪酸、プロピオン酸、酢酸などの有機酸のことです。特に酪酸は腸上皮細胞の最も重要なエネルギー源であり、抗炎症作用など優れた生理効果を発揮します。
これらは有用性が高いのものの、その臭い、味、吸収性などから食べたり飲んだりして摂ることが困難です。
その代わり、もともと体内にいる腸内細菌に短鎖脂肪酸を作らせる(発酵させる)ことが有効であり、そのエネルギー源として主に「水溶性食物繊維」などの「腸内細菌のエサとなる物質」が必要となります。
短鎖脂肪酸を活用する仕組み

- 炎症性サイトカイン:腸障害(過敏性腸炎等)などの炎症を引き起こす生理活性物質。
- β-グルクロニダーゼ:発ガン物質の前駆体であるβ-グルクロニドに作用してガンを誘発する酵素。
短鎖脂肪酸の産生に、最も有効な「水溶性食物繊維」は?
「水溶性食物繊維」として国内で利用されている主なものを比較すると、グアーガム酵素分解物は短鎖脂肪酸の中でも特に有用な酪酸の産生量が最も多いことがわかります。

なぜ、グアーガム酵素分解物は酪酸産生能が高いのかの理由は色々な説がありますが、グアーガム酵素分解物は腸内発酵によりほぼ100%分解されるため、酪酸の産生量も多くなり生理効果の発揮につながると考えられます。
これからの食物繊維の考え方
これまで便通改善など腸内環境改善効果中心に注目を集めてきた食物繊維ですが、今回ご紹介したように、これからは「短鎖脂肪酸」をキーワードにした新しい食物繊維の生理効果を活かした商品開発が期待できるのではないでしょうか。

従来食物繊維は栄養学上エネルギーにならないと考えられ、0kcalとされてきましたが、その後の研究により、大腸内で発酵分解を受けるものがあることが明らかになりました。現在では、食物繊維の種類によって「0kcal」「1kcal」「2kcal」と3種類あります。カロリーの多い食物繊維ほど、大腸の中で発酵しやすく、短鎖脂肪酸が多く産生すると考えられています。
(2018年5月)









