私は、64才の女性です。
高雄倶楽部にはお世話になっております。
江部先生にお伺いしたいのですが、私は、父方の家系に糖尿病の人が多く、
私も若い頃から食後の血糖値が高めでした。
40才頃から、毎月血糖値やA1cを病院で計っていて、食後に歩くことを進められたので、
50才前後からですが、夕食後に30分のウォーキングを4~5年間していましたが、
疲れてしまい徐々にやめてしまいました。
そんな時、糖質制限食の事を知り、私も7~8年前から始めました。
主食を摂らずに、おかずはなるべく低糖質の食事をするようにしています。
以前は、A1cが5、6~5、9位の時もありましたが、
最近は、6、5まで数値が上がってしまっています。
歩かないことや、日中お腹が空くとナッツ類を沢山食べてしまったり、
他にも、このくらいならと、糖質を摂取しているのが原因かなと思っています。
そして、今年の健康診断では、A1c6、5以外にも、クレアチニン0、76  eGFR58、68で、軽度の慢性腎臓病の判定でした。
先生に教えていただきたいのですが、腎臓病は、
塩分、たんぱく質、カリウム、リンを減らさなくてはいけないとのことなので、
私は、低糖質を考えると、どうしても高たんぱくになってしまうので、
今度どうしていったら良いのでしょうか?
又、腎臓の数値が悪くなったのは、糖尿の影響や年齢によるものであって、
今まで、運動をせずに高たんぱくの食事に片寄った為ということはないのでしょうか?
何を食べたら良いのかわからなくなってしまい不安です。
そして、軽度の腎臓病は数値が良くならないのでしょうか?
是非、先生のご意見を伺わせて下さい。
宜しくお願い致します。】


こんにちは。
ゆうさんから、『糖質制限食と腎臓の関係』について
コメント・質問を頂きました。

まず、
<クレアチニン0、76  eGFR58、68>
ですが、極めて単純に杓子定規に言えば、eGFRが60未満なので
健康診断通り軽度腎障害と言われるでしょう。

ただクレアチニン値自体が、筋肉量や脱水などの要因により、
それなりにばらつくこともあるので
1回で腎機能障害と断定することはできません。
つまり腎障害ではない可能性もまだ充分にあります。

従いまして、腎機能検査としては、
血清シスタチンCが一番正確なのでそれを検査しましょう。
そこで初めて本当の軽度腎障害があるかないかが予測できると思います。

次にHbA1cが5.6~5.9%であったのが
7~8年後に6.5%に上昇したのなら、
少なくともスーパー糖質制限食は実践できていないと思います。

キッチリスーパー糖質制限食を実践されれば、
HbA1cが5.9%以下に改善すると思います。
糖尿病の場合、腎臓の細い血管にダメージが蓄積していき
結果として腎機能障害を発症していきます。

この場合、腎機能悪化の最大の要因は糖尿病による高血糖です。
次いで高血圧、肥満、タバコなどが悪化要因となります。

つまり、スーパー糖質制限食でキッチリ血糖コントロール良好を保てば
今程度のあるかないかも確定できないていどの軽度の腎機能障害は
改善する可能性も充分にあります。

さらに
米国糖尿病学会は、2013年10月の『栄養療法に関する声明』において
糖尿病腎症には「低タンパク食」は推奨しないと、ランクAで、明言しました。


従って、糖尿病腎症の人が低タンパク食を実践しても意味がないし、
逆にに低タンパク症による免疫力低下で肺炎などになるリスクも増えます。


結論です。
ゆうさんの場合は、
スーパー糖質制限食で、血糖コントロール良好を維持すれば
腎機能悪化要因の一番の要因が改善するので、良くなる可能性が高いと思います。


なお私のアドバイスを読まれた上で、どの選択肢を選ばれるかは
あくまでも自己責任でお願い申し上げます。

江部康二  医師