☆    遺伝情報らの転写の時に、 
   短い RNA  、 が作られる、 仕組みを解明! 
     山口 雄輝 氏  ;
Nature ダイジェスト Vol. 11 No. 10 | doi : 10.1038/ndigest.2014.141020

 遺伝子の情報は、  一旦は、  m  RNA       ≒
    伝令   リボ  核酸      、
   に写し取られるが、 
   m  RNA  、は、
 「  ただ写し取られた  」
  ものでは、 ない。

   伝令  リボ  核酸   、 な、
  m  RNA  、 は、 
  作られる過程で、
  不要な部分が、切り取られたり、  
 その末端に、特定の配列が付加されたりする、
  などの、 加工を受ける。

   山口雄輝教授は、
  山本淳一研究員と共に、 作られる、  RNA    
     ≒      リボ 核酸    、   の、
  長さを適切に制御する、
 仕組みを発見した。

  この発見は、 
  RNA  の長さは、   遺伝子、 とも言う、
   デオキシリボ  核酸  、 な、  DNA  、  に、 
 刻み込まれている、  と、 されていた、
  従来の概念を覆すものだ。

–– Nature ダイジェスト:
  
  東京工業大学で学ばれ、
  一貫して、  RNA  、を、
  研究対象にされていますね。

   ☆     山口氏:     はい、学生として、
   RNA  、 の、 転写反応を解析していた、
  半田宏教授  (  現 東京医科大学特任教授  )
 の研究室に入り、  学位の取得後も、
   東工大に残り、 教授の退官後は、 
  私が、 研究室を引き継ぎ、現在に至ります。

    遺伝情報が機能を発揮するには、
  遺伝子らの配列と、  相補的な、
   m  RNA  、 が合成されなくてはなりません。
 
    この仕組みを、  「  転写  」 、  といい、
   RNA  、 を作り始める、  「開始段階」、
   合成して伸ばす、  「 伸長段階 」、
  合成をやめる、「終結段階」からなります。

   このうち、 開始については、
   約 30年前から、 研究が始まっています。
    今では、  遺伝子の転写開始領域
  (   プロモーター   )  、に、  
    RNA  ポリメラーゼ
   (   RNA  ポリメラーゼ   II   )  、
   と、   いくつかのタンパク質らが、
   セットされると、
   そこに、  ヌクレオチド  、  が、
  取り込まれるようになり、
   m  RNA  、 の合成が開始される、
   といった事が、 分かってきました。

   ただし、   伸長と終結については、
   分かっていませんでした。
    遺伝子らの発現のスイッチは、
   開始段階で、 制御されており、
    伸長段階は、 重要ではない、
   と、  されていたからです。
   教科書でも、 ほとんど、
  触れられていませんでした。
   
       @     核酸の種類には、
   DNA 、と、 RNA 、 とが、ある。
   RNA  、は、  「  リボ  核酸  」  、 といい、
   DNA  、 との、  違い 、 は、
    糖   トウ        ≒      
   C 12    H 22      O 11    、  など 、と  、
   一部の塩基     エンキ        ≒
     水素   H  、  の、  原子、 から、
   負電荷な、  電子、 が、 引き離されて、
    成る、     正電荷な、   水素  H   イオン   、
   を、   引き寄せ得る、  態勢にある物        、
     に、  ある。

    RNA  、  の構成単位は、
   「  ヌクレオチド  」  、  で、   これは、
   DNA  、  と、 同じだ。

    ただ、 この、  ヌクレオチド  、は、
   リン酸と糖と塩基で、できているが、

    DNAの糖は、 
    デオキシリボース  、で、
  RNA  、では、  「  リボース  」 、 だ。

    ※  「  デオキシ  」 、   というのは、
   「  デ  」 (  取り除いた  ) 、 
   「  オキシ  」(  酸素  )  、 で、
  「   酸素   サンソ   、  を取り除いた   」  、  
   という意味になるので、
    リボース  、 から、   酸素  O  、
   を、 とったもの、  という事になる。

     2’、 の位置の、   ヒドロキシ基     ≒
     -  OH       、    を、
   水素    H    、   に置きかえているのと、 
    同じだ。

      塩基は、 どちらも、 4種類だが、
     RNA  、 の塩基は、
  A:アデニン
  U:ウラシル
  (   DNAの、  チミン(T)に対応   )。
  G;グアニン
  C:シトシン
  、と、  なっている。

    DNA 、は、  二重らせん構造だが、
   RNA 、は、  「 一重らせん構造 」 、だ。

     ☆     RNA 、 には、
   遺伝情報らをもとに、  
   形質らを発現する過程において、
   それぞれに異なった、  
   重要な働きをしている、  3種類がある。

     ①   m   RNA   (   伝令   RNA   )
    メッセンジャー    RNA    ;

     DNA  、  の、   塩基配列を転写して、
    DNA  、  の情報らを、
    細胞の膜の内側を占める、
  細胞質にいる、  リボソーム  、 らに伝える、
   働きをしている。
 
      ※  「  転写   」   、  とは、
   DNA  、の、  遺伝情報らが、
   RNA   、  に写し取られる過程をいう。

     ②    t  RNA   (   転移   RNA   )
     トランスファー    RNA   ;

   m  RNA   、からの情報らにしたがって、
    タンパク質を成す、 材料な、
   アミノ酸  、 を運ぶ、働きをする。

     ③   r  RNA   (   リボソーム   RNA  ) ;

    タンパク質とともに、
  リボソーム 、 を構成し、翻訳の場となる。

    ※  「  翻訳  」  、  とは、
   m  RNA  、  の、 塩基らの配列が、
   「  アミノ酸 たち の  配列  」  、  に、
   読みかえられる、  過程をいう。

     ☆     真核細胞の遺伝情報の転写  ;

     真核細胞と原核細胞とでは、
   転写、と、 翻訳の過程が、 違っている。

     先ずは、  真核細胞のしくみを、
   きっちり見ておく事にする。

       ☆     転写のしくみ  ;
 
   転写の際も、  複製の場合と同じように、
  元からある、 DNA 、が、鋳型になる。

    その、 DNA 、 の、  塩基配列と、
   相補的な、 塩基配列を待つ、
   RNA  、が、作られる事になる。

     ☆    転写の際の塩基の対応は、
  DNAの塩基、 A,T,C,G  、
   に対し、
 RNAの塩基は、 U,A,G,C  。

     DNA 、 の複製と違うのは、
  A (  アデニン  ) 、 に対する、  塩基が、
   T(  チミン  )  、  ではなく、
   U (  ウラシル  ) だ、  という事だ。

     DNA 、 は、  2本鎖でできた、
  二重らせん構造になっているが、 
   その、 2本の鎖たちの内の、 どちらが、
   転写されるかは、 決まっている。

    転写される鎖を、 「  アンチセンス鎖  」 、
  といい、
   転写されない鎖を、
  「  センス鎖  」  、  という。

   ※   DNAの2本鎖のうちで、
   伝令  リボ  核酸  、  な、    m  RNA   、
  と、  同じ塩基配列を、 
    センス鎖   、   といい、
   T  、  は、    U   、  に、  置き換わった、
   配列をしている。

     一方で、   m  RNA   、への、
   合成の鋳型となる、  鎖 、  を、
   アンチセンス鎖   、   というが、
   実際に、 転写に使われるのは、
   アンチセンス鎖  、  だ。

      転写の過程としては、
   DNA  、 の、  特定の部分で、
   水素  H  、  の内外の、   より、余計に、
   正電荷にされた、 側と、
 より、 負電荷にされた、側との結びつきな、
   水素結合  、   が切れて、
    二重らせん、が、 ほどける。

      すると、
   転写への目印となる、  塩基配列である、
   「  プロモーター  」 、  の部分に、
    基本転写因子 、と、  
   タンパク質な、   RNA  ポリメラーゼ
  (   RNA  合成  酵素   コウソ   )   、  が、 
   結合して、 転写を開始する。

    RNA  、 への合成では、
   DNA 、 の複製の時のように、
   プライマー 、 は、  必要としない。

      RNA  ポリメラーゼ  、は、
   鋳型となる、   DNA  、 の塩基配列を、
   移動しながら、  写し取り、
   RNA 、 を、  その、 5’の位置から、
    3’の位置の方向に、
   端から順に、 連結して、
   ヌクレオチド鎖  、  を作る。

    この過程、を、  『  転写  』  、  という。

     転写が終了した部分から、
  DNA  、は、   元の、
   二重らせん構造にもどるので、
   元の、  DNA  、は、  変化しない。

      ☆    遺伝情報らの転写は、
   DNA 、にある、  終了を意味する、
   塩基配列まで、 続き、終了する。

     RNA  、 への合成が終われば、
   RNA  ポリメラーゼ   、  は、
   DNA  、  から、  はずれる。

     ☆     スプライシング   ;
 
       真核細胞では、
    DNA  、  の塩基配列の中に、
   遺伝子として、 働く、
   「  エキソン  」  、  と、
   遺伝子として、 働かない、
   「  イントロン   」 、  が含まれている。

      転写によってできた、
   RNA  、  から、
    イントロンを除去する過程を、
   「   スプラシイシング   」  、  といい、
     スプラシイシングの処理の後の、
   RNA 、 が、   m  RNA   、  となる。

      ☆    選択的スプライシング  ;

     スプライシングの過程で、 
   取り除く、イントロンの部分が異なると、
   できてくる、  m  RNA  、の、
  塩基らの配列は、 違ったものになる。

      この事を、 選択的スプライシング  、
   という。

     どちらにしても、
   スプラシイシング  、 によって、
  イントロンの部分は、無くなるが、
  どこで、  エキソン  、  をつなぐか、で、
   違った、 タンパク質が作られる。

    ☆   真核細胞の翻訳のしくみ   ;

      タンパク質らの各々への合成は、
    細胞質の、 リボソーム  、 らにおいて、
    行われる。

    リボソーム  、は、   細胞小器官の1つで、
   だるま型をしている。

     ☆    m  RNA  、  の塩基配列は、
     塩基 、 の、   3個 、  で、 
  1つの、  アミノ酸 、  を指定する。

    この、  DNA 、  の塩基配列の、
   3つで、 1つの、  アミノ酸を指定する、
   という説を、 
   「  トリプレット説  」  、   というが、
   トリプレットのうちの、
   伝令   リボ  核酸   、 な、   
  m  RNA  、  の物を、   
   「   コドン   」  、
   転移    リボ   核酸    、な、 
  t  RNA  、  の物を、
   「   アンチコドン   」  、   という。

     遺伝子らを包んである、
  核膜の孔  アナ  から、   細胞質にでた、
   m  RNA  、は、
   リボソーム  、  と結合する。

     リボソーム  、は、
    m  RNA  、の、  遺伝情報を成してある、
   コドン  、  を読み取り、
  コドン  、  に対応する、    アミノ酸 、  を、
     転移  リボ  核酸   、 な、   t  RNA  、 
   に運んでこさせる。

   t  RNA  、  は、    コドン 、 に対応する、
   アンチコドン  、 を持っていて、
   指定された、  アミノ酸  、  を運んできた、
   t  RNA  、  は、 
   アンチコドン  、  の部分で、
    コドン  、   と結合し、

    リボソーム  、 に、  
   アミノ酸  、  を渡してから、
   m  RNA  、  から、  はずれる。

      ☆    リボソーム  、は、
   アミノ酸どうしを、  ペプチド結合させ、
   これを繰り返すことで、
   DNA 、 のもつ、  遺伝情報である、
   塩基配列  、  に、  したがった、
   タンパク質が、 合成される。

   この過程を、 「  翻訳  」  、 という。