翌日に、再びやってきた研究チームは、汚れた靴下を回収し、仕分けして、英国の慈善団体に郵送した。 この団体は、その後の、4カ月間を、この靴下を使って、人には感知できない、ある匂いを嗅ぎ分けられる様に、 犬達を訓練した。 その匂いとは、マラリアの分子レベルにおける痕跡だ。
犬の嗅覚は、 最先端の人工機器より、はるかに敏感だ。 その能力は、 1兆分の1の濃度でも、物質を感知できる。 これは、 五輪規格の布潤 フウル ≒ プール 、 の、 20杯分の水に、 液体の1滴をたらした状態に相当する。
訓練すれば、犬は、 爆発物[日本語版記事]や、麻薬を探知し、 容疑者を追跡し、 遺体を発見できるようになる。
さらに、最近では、 ヒトの疾患を、匂い、だけで、 犬に発見させる実験が数多く行われている[日本語版記事]。 がん、糖尿病、結核、そして、マラリアだ。
人間とマラリアとの闘い
研究チームは、 2018年の10月29日 ( 米国時間 )、に、 ルイジアナ州ニューオーリンズで開催された、 米国熱帯医学・衛生学会の年次会合で、マラリア探知犬の実験結果を発表した。 二重盲検法による実験で、2頭の犬が、マラリア原虫に感染している子の匂いを、 70パーセントの精度で、正しく選びだした。 子たちは、 みなが、 外見的には、 健康だったが、 現地で行われた血液検査により、 30人が、マラリア感染者であることが、わかった。
今回の研究は、 概念実証にすぎないが、いずれは、 バイオ探知犬が、 空港や港や国境に配備され、無症状のマラリア原虫保有者が、 マラリア根絶地に病気を再び持ち込む事を防ぐ、 任務につくかもしれない。
この研究は、 ビル&メリンダ・ゲイツ財団から、 10万ドル ( 約 1,130万円 ) 、 の資金提供を受けている。
同財団は、 近年に、 マラリアを優先課題に掲げ、 CRISPR 、 による遺伝子編集を施した、 蚊を使った、 野心的な撲滅計画さえ進めている[日本語版記事]。
世界保健機関 ( WHO ) 、は、 最新の、 マラリア報告書で、 数十年にわたる、 人類と、マラリア、 との戦いでは、 近年に、 成果の向上が見られなくなってきており、 流行再燃の恐れがある、 と、警告している。 マラリアで亡くなる人は、 毎年に、 50万人にのぼり、 そのほとんどが、子どもたちだ。