しかし、 細胞たちの各々の中に、 千程もあって、 動き回ってもある、 『 ミトコンドリア 』 、 での、 長鎖脂肪酸を代謝する、 メカニズムは、 マウスと人とで、 ほぼ、共通であり、 人間のヘテロの方でも、 肝臓での、 脂肪酸代謝能力が低くなっている、 可能性、が、考えられます ( 仮説です )。
妊娠中のお母さんの肝臓は、 自分の分だけでなく、 お腹の赤ちゃんや、胎盤の、 栄養への処理も負担することになるので、 この酵素 コウソ 、 の、 ヘテロ変異の人が妊娠した場合には、 お腹の赤ちゃんが、 ホモ変異でなくても、 脂肪酸代謝と糖新生が追いつかない可能性はあります。
その場合、 糖質制限をすると、状況を悪化させると思われます ( 仮説です ) 。
このような状況下では、 妊娠中の厳しい糖質制限は、お勧めできません。
しかし、 いちいち、 自分の脂質代謝遺伝子群の遺伝子配列を調べてから、 妊娠を考えることは、 現時点では、できません。
妊娠中の血液検査で、 肝機能異常を指摘されてからでは、 対処が遅すぎる、可能性があります。
では、どうすればいいのでしょうか?
「つわりが酷いお母さん」も、脂質代謝機能が低い体質の可能性が
今回にご説明した、 「 LCHADのヘテロ変異の妊婦さんの胎児が、 ホモ変異である症例 」 、 では、 その、かなりの症例で、 妊娠初期 ( 13週齢ぐらい ) 、 までに、 重症の妊娠悪阻 ( 妊娠中絶を考えるような、 激しいつわり ) 、 が発生することが報告され、 それには、 肝機能異常を伴います。
私は、 以前の記事で、 「 つわりは、 脂肪酸 ( ケトン体 ) 、 エンジン 、を、 うまく動かせなくて、 糖新生能力が低い妊婦さんで、症状が強いのではないか 」、 と書きました。
その一方で、 マウスの研究から考えると、 「 LCHAD 、 あるいは、 三頭酵素のヘテロ変異のお母さんは、 体質的に、 脂質代謝能力、 糖新生能力が低い、可能性がある 」 、 と予想されます。
これらの事を考えると、 妊娠初期から、 酷 ヒド い、つわりで苦しんでいる、 妊婦さんは、 脂質代謝能力が、 ほかの方よりも、低い、可能性があります。
つまり、 そういう人に、 厳しい糖質制限は、お勧めできません
( もちろん、そういうお母さんの場合は、 糖質制限なんて、 全然無理、 糖質を、ほんの少しずつ食べるのが精いっぱい、 という状況かもしれませんが )。
私が、 産婦人科医になった頃には、 まだ、 AFLP 、への、 原因遺伝子は、 わかっていなくて、
1万数千回から、 数万回に、 1回の割合で起こる、 原因不明の、 怖い、 妊娠合併症である、 という、 概念でした。
三頭酵素のホモ変異が発生する妊娠は、 97万5千回に、 1回ですから、三頭酵素の変異だけが、 AFLP 、 への原因である、 とは、考えられません。
さまざまな遺伝子の変異らで、 AFLPが発生する可能性があります。
新生児タンデムマススクリーニングから、 日本人では、 さまざまな脂肪酸代謝経路の異常 ( ホモ変異 ) 、が、 3万4千人に、 1人で、 発生する、 ことが、 わかっています。
これらの一部もまた、 AFLP 、の発症の候補である、 と想定すると、
ヘテロ変異を持つ方は、 妊娠中の厳しい糖質制限を避けておくほうが良い、と考えます ( 仮説です )。
3万4千回に、 1回の割合で、 ホモ変異が発生する、
これを仮に、単一の遺伝子異常で発生すると計算すると、 92人に、1人の日本人は、 ヘテロ変異を持つ可能性があります
( 正確には、 それぞれの遺伝子変異について、 確率を計算して、合計するべき、 必要がありますし、 ホモ変異の赤ちゃんの一部は、 生まれる前に、亡くなる可能性もあるので、 ヘテロの方は、 もう少し多いかもしれません )。
そう考えると、 理論上は、 92人に、 1人か、 それ以上の確率で、 妊娠中の糖質制限は、 お勧めできない、 体質をお持ちである可能性があります。
そして、 そういう方は、 酷い、つわりに悩まされている可能性があります ( 仮説です )。
また、 3万4千回のお産に、1回は、 命にかかわる合併症 ( 妊娠脂肪肝 ) 、 が、 起こり易い可能性もあり、
その場合に、 糖質制限は、危険な食事方法となる可能性があります( 仮説です )。
では、どうすればいいのでしょうか? 、 その対処方法については、 次の記事で書かせていただきます。
( 文=吉田尚弘 医師 )