女子高校生3人、新種アメンボ発見…60年ぶり
ナガサキアメンボ(安永智秀さん提供)
長崎県立長崎西高 ( 長崎市 ) の生物部に所属する、 女子生徒の3人が、 大村湾で、 新種のアメンボを発見し、 その研究成果が、 カナダの国際学術誌 ( 電子版 ) に掲載された。 3人は、 「 1年間の研究は、 大変だったけど、 評価されて、 うれしい 」 、 と喜んでいる。
3人は、 いずれも、 3年の桃坂瞳さん (17) 、 朝鍋遥さん (18)、 平野安樹子さん (17)。
同校は、 先進的な理数教育を行う、 文部科学省指定の、 「 スーパーサイエンスハイスクール 」( SSH ) 。 その縁で、 外部講師として、 週に数回、 実験の指導などを行う、 アメリカ自然史博物館研究協力員の安永智秀さん(54) (長崎市) から、 アメンボに関する専門的な話を聞くうちに、 生態への関心が高まった。
アメンボには、 池や川などにいる、 「淡水性」のほかに、 海水に生息する、 「沿岸性」、 などがおり、 世界に、
約500種以上がいる、 とされている。
3人は、 昨年の6月から、 珍しい種類がすむとされる大村湾で、 絶滅危惧種への調査を開始。 すると、 淡水に生息する種に見られる、 細長い体の個体を発見した。 海岸などにいる種は、 体が丸みを帯びているのが、 一般的で、 採取して調べたら、 淡水性の種とは、 触角や脚の長さが違うことが分かった。
夏休み中には、 50回以上を、 現地に足を運んだ。 学校では、 4個の衣装ケースやモーターなどで作った、 特製の、 “水槽”で飼育。 産卵にも成功し、 塩分濃度が低い環境で繁殖する、 ことを確認した。
さらに、 メーカーから、 無償で貸与された高性能の電子顕微鏡を使い、 雌の産卵管が、 淡水性の種より大きいことを突き止めた。 これが、 新種と判断する決め手となり、 3人は、 安永さんらと連名で、 研究成果を論文にまとめ、 今年5月に、 学術誌に掲載された。
「 地元の人に、豊かな自然が残る長崎を誇りに思ってほしい 」 、 との願いから、和名を、 「 ナガサキ アメンボ 」、 と名付けた。
安永さんによると、 アメンボの新種への発見は、 60年ぶり。
「 高校生らしい、 純粋な好奇心から、 研究を始め、 新種発見につなげたことは、 本当に素晴らしい 」 、 と、 労をねぎらった。 生徒の3人は、 「 1年間を、ほぼ毎日、交代しながら、水替えや餌やりをしたので大変だった 」、 と振り返り、 朝鍋さんは、 「 大学に進学したら、昆虫の分類学を究めたい 」 、 と夢を語った。 ( 佐藤陽 記者 ) 。