山口百恵さんの現役時代から、 ちらほら存在し,20年以上も前に完全に否定された、 「山口百恵さんの父は、韓国・朝鮮系員」説。
それが、 いまだに、亡霊のように残って, YouTube 、 のコメント欄やネット上の、 「教えてコーナー」のような所らで, 訳知り顔で語られたりしている。
そして、 その亡霊は, 何度を否定されても,時々に、よみがえる。

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疑問に思ったときには,できるだけ原典に当たるのがよい。山口百恵さんの情報に関しては,まず、山口百恵女史の著、『蒼い時』に当たるべきだと思う(もう一冊は後述)。
この自叙伝には,下世話な暴露本の類よりも、衝撃的な事実が書かれている。 出生の秘密,たまにしか会いに来ない、憎むべき父親,怖いオバサン ( = 本妻 )……。
彼女の父と母は,いわゆる、法律的に認められた夫婦関係ではなかった。
父には,既に家庭があり,子もいた。
戸籍に書かれた娘たちの名前の上には、 「 認知 」、 という、 二文字が置かれている。(『蒼い時』より)。
デビュー当時には, これらの事実が隠され, ホリプロからは、 「 幼いころに、 両親が別れ, 父はいません 」 、 と、 答えさせられていたことが, 余計な詮索や妄想を生み, 山口百恵さんの父は、 韓国・朝鮮系だ、という説まで生じたと考えられる。
最近では, 孔子も李白も、 韓国がルーツだと主張する人たちがいる国のゴシップ誌に、 次のような記事が載ると,信じ込んでしまう振りをして観せる人も多いのだ。
記事の内容は以下の通りだ。
中国の黒竜江日報が発行する、
「 生活報 」 、 の、 今月11日の報道によれば、 中国大衆にも、よく知られた日本のトップ歌手の、 山口百恵さんは、 韓国人の父を持つ韓国系だ、
と紹介した。山口百恵さんは、 1959年、に、 韓国人の父と、 日本人の母との間に生まれたが、 両親の離婚後は、 母方の姓を名乗り、 現在まで、 母親と一緒に、日本人として生活してきた。
(略) 日本では、 芸能界デビュー時に、 所属事務所の指示に徹底的に従うのが慣例。 したがって、 元から、 名前を変える意思がなかった、これらな、 韓国系芸能人も、元からの姓と名前を隠し、名前を変えて、 日本人としての戸籍に登録しなければならなかった、 と、同紙は伝えた。
山口百恵さんには、 所属事務所が、 緘口令を敷き、 父親を認めず、 韓国の親戚友人とも、往来ができないようにしたケースだった。
同紙は、 韓国の血を引く、日本芸能人らは、 芸能活動に支障を来たさぬよう、 姓と名前を隠してきたが、
「韓流」が徐々に広がる中で、 彼らの韓国系の出自が、改めて注目を集めている、 と、 診断した。
▽聯合ニュース/スポーツトゥデイ ( 韓国語 ) ( 2006/ 8/13 22:28 ) 。
正確な情報さえ知っていれば, なんと、 いい加減な記事であるかが、わかる。
「 両親の離婚後は、母方の姓を名乗り 」、 とあるが, 百恵さんの父には、 別の家庭があり, 百恵さんのお母さんは、 いわゆる、 妾さんだ。 離婚なんて、ありようがない。
山口百恵さんの父が、 韓国・朝鮮系ではないか、 という、 うわさは, 現役時代や、 引退後にもあった。 発生源は、 複数がある、と、 思われるが、 確かに、 そのような、 ゴシップ記事が、ときどきに流れたが、 その発生源と思われる記事は, 何らかの証拠に基づいたものではなく, 「……という言っている人がいる」、というレベルの記事なのだ。
その噂について調べた記事が, 創出版の月刊の、 『創』の、 1986年5月号の、 「 山口百恵さん、 “韓国ルーツ説”の真相を追う ( ルポライター 早川和廣氏 」、 という特集記事だ。 これが、決定版だ。
[創出版 月刊『創』バックナンバー1986年のWebページ]

[月刊『創』1986年5月号の特集記事 ; 「山口百恵“韓国ルーツ説”の真相を追う」。
雑誌を手にとって読んでもらえば, 真偽のほどは、 すぐに、わかる。
非常に丁寧に, かつ、執念深く取材した, 読み応えのある、素晴らしいルポルタージュになっている。 もやもやを晴らしたい方は, なんとか、入手して、一読することをお薦めする。
結論を簡単にまとめると,
百恵さんの父な、Kこと、 久保茂さんは、 旧姓名が、 山本茂さんで, その父なる、 山本徳太郎さん, 母なる、イチさん、への、 二男。
大正十年の一月に、 久保コノさん、 への、 養子となる。
久保茂さんの父な、山本徳太郎さんは、 山本寅吉さん ( 江戸時代の人 ), トミさん、 への、 二男で, 戸籍を、 江戸時代の末期にまで遡っても、 韓国とは、 無関係。 母方も、 同様。
明治三十二年の、 三月から、 昭和二十五年の、 七月までは、 旧国籍法の適用下にあったために, 外国人でも、 比較的に、 容易に、 日本人国籍を取得できたそうだが, 江戸末期は、その範囲外だ。

[山口百恵さん、 “韓国ルーツ説”の真相を追う」、 の一部。
創出版のWebページから、 バックナンバーを購入することはできないので ( 25年も前の雑誌だからねぇ ), 見出しを抜き出しておく。
山口百恵さん、 “韓国ルーツ説”の真相を追う 、 早川和廣氏( ルポライター ) ;
山口百恵に関わる最大のタブー?
根強く噂される“韓国ルーツ説”
『現代』に“告訴する”と抗議
百恵の出生に関する「怪文書」
噂を追って韓国へ飛ぶ
背景に芸能界の民族問題 。
韓国ルーツ説の要因となった話には, 部落解放同盟の、 朝田善之助氏の文書や, 大阪の在日韓国人グループの機関誌の話がある事なども書かれていて、興味深い。
最後に,『朝日ジャーナル』のインタビューで, 百恵ちゃんが、 半ば、 あきらめの心境で、 語っている部分を引用しておきたい ( 引用の引用だ…… )。
< エーッ,というようなことが, 自分でも知らないような事が、 書かれていたりすると、 何でだろうって。 これは、本当に、 どうしてだろうなって思わざるを得ないんですよね。
これは、 ウソですっていっても,
「 ウソです 」 っていう、 私の言葉を信じてくれる人のほうが、 少ないですし, かりに、 身近な人に, あれに出た記事は、 ウソだからっていった、 としても, 「 でも, 雑誌が、 いくらなんでも, 百 % 、を、 ウソは書かないでしょう 」 って思う、 と、 思うんです。 (略)。
こんなに、ウソを書いて,ありもしない事を並べたてて,平気でいられる人達が、 いるんだろうかって思って,
それが、 すごく悔しい、 というのも、あったし, 悲しい、 というのも、あったし、なんか、複雑でしたね >

