【ヘルドクター・クラレのググっても出ない毒薬の手帳 第6回、トリカブト/後編】
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前回、 アコニチン ≒
炭素 C 、 の、 34個 、 に、 水素 H 、 の、 47個 、 と、 窒素 N 、 の、 1個 、 に、 酸素 O 、 の、 11個 、 とから成る、 C34 H47 N O11 、 は 、 代表的な神経毒で、 神経の伝達阻害剤として機能する、 という話をしました。
前回の話と被りますが、神経というのは、 リン脂質らから成る、 二重膜でできた、細胞膜に、 ナトリウム・チャンネルや、 カリウム・チャンネル、 に、 ナトリウム・ポンプ、や、 カリウム・ポンプ 、 といった、 イオン ≒ 正電荷か、 負電荷、を、露にした状態の原子 、 の、 通り道が用意されてます。
■神経の働きを支える分極
チャンネル 、 というのは、 イオンの流入に、 アデノシン 3 燐酸 リンサン 、な、 ATP 、 を使わないモノ、
ポンプ 、 というのは、 その名の通りに、 能動的に、 エネルギーたる、 ATPを使って、 イオン 、 を、 細胞の内外に動かす、 部品 、 という認識で、 OK 、です。
そうした、チャンネル、や、ポンプを駆使して、 「 分極 」 、 という、 生命維持に必要な電位差を維持して、 外界の変化や刺激に対して、 我々の体が動くように、 神経、という、 ネットワークが構成されているわけです。
分極していなければ、電位差は生まれません。
この微弱な電気によって、 我々な人間は、 神経、 という、 ネットワークを使って、 筋肉から内臓に至るまでの全部を連結させ、 それらが、 無意識で、 きちんと動いてくれることで、 生きているわけです。
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つまり、 この電位が崩れると、 神経細胞たちは、 情報らを伝達し得なくなるわけです。
つまり、 その先の組織らが、 正常に機能しなくなって、 最悪の場合には、 死にます。 故に、 それらな、ポンプらを総動員して、常に維持している位に、 大事なモノ、 というコトです。
この分極の維持には、 体内の消費カロリーの、 3割近いエネルギーを使っているとされており、 呼吸 、 と同じく、 生命活動の中枢 、 と、 言えるわけです。
アコニチン 、 などの、 毒物は、 この電位の維持を破壊することを可能とする化学物質です。 そうした物らを、 神経毒 、 という。
■アコニチンの仕組み
アコニチン 、は、 特別な神経の一部を、 狙い撃ちする、 コブラ毒なんかに比べると、 まだまだ、 選択性の低い神経毒で、 神経の全般に作用します。
症状としては、 口唇から、 胸腹部に、 焦熱感が出て、 そのあとで、 嘔吐や、歩行困難などの、 神経症状が出て、 さらに、 分量が多くて、 中枢までを破壊できるようになると、 呼吸麻痺、 ないしは、 心臓麻痺になって死ぬ……という流れです。
アコニチン自体が、 神経の分極を維持するために、 ナトリウム・イオンを出し入れしている、 ナトリウム・チャンネルに作用する毒で、 細胞が、 「 そろそろ、 ナトリウムの取り込みをやめて、 細胞内のイオンを安定させないと 」 、 と思って、 チャンネルを閉じようとしたら、 アコニチン、が、 開閉スイッチに挟まってて、 ナトリウムが入り放題になってしまう……という、イメージです。
たとえば、 心臓は、 ドクンドクンと、 弛緩と収縮を繰り返してますね。 神経の中に、 イオンが入って、 電位が変わる ( スイッチが入る ) 、 と、 収縮し、 しばらくすると、 ほかの、 ポンプ、や、 チャンネル 、 を駆使して、 元に戻る、 再分極 ( スイッチ・オフ ) 、 を繰り返して動いているのは、 ほかの神経と、 同じです。
アコニチン 、が、 心臓の神経に入ってくると、 脱分極状態を維持してしまうので、 心臓の収縮と弛緩のバランスが崩れ、 収縮しっぱなし ( スイッチが、入りっぱなし )、 になります。 心臓は、 ギューっと絞まって、その状態が続くと、 死ぬわけです。
こうした働きは、 人の病で起こる、 不整脈のメカニズムと似ており、 そうしたメカニズムの解明に、 アコニチン 、 が役立ってもいます。
また、 薬局に並んでいる漢方にも、 ごく微量の、 トリカブトの根 ( 附子 ブス ) 、 が、 使われていたりと、 薬と毒は、 本当に、 分量次第なのです。

