「とんでもない木を見つけましたよ」、という、 東京都国立市の保育園長で、 昆虫写真家、佐伯元行さん(59)に案内してもらい、その木を初めて見たのは、
7月27日、 台風上陸の前日で、 猛暑が少し緩んだ日のことだった。
国立市の市街地のはずれ、 交通量の多い幹線道路から、 5分も歩かない、
私有地の庭に、
かなり古そうな、 クヌギの木があった。
幹周りが、 約2メートル、で、樹高が、
約18メートル。
近づいてみると、いるわ、いるわ。
2人で、2度を数えたが、 全部で、 80匹ほどのカブトムシが、ところ狭しと群がっている。
数えている最中も、 耳元に、 羽音が響き、
大きなオスが飛来する。
甘酸っぱい樹液の香りが漂 タダヨ い、
争いに負けて、投げ落とされた、やつらは、 根元で、 うごめいている。
昆虫を追って、 日本中を旅してきた佐伯さんも、
「 1本で、 こんな数が集まる木は、 見たことが、
ない 」 、 という。
台風が去り、 猛暑が戻った、 8月1日に、 再び、 見に行くと、
“樹液酒場”は、 相変わらずの盛況だった。
根元に、 死骸が増えたようだが、 動いているのだけを数えると、
全部で、82匹。 不思議と、数は変わらない。
敷地を管理する団体の方に話をうかがった。
「 昨年から、 有機農法ガーデンをやるため、
落ち葉を集めて堆肥づくりを始めたんです。
折れ枝を粉砕したものを混ぜたのが、カブトムシの幼虫には、 いい環境だったみたいです 」 。
木のそばに落ち葉を集めた堆肥囲いがあり、朽ち木もたくさん転がっている。
それにしても、なんで、 こんな数が。
「 私らも驚いてます。 子供たちが採りにきたり、 カラスが食べにきたりして、ほとんどいなくなってしまう日もありますが、 翌日になると、 数は元に戻っています 」 。
最大の原因は、 堆肥の豊富さだろうが、 市街地なので、 近くに樹液を、 たくさんに出す木が、
少ないこと、
開けた場所に木があるために、 樹液の匂いが、
虫たちに伝わりやすいこと、 天敵が少ないこと、 気候の関係、などの条件らが重なった-、 と、
佐伯さんはみている。
カブトムシは、 大人を童心に返す、 虫の筆頭だ。
見ていて飽きない。
「 こんな風景がいつまでも見られることを願いたいね 」、 と、 佐伯さんが言った。
( 石塚健司 記者 ) 。
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空前の写真ブームといわれる中、虫取り網ならぬ、 カメラで虫を撮る、
「虫撮り人」の大人が増えている。
穴場の撮影ポイントに詳しい佐伯さんとともに、東京の虫たちを追った。
