☆ 実際に傷をつけて研究 ;
研究に参加したのは、 健康で、 非喫煙者の、
ボランティア被験者の、 30名。
口内と、 腕の皮膚に、 それぞれに、
3 mm 程の傷をつけてもらい、 その後の、
6日のあいだを、 経過を観察し、
傷を負う前と後に摂取した、 組織サンプルから、
分子像が調べられました。
米 Gizmodo 、 の取材によると、 研究論文の筆頭著者で、 アメリカ国立衛生研究所の、 皮膚生物学ラボで、 主任科学者を務める、Maria Morasso氏は、 「 口腔の粘膜や、 皮膚の治癒の経過で、 各段階に反応する、 指標となる、 新たな分子 」 、 を発見したことを明かしています。 具体的には、 どういうことなのでしょうか?
☆ 口の細胞はいつも準備万端 ;
わたしたちの身体にある、 ほぼすべての個別細胞の根底には、 同じ遺伝コードが存在します。
ただ、 これらの遺伝子らが、 どう発現すべきかについては、 異なる種類の細胞が、 それぞれが、
違った指示を出してます。
研究者らが発見したところによれば、 口腔細胞には、 いつでも、 治癒への準備ができている、状態でいるよう、 指示が出されていることが、 わかりました。 すなわち、 腕などの、 他の身体の部位の皮膚細胞とは、 異なり、 これらの細胞らは、 傷を負う前の段階から、 すでに、 傷への修復を促す、 遺伝子のパターンを発現しているのだ、 と、 いいます。 こうして、 炎症を留めるなどすることで、 細胞の治癒プロセスを加速していたのです。
Image: Inglesias-Bartolome, et al./Science Translational Medicine ある被験者の肌↑と口内↓の傷口の比較(画像は傷を負った直後、3日目、6日目)Morasso氏は、 口内と肌の傷の治り方について、
以下のような、 違いを説明しています。
肌の細胞たちが、 傷口を効率的に塞ぐためには、 まず、 メカニズムを活性化させる必要がある一方、
口腔では、 細胞たちが、 瞬時に傷口に反応し、 素早く傷口を閉じようとします。
口内と比較した際に、 肌の傷が、 より、 時間をかけて、 修復されるのは、 おそらく、 このことが、 理由だ、 と、 いえるでしょう。
☆ 研究で分かったことの応用 ;
研究チームは、 さらに、 傷の治癒に関する、 重要な指示を中継する、 タンパク質である、
「 SOX 2 」 、 に注目。
この重要なタンパク質である、 「 SOX 2 」 、 を単離して、 平均値よりも高い、 SOX 2 、 らが、 皮膚細胞で、 発現されるように、
ネズミ 、 を飼育しました。
すると、 ネズミが傷を負った際に、 通常よりも、
早く治る、 という、 結果が出た、 と、いいます。
この結果は、 あくまで、 概念実証に過ぎませんが、 Morasso 氏 は、 今回、 および、今後の研究が、 傷の治癒を早める方法や、 糖尿病の末期などに、 みられる、 傷が治りにくい症状への、 対処法を模索するのに役立つ、 と、 指摘しています。