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量子もつれとは何か:古澤明
12/10/17 21:08 1 テレポーテーション
「量子もつれとは何か:古澤明」(Kindle版)
本書では、 量子テレポーテーションや、
量子コンピュータにとって、欠かせない、
「 量子もつれ
( 量子 エンタングルメント ) 」 、
の、 からくりと、 からみあった量子ペア
( EPR ペア ) 、 を、 実験室で、
作り出す方法について、 解説している。
前半は、 光子そのものについての、
性質への解説に充てられている。
本書では、
「 「 シュレーディンガーの猫」
のパラドックスが解けた!: 古澤明 」 、
とは、 また違う観点から、
光子の性質を解説していた。
この2冊には、 量子力学の、
一般的な教科書には書かれていない、
光子の有り様が詳しく書かれている。
まず、 古澤先生の著書とは関係なく、
これまでに、 僕が理解している、
光子のもつ性質、 そして、
古澤先生の著書で、 光子の性質が、
どの様に書かれていたかをまとめてみよう。
*これまでに、 僕が理解している、
光子のもつ性質 ;
1) 光電効果をはじめ、
いくつかの物理現象らを説明するために、
「 粒子性 」 をもった、 光子 ≒
1つ、 2つ、 と、 数え宛 ア てられ得る、
塊 カタマリ 、 めいた物としてある、
区別性を観察される、 宛先になる、
光子 、 という、
存在を認める必要がある。
2) 光子の質量は、 ゼロ 、 なので、
シュレーディンガー方程式をあてはめる、
ことは、 できない。
3) 光子自体が、 波としての、
振る舞いようらも、 観察させる、
電磁波 、 であり、
正の実数値のエネルギーと、
正または負の、
実数値の運動量をもっている。
4) 光子の波動方程式は
( 相対論的な ) 、
マックスウェルの方程式である。
5) 光子のスピンは、 ± 1 、
ヘリシティ ≒
helicity 、 は、
その値が、 -のものを、 左巻き、
+のものを、 右巻き 、 と呼ぶ 、 は、
±1 、 だ。
6) 光子は、 安定な素粒子だ。
( 崩壊寿命が、 無い。
相対論により、 私たちから見ると、
光子の時間の進みは、 ゼロだからだ ) 。
7) 光子は、 真空の中では、
秒速が、 約 30万キロメートル 、で進む。
他の媒質らの中では、
それ以下の速度で進む。
8) 光子の質量は、 ゼロ 、 だが、
光を物体に照射すると、
圧力が計測される。
光子には、 運動量があるからだ。
9) 光 ( = 電磁波 ) 、 には、
偏光 、 という性質がある。
@ 偏光 ( へんこう 、
英: polarization ) 、 は、
電場 、および、 磁場 、が、
特定の ( 振動方向が、 規則的な )
方向にのみ、 振動する、 光のこと。
電磁波の場合は、
偏波 ( へんぱ ) 、 と呼ぶ。
光波の偏光に、 規則性が、なく、
直交している電界成分の位相関係が、
でたらめな場合を、 非偏光 、
あるいは、 自然光 、 と呼ぶ。
10) 光子は、
最短時間で到達するルートに沿って、
目的地点に到達する。
出発するときに、 目的地点を知らないと、
そのようなルートは、
決定できないはずなので、
常識的に考えると、 不思議なことだ。
11) 光子についても、
電子の二重スリットの実験と同様に、
干渉縞が観察される。
*「「シュレーディンガーの猫」のパラドックスが解けた!:古澤明」に書かれていたこと ;
12) 光子の、 位置と、 運動量、
エネルギーと、 位相は、
不確定性原理に支配される。
13) 光子が、 1個の状態の電場は、
プラス、マイナス、の、
1の一定値を中心に分布し、
位相は、 確定しない。
( つまり、 電場は、
波型の波形に、 ならない ) 。
14) 光子が、 0個の状態と、
2個の状態、 とを重ね合わせると、
電場に、 波型の波形があらわれ始め、
3個、4個と増えるに従って、
正弦波のような、
波形が観測されるようになる。
( レーザー光、 コヒーレント状態 ) 、
つまり、 光は、
光子の集団であり、
レーザー光は、 位相の揃った、
光子の集団だ。
15) 光子数の状態は、
ハイゼンベルク描像における状態ベクトル、
として、 あらわされ、
光子の分布の確率密度は、
状態ベクトルの絶対値の2乗に比例する。
16) 重ね合わせる光子数状態を、
偶数個、 または、 奇数個にして、
得られる、 波形は、
波型 ( なみがた ) 、 にはならず、
スクイーズド光 、 と呼ばれる、
自然界には、存在しない、 光になる。
*「量子もつれとは何か:古澤明」 、
に、 書かれていたこと ;
17) 光子は、 分割することができる。
たとえば、 光子を2分割すると、
周波数は、 2分の1、
エネルギーは、 2分の1になる。
( E = hV )
周波数を同じに保った状態だと、
光子は、 分割できない。
18) 光子を「波」と考えると、
それは、 実数波で、
同じ波長で、 振幅の異なる、
sin 波成分 、と、 cos 波成分 、
に、 分けられる。
高校の数IIBで習う、 三角関数の合成公式を、 逆に、 とらえたものだ。
19) 上記の、 sin 波成分 、と、
cos 波成分 、 との間には、
不確定性関係が見られ、
それは、 光子の、 位置と運動量に、
見られる、 不確定性関係と同じだ。
ただし、 sin 波成分 、と、
cos 波成分 、 が、
光子の、 位置と、 運動量とを、
表しているわけでは、ない。
20) 不確定性原理が仮定される、
ことによって、 電磁波の中に、
光子 ( 量子 ) 、 が生まれる。
21) 原子核の周りをまわる電子に、
周期的な運動 ( 振動 ) 、 があると、
同じ周期の電磁波 ( = 光子 ) 、
が、 放出される。
22) 原子核の周りをまわる、
電子の軌道が、 エネルギーの、
より低い軌道に移ると、
そのエネルギーに相当する電磁波
( = 光子 ) 、 が放出される。
光子の位相は、 定まっていない。
23) 光子、 という「考え方」は、
量子化した状態の1つの側面に過ぎない。
24) 光は、 もともと、
「波」なのであり、
粒子としての性質は、 「おまけ」である。
量子光学では、 たいていの場合、
光の波動性で、こと足りる。
必要なときに、 「粒子性」にもとづく、
解釈をすれば、よい。
まさに、 「群盲象を評す」、という感じだ。
上記の様な光子の性質らを思い出しながら、 本書を読むと良いだろう。
第1章では、 量子力学に馴染んでいない、
読者のために、
必要な、 基本的ことがらが解説される。
ポイントは、 量子 、 という、
小さい世界では、 位置と運動量、
エネルギーと位相 ( 時間 ) 、 という、
2つの ( 共役な ) 物理量を、
決められないこと。
つまり、 不確定性原理が成立っている事だ。
第2章では、 古典力学の、
「 振り子の運動 」 、 を、
量子化したら、 どうなるか、 という、
解説がはじまる。
これは、 光の量子化を理解する上で、
とてもよい思考実験になるのだ。
第3章で、 光の量子化、 つまり、
光子をどのように考えればよいかが、
説明される。
そして、 光子 = 電場である 、
ということは、 特に重要だ。
この章では、 光子の「波」を、
波長の同じ、 sin 波成分と、
cos 波成分 、 とに分ける、
ことが、 述べられているが、
きれいな波を、 わざわざ、
2つの波に分解する理由が、
一般の人には、 わかりらないかもしれない。
高校の数学 IIB 、 で習う、
次の公式を思い浮かべれば、
2つの成分らに分解すると、
波の分解 、 ということのイメージが、
わかると思う。
不思議なことに、 光子では、
sin 波成分と、 cos 波成分 、との間に、
不確定性関係 、 が見られ、
それは、 光子の、
位置と運動量に見られる、
不確定性関係 、 と同じになるのだ。
一般読者には、 sin 波成分 、を、
縦軸に、 cos波 成分 、を、 横軸にとった、
グラフの意味がとらえにくいと思う。
これは、 縦軸に位置を、
横軸に運動量をとる、
グラフに対応していて、
物理学では、
「 位相空間 」 、 と呼ばれているものだ。
第4章から、 光そのもの、
位相の揃った、 レーザー光の話が始まる。
レーザー光線は、
位相の揃った光子を大量に発生させ、
それらを「重ね合わせる」ことで作られる。
光子 = 電場 、 であるから、
光子は、 電子の加速度的な運動によっても、 発生する。
光子の自然放出と誘導放出について学ぶ。
第5章から、 本書のメインテーマの、
「量子エンタングルメント」の説明が始まる。
1つの量子では、 位置と運動量とを、
同時には、 決められない、 というのが、
不確定性原理 、 だが、
空間的に、 2つの量子な、
a 、と、 b 、とを、まとめて考えた、
状態にすると、 次のような、
2つの物理量らは、
X 、 と、 P 、 とは、 同時に、
決めることができるのだ。
不思議なことに、 この状況でも、
不確定性原理は、 破られていない、
ことが、 示される。
X = Xa - Xb
( 2つの量子の位置らの差 ) 。
P = Pa + Pb
( 2つの量子の運動量らの和 ) 。
このような、 2つの量子らを、
EPR ペア 、 と呼び、
2つ量子の物理量ら
( 位置と運動量 ) 、 は、
エンタングル ( からみあった )
状態になっているのだ。
どんなに離れていても、
これらな、 2つの量子の物理量らは、
お互いに、 定まった関係を保ちながら、
変化している、 不思議な状態だ。
第6章では、 量子光学を用いて、
光子の、 EPR ペア 、 を生成するための、
準備的な考え方が解説される。
2個 ( もしくは、 偶数個 ) 、 の、
光子状態を重ねて生成する、
「 スクイーズド光 」 、 についても、
ここで解説される。
第7章では、 量子光学を用いて、
光子の、 EPR ペア 、 を作るための、
具体的な実験装置や、 そこで、
どういう状況が発生しているのかについての、 解説が行われる。
かなりトリッキーな考え方にもとづく、
実験内容に、 僕は、 「なるほど!」、
と、 驚かされた。
第8章では、 生成された光子の、
EPR ペア 、が、 実際に、
予想どおりの、 EPR ペア 、
になっているかどうかを検証する、
実験の手法が紹介される。
ここでは、 「 光のホモダイン測定 」
、 という、 手法がとられるが、
その考え方の中に、
ラジオの、 AM波 ( 振幅変調 ) 、と、
FM波 ( 周波数変調 ) 、 の、
アイデアが生かされていることは、
意外だった。
第9章では、 単一光子状態の生成方法が、
紹介される。
単一光子状態が生成されることは、
量子力学が正しいことを検証する、
という意味合いを持つので、
これは、 とても重要な実験なのだ。
第10章では、 応用テーマ1として、
量子テレポーテーションのしくみが、
解説される。
本書では、 これを、 ラジオの、
AM波 ( 振幅変調 ) 、 と、 FM波
( 周波数変調 ) 、 の、
アイデアを使った説明が行われ、
とても、わかりやすい。
最終章では、
「 多量子間量子エンタングルメントと
量子エラーコレクション 」 の実験について、
解説している。
量子エンタングルメントは、
3個以上の量子らについても発生する。
紹介されるのは、
9個のエンタングルした量子らによる、
エラーコレクション実験だ。
量子エラーコレクションは、
将来に実現される、 量子コンピュータの、
基礎技術として、 不可欠なものだ。
本書の、「はじめに」や「おわりに」で、
著者の古澤先生は、
昨今の「理科離れ」の状況のことを、
「おまんまの食い上げだ。」 、と、
おっしゃりつつ、とても危惧されている。
高校や大学で、物理を履修する学生は、
激減しているそうなのだ。
量子テレポーテーションや、
量子コンピュータは、 物理学徒はもちろん、
一般の人にとっても、 魅力あふれる、
刺激的なテーマだ。
テレポーテーションの実験が、
10年以上も前に成功していることを、
吹聴したり、
ツイッターでつぶやくだけでも、
物理学を志す人がでてきて、 少しは、
日本の将来にプラスの影響を与える、
に、ちがいない。
古澤先生によるブルーバックス本は、
既に、 3冊がでている。
見くらべた所、刊行された順番とは、
逆に読むほうが、 理解しやすい、
と、 僕は思った。
「「シュレーディンガーの猫」のパラドックスが解けた!:古澤明」(Kindle版)
「量子もつれとは何か:古澤明」(Kindle版)
「量子テレポーテーション:古澤明」(Kindle版)