用語解説

  • *1  量子コンピューティング
     エンタングルした      ≒
  •    もつれた    、    量子ビットは、
  • 爆発的多数の可能性を、
  • それほど多くない数の量子ビットで、
  • 表すことができる。
  • これを利用し、
  • 複雑な計算を並列処理するのが、
  • 量子コンピューティングであり、
  • 原理的に、 従来のコンピュータを、
  • はるかにしのぐ性能が得られる。
  • 特に、公開鍵暗号を破る力がある、
  • とされている。

  • *2  量子暗号
     「   量子力学的信号は、
  • 傷つけずに覗くことができない」、
  • という原理を用いて、
  • 送られた乱数表についた傷は、
  • その全てが、盗聴行為によるもの、
  • と仮定し、
  • 乱数表を縮めて、 傷を直したものを、
  • 秘密鍵暗号の鍵とする暗号方式。
  • 盗聴者を含めた安全性の理論には、
  • エンタングルメント     ≒
  • もつれ    、   が不可欠だが、
  • 送信者と受信者のみに限ると、
  • 必要なテクノロジーとして、
  • エンタングルメントを使うものと、
  • そうでないものがある。
  • 量子暗号は、
  • 量子コンピューティングができても、
  • 破られない。

  • *3  量子テレポーテーション
     「量子状態を含めた物質の状態の情報」を古典的通信のみで送ること。
  • ただし、 準備として、
  • エンタングルしたペアを、
  • 送信地点と受信地点に配布しておく、
  • ことが必要である。
  • 完全なテレポーテーションには、
  • 完全なエンタングルメントが、
  • リソースとして必要である。

  • *4  量子情報処理
     量子力学の不思議な性質を利用して、
  • 古典的には、できない、
  • 情報処理を行うこと。
  • 不思議な性質とは、主に、
  •   (1)    重ね合わせ状態と、
  • 観測による量子ジャンプ、および 、
  •  (2)     エンタングルメントを指す。
  • 量子コンピューティング、量子暗号、
  • 量子テレポーテーション等が含まれる。

  • *5  一括操作
     複数の系があるとき、
  • 古典的操作は、 その全てが、
  • 個々の系への操作に分解できる。
  • たとえば、 系1の測定、
  • 系2への電圧の印加、
  • それらの同時進行などである。
  • しかし、   量子力学では、
  • 新たに、
  • 「両者が、 エンタングルした状態への、
  • 量子ジャンプ」など、
  • 個々の系への操作に分解できない、
  • 全体操作があり、
  • それらを一括操作と呼ぶ。
  • 技術的には、 その制御は、
  • チャレンジングな研究課題である。

  • *6  量子ビット
     量子演算を行う情報の最小単位で、
  • デジタル信号の1ビット
  • (   0  、  または、  1  )  、
  • と異なり、
  • 0と1 、との、 重ね合わせ状態
  • (     例えば、    0が、 30%で、
  •  1が、 70% 、  という確率情報   )
  • を、  とりえる、
  • 物理的実体により構成される。

  • 光子の偏光の他に、 光子の位置や位相、
  • 電子の有無、電子スピン、核スピン、
  • 二準位原子・分子、
  • 超伝導電流の方向などで、実現される。

  • *7  光カー効果
     光の強さが増すと、
  • 屈折率が増加する現象。
  • これを使うと、
  • ある光子の有無により、
  • 別の光子の位相が変わるし、
  • 有無の重ね合わせは、 そのまま、
  • 二種類の位相回転らの重ね合わせとなる。

  • これは、 制御回転ゲートに他ならない。

  • 実際には、 光子の一個で、
  • 位相を反転するほど、
  • 強大な光カー効果は、
  • 現時点では、望めない。

  • *8  干渉のコントラストv(visibility)
     干渉の強さを表す指標で、
  • 干渉縞の明暗の最も明るい部分の、
  •  明るさを  、 M 、
  •   最も暗い部分の明るさを、 
  •   m  、  としたとき、
  • v   ≡   (   M-m  ) / (  M+m  )
  •  で、定義される。
  • v=  0   、は、   干渉ゼロ、
  • 1は、 完全な干渉を表す。

  • vの大小と、
  • エンタングルメントの大小は、
  • 常に対応するとは、限らないが、
  • エンタングルメントの存在を証明する、
  • 他の測定に補われれば、
  • エンタングルメントの強さを、
  • 視覚的直観に訴える指標であり、
  • 測定も困難ではない。

  • *9  EOF (entanglement of formation)
     「   そのエンタングルメントの、
  • ペアの1個を造り出すために、
  • 完全なエンタングルメントのペアが、
  • 平均で、 何個が、 必要か   」
  • という量を表し、
  • 0    (    エンタングルメント  無し  )  
  • から、  
  •   1    (   完全な  エンタングルメント   )
  •   までの、  値を取る。

  • エンタングルメントの計量として、
  • 優れているが、下限推定値でなく、
  • この値そのものを測定するためには、
  • 次項の量子トモグラフィを行うべき、
  • 必要がある。

  • *10  量子トモグラフィ
     たとえば、  脳の状態を知りたい場合、MRIやCTスキャン等の断層写真を撮るが、これは、古典系の状態が、
  • 密度分布で表わされるからである。

  • 量子状態で、  密度分布に相当するのは、
  •  密度行列であるが、
  • 未知の状態にある、
  • 量子力学的な物理系  (  光子など  )
  • が与えられた場合には、
  • その密度行列を実験的に求めることを、
  •  量子トモグラフィ  、 と言う。

  • その考え方や方法は、
  • CTスキャンと似ている。

  • テレポーテーションや、
  • エンタングルメント蒸留、 等が、
  • どの程度で、 忠実に行われたかを、
  • 定量評価する際に、不可欠となる。