セレン(セレニウム)

燃焼する時に月のような光を放つことから、ギリシャ語の「月(selene)」にちなんでつけられたセレンは、主に体内の酸化を防止する作用を持ちます。抗酸化酵素の活性化を助け、がんや動脈硬化の予防などの点から、注目されているミネラルです。
がんや動脈硬化の原因となる過酸化脂質は、体内で不飽和脂肪酸の酸化によって作られます。この酸化を防止するのにセレンが必要で、セレン自体にも、がんを抑制する作用があるのではないかと言われています。セレンの抗酸化作用をさらに高めるには、ビタミンE亜鉛と一緒に摂取すると良いでしょう。
魚介類、肉類、卵、乳類、穀類などに多く含まれますが、穀類の含有量は土壌中のセレン濃度によって左右されます。また、セレンを含んだ塵埃(チリやホコリ)が呼吸によって体内に取り込まれ、中毒症を起す場合があるため、取り扱う産業現場などでは注意が必要とされています。普通の食事をしていれば心配ありませんが、摂りすぎると中毒を引き起こすので注意しましょう。

セレン(セレニウム)の主な働き

  1. 1.生体内の過酸化脂質を分解する
  2. 2.活性酸素を除去する酵素の構成成分となる「グルタチオンペルオキシターゼ」と言い、活性酸素を除去する酵素のひとつです。
  3. 3.甲状腺ホルモンを活性化する酵素の構成成分となる
  4. 4.血圧に関わるホルモンに作用する
  5. 5.水銀などの有害物質を無毒化します。また、血栓症の予防に役立ちます。
セレンが不足するとセレンを摂りすぎると
克山病(心筋障害)、カシン・ベック病(地方病性変形性骨軟骨関節症)などの原因になるとの報告もありますが、因果関係についてはまだ明らかにされていません。脱毛や爪の形態変化、胃腸障害、湿疹、呼気ニンニク臭、疲労、過敏、神経系の異常などの原因となります。

吸収を阻害する要素

亜鉛不足、水銀、チオシアン酸、シアン配糖体

セレンが特に多く含まれる食品

マグロ、ワカサギ、ウニ、イワシ、干しエビ、タラコ、カレイ、ホタテ、卵、ねぎ、ビール、牡蠣(カキ)、タラ
※魚介類(特にマグロ)には高濃度のセレンが含まれますが、水銀が共有するため有効性は低いとも言われています。詳細はまだ明らかにされていません。

セレンの1日の摂取基準

(単位:μg/日)
年齢男性女性
推定平均必要量推奨量目安量耐容上限量推定平均必要量推奨量目安量耐容上限量
0~5(カ月)--15---15-
6~11(カ月)--15---15-
1~2(歳)1010-501010-50
3~5(歳)1015-701015-70
6~7(歳)1515-1001515-100
8~9(歳)1520-1201520-120
10~11(歳)2025-1602020-150
12~14(歳)2530-2102025-200
15~17(歳)2535-2602025-220
18~29(歳)2530-2802025-220
30~49(歳)2530-3002025-230
50~69(歳)2530-2802025-230
70以上(歳)2530-2602025-210
妊婦の方-+5+5--
授乳期の方+15+20--

出典:日本人の食事摂取基準(2010年版)