☆  タンパク質から、 アミノ酸たち ;

   ☆  三石巌 理論   ;

     三石巌の書籍で、 現在では、
  絶版のために、 読む事ができない、
 物の中から、ご紹介させていただきます。
 
  第1章    ~高タンパク食の軌跡~ 
  高タンパクは、 なぜ、 必要か
-三大栄養素らの中で、  もっとも、
 生体・生命と直結   ;
 
   ☆   【    アミノ酸の鎖状分子    】  ;

    断わるまでもなく、
  タンパク食品は、 多種多様である。

   肉も魚も、豆腐も味噌も、チーズも、
  卵も牛乳も、すべてが、
   タンパク質のたぐいではないか。

   それならば、   タンパク質を食え、
  と、 いわれたとき、
  豆腐でも卵でも、何でもよいのだろうか。

   どんな形のタンパク質も、口にはいれば、 けっきょくは同じものになる、
  と、  考えてよいのだろうか。

   前項では、   卵白のアルブミン、
  骨の、 ゼラチン、   牛乳の、 カゼイン、  
  小麦粉の、  グルテン 、  などを、
   タンパク質の例としてあげた。

   それらには、 むろん、 共通点があったが、 相違点も、 ないでは、なかった。

    その相違点は、   栄養上においても、
  相違点になるのであろうか。

   素朴に考えても、
  タンパク質にまつわる問題は、
  なかなか、 多い。

    その問題を解決するためには、
  タンパク質の化学を、 もう一歩を、
 深める必要がある。

    タンパク質   、  という名で、
  総括される、  化学物質らは、
  一筋なわでゆくような、
  単純なしろものでは、ないのだ。

    我々は、  どうしても、
 「   アミノ酸   」  、 に、  着目しなければ、
 ならない。

   
 
  アミノ酸とは、
    
   窒素 N 、の、1個 、と、 水素 H 、の、 2個 、
  と、からなる、  NH2 、な、 
 
「  アミノ基  」   、と、 よばれる、
  原子団  、  と、
  
   カルボン酸   、  という、   
  酸の基礎になる、   
 
    炭素 C 、 1個 、へ、
   酸素 O 、 の、 2個 、と、 水素 H 、の、1個 、
  とが、  結び付いてある、  
    COOH  、 な、
 
  「  カルボキシル基  」
、  と、 よばれる、   原子団 、との、
 
   両者をもつことを、 特徴とする、
  化合物ら 、 への、 呼び名 、 である。



    アミノ酸たちの中には、
  アミノ基を、 2個をもつものも、
 カルボキシル基を、2個をもつ物も、ある。
 

     フランスのブラコンノーは、
  1818年 、  ゼラチンを、 うすい硫酸で、
 煮てみた。

     そして、  これを、   
  他の原子や分子らから、  
  電子強盗を働く、 原子や分子らへ、
   負電荷な、 電子を、 くれてやる、 性質のある、
  塩基  、  の、   液体に成ってあるもの、 である、
  『  アルカリ  』  、 で、
   中和すると、
   甘い味のする物質が、でてきた。

    彼は、  これに、  「  グリシン  」  、
  という、 名前をつけた。

     グリ 、は、  “甘い”、 ことを意味する。

     グリシン  、は、
   アミノ基の1個、 と、
  カルボキシル基の1個 、とをもつ、
  化合物であるから、
   まさしく、    アミノ酸たちの1つ、
  ということになる。
 
 
    ブラコンノーはまた、
 筋肉や羊毛を分解した液から、
 結晶をとりだすことに成功した。

    このものは、   色が白かったので、
  彼は、 これを、  「  ロイシン  」  、
 と、  呼ぶことにした。

     ロイシン   、   という名は、
   ロイコ  (   白い   ) 、    という、
  言葉からでている。

 
    その一方で、   ドイツのリービッヒは、
  チーズから、  「  チロシン   」、 
  を抽出した。

   ロイシン 、も、 チロシン 、も、
   アミノ基の1個、に、
  カルボキシル基の1個をもつ、
  アミノ酸である。
 
 
    アミノ酸に、色々な種類のあることが、
 わかると、
   多くの化学者たちが、
 その方面の研究にのりだした。

   1886年、  シュルツェは、
  発芽した種子から、 「   アルギニン   」
  、を、    ドレクゼルも、 
  やはり、 発芽した種子から、
  「  リジン  」、と、 「  ヒスチジン  」 、
 を、
  1906年には、   ホプキンズが、
 牛乳から、  「  トリプトファン  」 、
を発見した。
 
   アミノ酸とタンパク質との関係を大局的に見たのは、
  ドイツのエミール・フィッシャーである。
 
   1902年、   彼は、  
  多くのアミノ酸たちの各々を分離する方法を発見し、
 その種類や量を推定する方法を開発した。

    そして、  アミノ酸の数百個を結合したものが、
  タンパク質   、 であり、
  数十個を結合したものが、
 「  ペプトン  」  、 であろう、 と、いった。
 
   そしてまた、彼は、
  アミノ酸の、 2分子から、 1分子の水   ≒
    H2O   、 が、 とれて、
 縮合した形の分子を、
  「  ペプチド  」   、 と名づけた。


   さらに、 このような縮合を 、
  「  ペプチド  結合  」  、 と名づけた。

 
   多くのアミノ酸たちが、つぎつぎと、
  ペプチド結合をして、つくった、
  鎖状分子  、を、  タンパク質の実体である、
  とした。

   これを、  「  ポリ・ペプチド  」  、 という。

  ポリは、 “多数”  、 を意味する。
 

   ポリペプチドは、  分子量が、 
  1万2千  、 ないし、  数百万  、 という、
  高分子   、 である。


   分子量が、 1万以下のものは、
  「  ペプチド  」  、 と呼ばれている。


  
  ☆  【  生体における、 タンパク質の役割  】 ;

 
  タンパク質は、  三大栄養素らの1つとして、
  我々が、 ぜひとも、 口に入れなければならない、
 物質  、 である。

  ところが、  その実体は、
  ポリペプチド  、 であって、
  アミノ酸たちの鎖に、ほかならない。
 
   一方で、  我々の体も、 
  タンパク質で、できている。

   これも、 やはり、 ポリペプチド  、である。

   アミノ酸たちの長い長い鎖である。


   われわれの消化管にはいった、
  ポリ・ペプチド  、は、
  タンパク消化酵素によって、
  その鎖が、切れる。

    
   先に、 「  ペプトン  」 、  という、
  言葉がでたが、
  これは、  タンパク質である、
  消化酵素  コウソ 、な、 
  ペプシン  、 の作用によって、切れた、
  ポリ・ペプチド  、 を意味する。

   ただし、  ペプトン  、はまだ、
  アミノ酸では、ない。

 
   タンパク質のペプチド結合が、
  のこらず、切れて、
  それが、 ばらばらな、アミノ酸になるまでには、
  ペプシン以外の消化酵素の登場を待たなければ、
  ならない。

   このあたりの事情は、
 けっして、単純ではなく、
  さまざまな手続きらを要する。


  まず、  ペプシン  、は、
  胃壁の分泌する胃液に、 ふくまれている。

   この消化酵素は、  
  何彼が、 電子強盗を働く度合いの強い、 
  『  強酸性  』 、 で、  よく働くので、
  胃のなかで、  
  タンパク質の、 ペプチド結合 、 を切る。

  
     このときに、
  胃壁からは、  ムチン  、も、分泌されるが、
  これは、  タンパク質である、 胃壁が、
  ペプシン  、 によって、 消化される、
  ことを防ぐのが、 役目である。
 

    さて、 胃の内容物が、
  十二指腸に、でてゆくと、
  それへの応答として、
  十二指腸の壁の粘膜から、
  2種のホルモンたちが、 分泌され、
  それが、 血潮らの中にはいる。

 
  この血液が、  膵臓  スイゾウ  、 に流れてゆくと、
  その刺激によって、
  膵臓の細胞から、 膵液  、が分泌されるが、
  この中に、 
  トリプシン  、への、 前駆物質な、
  トリプシノーゲン  、が、ふくまれている。

 
    トリプシノーゲン 、が、 
 十二指腸に流れこみ、 小腸に達すると、
  小腸の壁から分泌される、
  酵素  コウソ 、 の働きで、 その鎖が切れ、
  トリプシン  、 たちに変わる。
 

     その一方で、  
  胃の中の、  ペプシン 、 は、
  タンパク質の大部分を、
  ペプトン  、 または、
  プロテアーゼ  、 にまで、 分解するが、
  
   これらを、すべて
   アミノ酸  、たちの各々にまで、 分解するのが、
  トリプシン  、 を頂点とする、
  もろもろのタンパク分解酵素たちである。


   タンパク質をつくる、
  アミノ酸たちの鎖での、 
  ペプチド結合には、  それぞれに、
    くせ 、 がある。


   グルタミン酸、 と、 グルタミン酸との結合は、
   グルタミン酸 、と、 リジン  、 との結合とは、 
  くせ、 が、 違う  ❗。


   そのくせに応じた、
  切断作業員がいるわけだから、
  トリプシン  、 のほかに、
  キモ・トリプシン  、 があり、
  さらに、  ペプチダーゼ  、 という、
  接尾語のついた酵素が、 いくつも、でてきて、
  それぞれに、 役割をはたすのだ。
 

    こうして、 
  ばらばらにちぎれた、 アミノ酸 、 たちが、
  小腸の壁において、 血液に吸収される。


   ただし、  
  ペプチドの形のものも、 ある程度は、
  小腸の壁から、 そのまま、吸収される。

     
    タンパク・ホルモン 、や、 
  消炎酵素 、などを、  口 、から、とる場合は、
  そのような、目こぼしをあてにするわけだ。
 

    糖尿病患者に投与される、 インシュリン  、は、
    タンパク・ホルモン  、 である。


   これを、服用するのでなく、
  注射するのは、
 消化管内での、 分解が、 予想される、
  からに、 ほかならない。
 

 
   ☆  【  消化システムと消化過程  】 ;


  ペプチド 、 または、 ポリペプチド 、 を、
  より、 消化させずに、 血の中に、とりこむ、 
  目的で、 口に入れるときは、
  空腹な時が、 よいだろう。
  
 
   食物を口に入れる場合には、  まず、
  唾液が、 これを迎える。

  これの分泌は、 
  神経からの支配をうけるものであって、
  食物を見たり、かいだり、
 それについて、考えたりする、
  ことが、  引き金となる。

 
    大脳皮質から、 この刺激に、
  フィードバックする、 信号がでて、
  それが、 延髄にくる。

  そして、  唾液分泌中枢が賦活されて、
  唾液の分泌を実現するのである。


   このシステムから考えると、
  タンパク・ホルモン、や、 消炎酵素 、などの、
  錠剤の場合においては、
  十分な唾液のでることは、 予想しにくい。

   第一に、  唾液のなかに、
  タンパク消化酵素は、 存在しない  ❗。
 

   タンパク質が、 胃にはいると、
 それが、 胃壁を刺激し、
  「  ガストリン  」  、  という名の、
  ホルモン  、 を分泌させる。

   それが、 血液に吸収され、
  その血液が、 胃腺を刺激して、
  ペプシン 、 をふくむ、 胃液の分泌となる。


   タンパク質は、 小腸にいっても、
  その粘膜に働いて、 
  ガストリン  、 を分泌させ、
 これを、 血潮らの中に、送りこむのである。


   この過程を考えると、
  食物としての魅力のない、
  タンパク質の錠剤も、
  ペプシンの目をのがれることは、
  容易でないだろう。

  
    もし、 これが、 
  食事の後だったりすれば、
  大量のペプシン  、 達が、 すでにある、
  わけだから、
  せっかくの錠剤も、 巻きぞえを食って、
  分解される危険性が、大きいはずだ ❗ 。


   トリプシン  、の、 
  フィードバック・システムについては、
  すでに、 述べたところであるが、
  とにかく、 消化機構は、
  抜け目のないものであるから、
  タンパク・ ホルモン  、でも、
   タンパク質である、  酵素  コウソ  、でも、
  そのままの形で、
  血潮らの中に、とりこむことを望んだ場合には、
  目的を達するのは、 ごく微量  、 
 と、 覚悟すべきであろう。


  これは、 もちろん、
  成人についての話であるが、
 この巧みなフィードバック・システムが、
  完成するまでには、 相当な時間がかかる。

   
  ということは、
  新生児の場合においては、
  タンパク質は、 
  アミノ酸  、たちにまで、分解される、
  ことを、 無しに、 吸収される、
  ことを意味する。

   母乳を飲めば、
  その、 タンパク質たち、 は、  
  そのまま、 血の中にはいる。

   だから、  やたらな、 
  タンパク質を与えては、ならないわけだ。
 

    子供には、  母親のもつ抗体が存在する、
  と、 いわれるが、
  これも、  消化機能が、 未完成のあいだに、
  母乳から、供給されるものであろう。 


   抗体もまた、 タンパク質だから 、 である。
 

   我々の口からはいった、 タンパク質 、たちは、
  原則として、 大部分が、 
  アミノ酸  、たちの各々にまで、 分解され、
  腸の壁から、 血液にはいる。

 
    そして、  「  門脈  」  、 という名の、
  太い血管をとおって、
  肝臓にたどりつく。

   肝臓は、  それを、
  自分自身の組織タンパクに同化する一方で、
  血清 タンパク  、 を合成する。
 
 
   あまった、 アミノ酸  、たちは、
  そのまま、  肝臓をはなれ、
  血の中の、 アミノ酸として、 全身をめぐる。
 

    そして、 その一部らは、
  窒素 N 、の、1個 、と、  水素 H 、の、 2個 、  
  と、 からなる、  
   『  アミノ基  』  、 を、 うばわれて、
  糖質 、や、脂質 、 となり、  あるいは、
  エネルギー化するのである。


   【   三石巌 高タンパク健康法(絶版)
   P47~56   より抜粋   】

元記事は、こちら
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