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しゅとらんとしゅとらーせ/iD

おでかけ×アイドル。MVロケ地巡りの記事はテーマ「ロケ地巡り」に集約しています。
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以前わが軍ことSTU48に、磯貝花音という子が在籍していた。

僕と同じ愛知県出身で親近感もあったメンバーだったが、その彼女の好きな言葉が

「置かれた場所で咲きなさい」

というものだった。確か誰かの本のタイトルだったと思う。

 

つい先ほど終了した乃木坂46・大園桃子さんの卒業セレモニーを見ているとき、この言葉がずっと頭をよぎっていた。

 

というわけで、本日8月22日は「乃木坂46 真夏の全国ツアー2021 福岡 day2 大園桃子卒業セレモニー」が福岡のマリンメッセで開催された。

僕は21・22日に休み希望を取ってSTU48の夏ツアーに行く気まんまんだったが、両日とも全て落選し、結局STUの夏ツアーにはファイナル以外行くことは叶わなかった。

それはさておき、21日はシフトが入れ替わって出勤になったけど今日22日は休みのままだったので、3900円で視聴チケットを購入し、配信を見ることにした。

 

 

3期生加入当時はその頃通ってた地下アイドルの推しが岩手出身だったので、東北宮城出身の久保ちゃんが気になっていたけど(というか見た目にも好みだった)、大園さんも割と当初から好きなメンバーの一人だった。

(というか以下桃子でいいですか??)

 

ただ、確かに加入当初からよく泣いてたし、ネガティブの引っ込み思案みたいな子だったし、まあヲタクがイライラするのも分からなくもないか、っていう感じだったのは否めない。

そりゃこんなサジェストも出てくるわ。こんなのが見えたら自分なら自殺するレベルだ。

 

それでも、彼女は大きく成長した。

 

そして卒業発表があったのは先月7月4日。卒業日は2021年9月4日。

いっときの活動休止を経て、加入から満5年後の加入日を以って卒業をすることになる。

 

 

正直なことを言うと、以前(2016年頃まで)に比べると乃木坂はそこまで情報を追いかけることはなくなっていた。

アンダーライブなんかは最初期から入ってるぐらいだったのに。

ただ、テレビ番組なんかは見ていたので、首の皮一枚で繋がってた感じ。

 

だから、今日のライブでも言ってたけど、桃子が乃木坂に対して何も知らずに入ったというのは、全然知らなかった。

あ、なりたくてなったわけじゃないんだ、って。

そりゃつらいだろうな、やりたいことやってるわけじゃないんだから。

 

 

彼女が過去よく涙していたのは、よく見ている。ネガティブなのもわかる。

でも、アイドルはやりたくてやってるというわけではない。

それなのに大人は彼女をセンターに据え、表舞台に否応なく立たせる。

冷静に考えれば、すぐ泣いたり逃げ出したくなるのは当然のプレッシャーだろう。

 

熱量は落ちたとはいえ、僕は乃木坂が結構好きだ。

ビジュアルもいいし、何より楽曲群が48Gよりも好みな曲ばかり。

 

だから、桃子が乃木坂も悪くないと思えて、乃木坂を好きになってくれて、好きなままで卒業してくれたことはこの上なく嬉しいことに思える。

 

真夏さんも言ってたけど、彼女ほど素直で純朴なアイドルはなかなか見たことがない。

鹿児島の田舎育ちの無垢な少女が、東京に出てアイドルという未知の仕事をしていく。

そこには、きっと僕らが思うよりもはるかにつらいことが、たくさんあっただろう。

 

それでも、今日の桃子は楽しそうだった。

以前のように過剰なまでにネガティブで自分ばかり責める桃子は、そこには居なかった。

 

 

さて、大園桃子卒業セレモニーはアンコール後のことだった。

僕はずっと前から「三番目の風」のサビでヘイヘイってするやつを、ライブでずっとやりたくて仕方なかった。

 

乃木坂のライブを最後に見たのは2019年5月の横浜アリーナでのアンダーライブだった。

いつかまた乃木坂のライブに行こうと思ってたのに、感染症禍になってしまい、桃子は卒業することになった。

だから、今日の「三番目の風」は、配信とはいえ自分が観る最初で最後のライブとなるのだ。

 

 

アンコール直後、「三番目の風」が始まってからというものの、僕はもうめちゃくちゃ泣いていた、、、

しかも、次の「思い出ファースト」の後は僕の好きな「やさしさとは」「孤独な青空」と来たのだから、このセトリで泣き崩れない方がおかしい。

 

その後「転がった鐘~」「乃木坂の詩」でオーラス・・・と思いきや、なんとメンバー発動のダブルアンコール。

 

 

何やるんだろう、ガルルでもやんのかなと思ったら、なんとまさかの二度目の「逃げ水」、、、

神かよ、、、また崩れ落ちたわ、、、

 

そしてここでライブは終了した。

僕は、なんだか色々思うことができてしまい、今こうやって文章をしたためている。

 

 

桃子は、苦しんで、少し休んで、それでも最終的には置かれた場所で花を咲かせた。

鹿児島の田舎から出てきた彼女の労苦を想うと、涙なしにはこのライブは見られなかった。

そして、最後に花を咲かせた桃子は、とても輝いていて、満足しているようだった。

 

よくここで咲いてくれたね。咲いてくれてありがとうね。

 

 

実は僕、昨年2020年9月に当時住んでた愛知県から宮崎・鹿児島へ旅行をしていて。

その際に、桃子の故郷である鹿児島県曽於(そお)市にも訪問した。

桃子が曽於市のyoutubePR動画に出演して市内の名所などを紹介していたので、そこに訪れたりしていた。

(そして恥ずかしい自撮り)

 

要するに、こういうことをする程度には桃子のことが好きだった。

 


人間、誰もが全て自分のやりたいようにやれるわけではない。

むしろ、自分のやりたいようにできないこと、自分の意思ではないものに動かされて、今の位置にいることのほうが多いかもしれない。


その自分の意思が介在しない場所でどうするかによって、人間の真価は問われる。

そして、桃子の真価は発揮されたのだ。

先輩が勝手に応募したオーディションを受け、進んで行った茨の道のその先、乃木坂46というアイドルグループの中で。


そんな彼女だからこそ、メンバーみんなが労いの言葉をかけていたのだろう。


 

9月4日で、桃子は乃木坂46を卒業し、芸能界も引退する。

僕は、芸能界に残らなくてよかったと思った。

だって、咲いた花が枯れることなくずっと思い出の中で生き続けるから。

 

僕は大園桃子という花を、ずっと忘れることはない。

 

世界のどこかで、幸せに過ごしてね。

5年掛けて乃木坂になってくれて、ありがとう。

最近、Twitterで東京生まれ東京育ちの20代後半が地方に異動して地獄を見てる…みたいな記事を読んだ。

 

そんな僕は逆に先日5日、アイドルグループ・=LOVEのライブを見に東京…ではないけど首都圏の大宮へと足を運んだ。

愛知から東へ向かったのは今年3月以来だったけど、ここ数年は東へ向かう回数もあまりなくなった。

 

 

僕は2011年3月1日から2017年8月31日まで、千葉県の松戸市に住んでいた。きっかけは「アイドルが見たい」というだけの、至ってばかばかしいものだった。

ただ、その時の僕からしてみれば、新しい環境になるのであればどこでもよかったのかもしれない。

2年付き合って2009年秋に別れた彼女を、当時まだ引きずっていたから。

 

20代後半の2010年頃からアイドル現場に通うことを覚えた僕は、結構愛知から東京に遠征することが多くなっていた。

「東京って楽しい」

僕がそう思うようになるまで、そんなに時間はかからなかった。

 

当時、千葉県柏市に仲のいい高校時代の友人が住んでいて、東京に行くたびにちょくちょく会っていた。

一度泊まらせてもらったことがあったのだけど、その時に僕が「関東はいいなぁ」なんて話をこぼしたら、「じゃあ来ればいいじゃん」って言われた。

 

 

僕は愛知県東部の田舎のほうで生まれ育った。

田舎特有のムラ社会的な空気感はありつつも、名古屋も近いし鉄道も充実している。新幹線も割と気軽に乗れる。車があれば生活に困らない。

要するに、愛知県は住むのに特に不便の無い場所だった。

 

そして、僕は愛知県から一生出ることはないんだと漠然と思っていた。正確に言うと、愛知県の外に出る選択肢を考えたことがなかった。

友人に「関東に来ればいいじゃん」と言われて、ようやくそれに気づいた。

 

これは日付まで未だによく覚えているんだけど、その翌日、2010年12月15日。

乗り鉄がてら京葉線に乗った時、荒川を渡る鉄橋の上から東京湾が見えた。

 

太陽の光を反射して輝く海の景色を見て「東京も悪くないかも」と思った。

その時、ようやく僕に「愛知県を出る」という選択肢が生まれた。

 

その後の行動は早かった。

結果的に2011年3月1日付けで千葉県松戸市民になった。

思い立ったが吉日だ。

 

 

それから6年数か月、「アイドルが見たい」という移住の目的は最後まで消えることがなかった。

本気で推していたグループが解散して1年が経ち、やり切ったという気持ちと共に2017年夏で愛知へ帰った。

 

東京には何でもある。

平日昼間だろうと、人はそこら中に居る。

電車でフラっとどこかに行けば、誰かと会い、何かを見つける。

常に新しい刺激に満ち満ちている。

それが逆に居心地がいい。

 

東京生まれの東京育ちが地方に住みたくないというのも、首都圏に住んでみて理解した。

最初からそこに居たのであれば、僕も外には出たくなかったかもしれない。

 

しかし僕は愛知県の田舎で生まれ育った。

だから田舎の良いところ悪いところ、東京の良いところ悪い所もわきまえている。

 

 

何が言いたいのかというと、結局人はその生まれ育った場所を基準にして、自分の住む場所を判断するしかない。

外に出たから知ることができた世界がある。それでいいじゃないか。

 

年齢を重ねれば意見が変わることもある。

世界が状況に無理やり介入してくることもある。

今自分がどこに住んで何をしたいか、どうしたいか。それに全て拠るだけだ。

 

 

そして今の僕はどうしたいかというと、「瀬戸内海が見える場所で死にたい」と考えている。具体的に言うと広島県を終の棲家にしたいと思っている。

もちろんこれも今通っているアイドル・STU48の影響を受けてのことだが、至って本気だ。

 

生きる目的みたいなものを未だ持ち得ていない僕だけど、せめて死に様だけはブレることなく選びたい。

ゴール地点とも言える「死」のことを考えた時、今すべきことは見えてくる気がする。

 

 

愛知県は生まれ故郷ではあるけど、今もあまり好きじゃない。

東京は割と嫌いじゃないけど、住みたい町かと言われれば、そこまで住みたいとは思えない。

エンターテインメントを楽しみに行く場所でいい。

そして早く瀬戸内に行きたい。

 

僕はこれからも、東海道・山陽新幹線のように日本を東西に行ったり来たりするだろう。

 

「突き進めば"希望-のぞみ-"はかなう」