フランキー・デットーリが帰ってきた。
昨年暮れ、薬物使用疑惑が発覚し、6カ月の騎乗停止処分。
長年、蜜月関係にあったゴドルフィンとの優先騎乗契約も打ち切られた。
今年7月、ドバイで彼に会った際には珍しく愚痴をこぼしていた。
「ゴドルフィンと契約が切れて、なかなか良い馬が回ってこなくなった」
しかし、その直後。カタールの王族との新たな契約が結ばれた。
王族はディアヌ賞(フランス版オークス)を制したトレヴをトレードで獲得。
凱旋門賞でデットーリが同馬に騎乗することになった。
オルフェーヴルとキズナが前哨戦を勝ったのと同じ日、
同じロンシャンの2400メートルで牝馬だけによるG1・ヴェルメイユ賞が行われた。
ここで初めてトレヴとコンビを組んだデットーリはこのレースを快勝してみせたのだ。
「フランスに駆けつけて調教にもまたがった。
その時に、成績通りの良い馬であることは分かったけど、
それが間違いないことをあらためて証明できた」
デットーリは満面の笑みでそう語った。
日本馬2頭、すなわちオルフェーヴルとキズナについて尋ねると、
一言だけ返ってきた。
「日本馬の強さは痛いほど分かっている」
ファンタスティックライトでドバイシーマクラシックを2着した時も、
エクラールで香港ヴァーズを2着した際も、勝ったのは武豊が乗る
日本のステイゴールドだった。
デットーリが
「痛いほど分かっている」
というのもうなずける。
「特にオルフェーヴルは世界でも通用どころか上位の馬であることは、
昨年すでに分かっていたこと」
こう補足した後
「でも」
と続けた。
「トレヴも本当に素晴らしい馬。
彼女は凱旋門賞を勝つ資格を持った馬だと信じているよ」
帰ってきた世界一の名手と無敗の牝馬のコンビは、
日本勢にとっても越えなければいけない存在となりそうだ。
日本馬2頭のライバルは彼女かもしれない。
ランフランコ・デットーリ
1970年12月15日イタリア生まれの42歳
94年からドバイの競走馬法人ゴドルフィンの主戦を務め
その後18年間でG1・110勝をゴドルフィンとともに挙げる
JRA初騎乗は91年ジャパンCデーの900万下で8着
JC3勝
日本では84戦18勝
昨年の凱旋門賞デーに抜き打ちで行われたドーピング検査で陽性反応
今年5月19日まで6カ月の騎乗停止となった
復帰後、カタールのジョアン殿下と主戦契約を結んだ。
【スポニチアネックス】