2日目の15番パー5でドロップポイントの誤りから失格騒動にまで発展した
タイガー・ウッズ(米国)。
ウッズは3打目を池に落とし元の位置からの打ち直しを選択したものの、
約2ヤード左後方にドロップしてプレーを続行。
本来ならば誤所からのプレーにより2罰打を加えなければならないが、
そのままスコアカー
ドに署名をして提出した。
マスターズ委員会はテレビ視聴者からの指摘を受けて、
翌日になってウッズを呼び出して協議。
結果、2罰打を加えてトータル1アンダーの19位タイからスタートさせるという裁定を下した。
罰打を加えずにスコアカードを提出したことで、
本来ならば過少申告により失格となるはずだったが、ペナルティは2罰打のみ。
これには米メディアも「前代未聞のタイガー・ルールだ」などと批判的な論調を展開した。
だが、ウッズ自身はこの日のホールアウト後自らのミスを認めた上で
「明らかにハリントン・ルールだと思う」
と今回の裁定について口を開いた。
ウッズを失格から救ったのは、ゴルフ規則33-7/4.5にあたる
“正当な措置と判断したときは、例外的な事例に限って、個々に、
競技失格の罰を免除したり修正することができる”
というルール。
2011年に新規追加された比較的新しいもので、
このルールが追加される1つの要因となったのが、
ウッズが口にした“ハリントン事件”だった。
2011年の「アブダビHSBCゴルフ選手権」2日目。
パドレイグ・ハリントン(アイルランド)がグリーン上でマーカーを置く際に
ボールにわずかに触れて動いてしまったことが、テレビ視聴者からの“通報”によって
判明した。
動いたのはディンプル何個分かという世界だったが、
高画質になったテレビにははっきり映っており、
スコアカード提出後だったためにハリントンは過少申告により失格となった。
しかし、テレビ中継によく映る有名選手だけがこのように視聴者からの通報で
失格になるのは公平性に欠くなどの論争も巻き起こり、
R&AとUSGAは
「選手自身がルール違反に気付かず、そのままスコアカードを提出しても
自動的に失格となることは免れる」
という新ルールを制定。
2011年にゴルフ規則
33-7として追加した。
この経緯からウッズは今回の裁定を「ハリントン・ルール」と表現したのだ。
今回の裁定はあくまでこのゴルフ規則33-7というルールにのっとってのもの。
それがマスターズ委員会が最後まで貫いた建前だ。
だが委員会の本音は
「はっきりどっちがいいとは言えないけど、
ぼくがファンならタイガーがいたほうが盛り上がると思う(笑)」
と語った石川遼と同じものだったようにも思う。
ハリントン・ルールでもタイガー・ルールでもいいから、
オーガスタでウッズのプレーが見たい。
委員会の裁定はどこまでもパトロンと世界中のファンに寄り添ったものだった。
それはこの日ウッズに送られた多くの声援が証明している。
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