■安定したショット
初日に今季自己ベストタイの65で首位に躍り出た宮里美香。「納得のいくショットが打てたし、パットもよかった」と納得の表情を浮かべていた。部門別で 1位のフェアウエーキープ率は、2度フェアウエーを外しただけ。パーオン率も1度だけグリーンを捉えきれなかった。好調なショットに支えられ、課題だった パットも2週間のオープンウイークの間にしっかり修正され、この大会では優勝を後押しした。
米ツアーで9度の優勝を数える宮里藍との差について、常々「パッティング」と痛感していた宮里美香は、この間を利用して コーチのラリー・マーシャルと パッティングのルーティーン(決まり事)の見直しを図っていた。構えたときに右を向く癖があると指摘されたため、両手でクラブを握ってからアドレスに入る ように変えたという。これによって「いいフィーリングになった」と手応えを口にした。
実際、初日には5番(パー3)で8メートルを沈めてバーディーを奪っている。そして、好調なショットがピンに絡み、9番から4連続バーディーとスコアを伸ばした。
■藍のエールが後押し
最近6試合で10位内が5度と好調なゴルフを展開していた。2日目には、1度もフェアウエーを外さず、パーオンも18ホール中16度と絶好調。惜しむら くは、チャンスで課題のパットがカップに嫌われた。終盤の17番では2メートル、18番(ともにパー4)では1メートルのバーディーパットを決めきれな かった。
「バーディーチャンスがたくさんある中、パットがカップに蹴られることもあって、なかなか決まらなかった」と振り返った。それでも「よく耐えられたと思う」と首位をキープしたことを喜び、「最終日は伸ばすことが大事。まだ上を見て伸ばしたい」と最終日を見据えた。
そして迎えた最終日。米ツアーの先輩である宮里藍は「この1カ月ずっと頑張っている。私も勝つまでずっとトップテンが続いていた」と自らの初優勝を重ねながら「意識しないで、いつもの攻めるゴルフができれば大丈夫」とエールを送った。
■神様がついていた?
1番(パー4)で10メートル近いバーディーパットが30センチショートしたが、グリーンのフィーリングは合っていた。6番(パー4)では第2打がカッ プ左に蹴られる絶妙なショットでバーディー。8番(パー5)ではピン2メートルにつけてバーディーと、ショット、パットがかみ合って順調に優勝への道程を 進んでいるかに見えた。
ところが、2位に3打差をつけて迎えた10番で、アプローチをミスしボギーとした。「10番では、ここでしっかりバーディーを取りたい、という気持ちが 出てボギーにしてしまった」という。嫌なムードになりかけての11番(パー3)。第1打は右に曲げ、球はクリークの斜面に跳ねてグリーン右手前のラフに。 2打目のアプローチもミスし、グリーンの下り傾斜で球が転げ落ち、ピン8メートルのパーパットが残した。これをしっかりと打ち切り、ピンチをしのいだ。 「運があった。神様がついていてくれたのかな。あれが大きかった」と振り返り、優勝の潮目を失うことはなかった。
16番(パー3)でピン2メートルを決められなかったが、214ヤードの17番(パー4)でグリーン手前花道から絶妙なアプローチでピン2メートルに寄せてバーディーとして、2位に2打差をつける通算13アンダーとし、ほぼ優勝を掌中にした。
そして、最終18番(パー4)。宮里藍やジュニア時代からしのぎを削った仲の良いヤニ・ツェン(台湾)らがグリーン傍らで待っていた。そのグリーン奥の ラフからピン30センチにつけ「すごく手が震えた」という優勝パットを決めると右拳を突き上げて喜んだ。すると「信じられないのと、うれしさが交ざって」 涙があふれた。「遅いスタートだから、もういない」と思っていた宮里藍、上田桃子らが飛び込んできて、水をかけての祝福を受けた。
■課題克服で新たな記録に挑戦へ
昨季も「優勝」を目標に掲げて米ツアーを戦ってきたが、「達成できなかったこと」が大きかったと振り返っていた。ただ「シーズンを通してねすごく安定し た成績を残すことができたし、去年に比べて自分のゴルフに自信を持てたし、技術も上がったところもあった」という。そして、今季は昨季達成できなかったこ とを「達成したい」と語っていた。
そのため、使用クラブをジュニア時代から慣れ親しんだメーカーに変えて心機一転を期した。さらに「日本にいた時は考えたこともなかった」多彩な技を習 得。アイアンは同じ番手で3段階に距離を打ち分け、パンチショットやフェードもようやく使いこなせるようになったという。さらに、メンタルコーチに 「100%を信じて打つこと」と教えられ、「100」という数字をグローブに書いてラウンド中に見て思い出しながらプレーしている。その努力が功を奏した 格好だ。
自ら高みに至る努力は今後も絶え間なく続けるのは間違いない。その比率は、課題のパットに高くそそげば「もっともっと勝てるように頑張る」という意気込みは現実なものとなりうるだろう。
部門別データでは、フェアウエーキープ率は84・9%で1位、ショットの正確性を示すパーオン率は73・3%で4位と、ストロークの精度の高さをみせて いる。その半面、平均パット数は29・97で53位。ショットに反して、精度を欠くことは数値が如実に明かしている。克服すべき課題は自らも十二分に承知 している。今回の完全優勝が「すごく自信になった」と話している。その自信を深めるために課題を克服して、岡本綾子の持つ日本女子選手最多の海外18勝を 上回る勝ち星の更新に精進してほしいところだ。
【産経新聞】
CNカナディアン女子オープン2日目
アマチュアのL・コーが首位タイに
| 1T | -8 | @Lydia Ko |
| 1T | -8 | クレア チョイ |
| 3T | -5 | チェ ナヨン |
| 3T | -5 | 朴 仁妃 |
| 3T | -5 | アンジェラ スタンフォード |
| 3T | -5 | モイラ ダン |
| 7T | -4 | ビッキー ハースト |
| 7T | -4 | 申 智愛 |
| 7T | -4 | スーザン ペターセン |
| 10T | -3 | ヤニ ツェン |
| 10T | -3 | テイラー コントゥ |
| 10T | -3 | ジェニー シン |
| 10T | -3 | ブリタニー ラング |
| 14T | -2 | 宮里 美香 |
| 19T | -1 | 張替 美那 |
上田桃子 +5 金子 絢香+6 宮里藍+6 ともに予選落ち
【スポーツナビ】