前回の続きです。
さて、
モロッコの食べものはaphrodisiacと言った男性が、どういう意味でこの英単語を用いたのかは、ハッキリとはわからない。
若者が、「モロッコの食べものは媚薬みたいなもんなんだぜぃ」と言っている映像だけ観ると、どこかふざけた話に聞こえるかもしれない。
でも実はこれ、あながちデタラメでもないんではないかと思う。
なぜなら、わたしもどこか感じていたことだから。
といっても、
タジンやクスクスを食べたら、なんだかムラムラしてきた
なんて経験があるわけではないけれど(笑)
なんというか、からだの隅々の細胞まで栄養が行き渡り、腹の底から生命力がみなぎる感覚。
タジンやクスクスはもちろん、ベルベルオムレツや豆のスープも、焼きたてのパンも、街角で売られているクレープも。
食べた後には、じわ〜と内臓が温まり、どんな疲れもふっとんで元気になるような気がする。
なので、これを聞いたときは「ああ、なるほどね!」となんだか納得した。
ミント、コリアンダー、イタリアンパセリなどのハーブとスパイスの香り
小麦やセモリナ粉をはじめとする
穀物の香ばしさ
肥沃な大地に育まれた
オリーブオイルの旨味と香り
太陽をたっぷり浴びた
味の濃い野菜の旨味
ぎゅぎゅっと凝縮された
ドライフルーツや果物の甘味
あらゆる素材がもつ香り、旨味、甘味がかけ合わさって
さらに別次元のおいしさが生み出されていく。
だから、その味わいは、決して一言で表せるような単純明快なものではない。
しょっぱい
すっぱい
甘い
と、一言で形容できるものじゃない
色んな味が、幾重にも絡み合っている。
ここからはわたしの持論なのだけど、
味と栄養素には何かしら関連性があるのではないかと思っていて
単純な味のものには、少ない種類の栄養素が
複雑な味のものには、よりいろんな栄養素が、入っているような気がする。
甘いだけの砂糖より、しょっぱいだけの塩より、甘酸っぱくてほろ苦いオレンジのほうが、ミネラルやビタミンなどさまざまな栄養素を含んでいるように。
だから、
モロッコ料理はさまざな栄養素を含んでいる
=滋養強壮になる
=催淫作用をももたらす
と、考えることができるかもしれない。
モロッコにしばらく滞在して、毎日ローカルなごはんを食べていると、心身ともにエネルギーが満ち溢れて元気になっていくのを感じる。
もちろん、現地のゆったりとした時間の流れや、大らかな人びとの暮らしを体験することも元気の源。
モロッコのごはんには、生命パワーがつまってるのです。