モロッコの家庭でタジンを食べるタイミングは、ランチが多かったです。


工房で働く男たちのまかないランチのタジン。ほくほくのじゃがいもと大量のグリンピースの下には、骨までホロホロに煮込まれた鶏肉が。辛いパプリカが効いててスパイシー!


わたしが日本の自宅でタジンを作るのはら夜ごはんのことが多い。

それは、一緒に食べる相手がいるのが夜だからというだけで、本当はお昼に食べたいときもあります。

というのも、夜はなるべく軽く、消化のいいものを食べたいからです。

塊肉や油をしっかり使うタジンは、夜寝る前に食べるには重いと感じます。
(そして、タジンを食べるなら、ちょこっとではなくモリモリ食べたい!)



なーんて、思ってたけど



タジンの本場モロッコでは、夜遅くにタジンを囲むこともありました。
 
もちろん、毎回おいしくいただきました。

さすがに、深夜2時3時に羊肉とプルーンのタジンを出された時は、量はたくさん食べられませんでしたが笑い泣き

これは夜通し続く結婚パーティーの最中だったからであって、普段はこの時間はもちろんみんな寝ています。まぁ、モロッコのみなさん結構夜更かし好きなイメージですけど(笑)




タジンは、ランチでたべるもの

というより

誰かと一緒に食べるもの

かなぁって思います。



わたしの場合は、平日は一人でお昼ごはんを食べることが多いので、ランチで作ることはまずないのです。

どんなにタジンが好きでも、やっぱり誰かと一緒に食べたいから。

昨日は訳あって前日の夜ごはんのタジンが余ってしまったので、ランチに1人タジン。日本では初かも?


現地で食事をするときは、絨毯に座ってあぐらをかきながら、丸いちゃぶ台をみんなで囲んで

一つの大皿に盛り付けたものを、分け合って食べていた。

ふだんの生活で、テーブルと椅子の食事をしているときと比べると、隣の人との距離は、かなり近い。

とり皿はなく、みんなの食べるペースを見たりしながら、自分の前の部分からパンですくった野菜や肉を、口に運んでいく。

そうしているうちにいつのまにか、わたしの中で、タジンは、誰かと一緒に食べるものになっていった。

ときどきレストランなどで1人分のタジンを頼むこともあったけど

やっぱり家庭料理が好きだなぁと思うのは

単に味つけや調理法が違うから

ということだけではない、と思うのです。



タジンだけでなく、クスクスも、ほかの料理も、モロッコではみんなで大皿から分け合って食べる。

ひとりで食べてもおいしいけれど

みんなで食べると、もっとおいしいね。