使い込まれた調理器具を見ると、なんだか嬉しくなる。



一人で何役もこなしてきたんだろうなぁ。


と思うと、頼もしいかんじがして


「今日もひとつよろしくね!」


と話しかけたくなる。


パーツが壊れたり調子が悪くなったら、市場にある『なんでも修理屋さん』に持っていって直してもらう。

 
どの家庭でも、常備しているスパイスの種類は決して多くなくて。
 
ターメリック、ジンジャー、クミン、パプリカ2種(甘いのと辛いの)、ブラックペッパー。
 
これらのスパイスを料理によってさまざまに組み合わせることで、食材のおいしさを引き出しす。

伝統的なベルベル住居のキッチンは、自然光が入る気持ちの良い空間。

その日の昼食〜翌日の朝食までに食べるパンを焼く、お母さんと娘。


女の子は、こうして子どもの頃からお母さんのお手伝いをしながら、料理を覚える。

特に、パンを焼くのは女性の仕事。

粉をこねて生地を作り、寝かせて、成型して、焼く。

共同釜へ持って行くときは男性の職人が焼くけれど、生地を作るのは女性。


オーブンはガスで、四角い箱の中な火が灯ってる、というだけの究極にシンプルなつくり。(に見える)

こんな手作り感溢れるボックスから、あんなに美味しいパンが焼けるなんて、ちょっと信じられない。


 道具の数は決して多くない。


使う食材も、ごくシンプル。


なのに、モロッコ食卓は驚くほど豊かだと思う。


少なくとも、「たくさんのモノに囲まれることが豊か」では必ずしもないと、改めて感じる。



必要なものを必要なだけ持ち、大切に使う。

使い方を色々と工夫してみる。

自然の力を信じる。



本当の豊かさって何だろう?


台所でふと考える。