不時着英軍機救った佐渡の実話が映画化 「宮崎アニメ」抜く人気


 終戦翌年に新潟県の佐渡島に英軍機が不時着し、住民が再飛行を手助けした実話が映画化され、先行上映中の同県では、宮崎駿監督のアニメ「風立ちぬ」を抜く観客動員を記録した映画館もあるという。
地元を舞台にした作品に加え、5カ月前までは敵だった相手に手をさしのべた人間愛が共感を呼んでいるようで、10月からはいよいよ全国で上映される。(市川雄二)

 ■風立ちぬ上回る

 映画は「飛べ!ダコタ」(油谷誠至=あぶらたにせいじ=監督)。
ダコタとは英空軍機「ダグラスDC-3」の愛称で、同機整備士の息子が現地を訪問したのをきっかけに映画化が企画された。

 昭和21年1月14日、佐渡島北西部の高千(たかち)村(現佐渡市)の海岸に、中国・上海から東京に向かう途中、悪天候で要人を乗せたダコタが不時着。
映画では、英軍人8人と村人との40日間に及ぶ交流が描かれ、村民が言葉や文化の壁を乗り越えて彼らを救おうとする姿を追っている。
村長役に柄本明さん、その娘役を比嘉愛未(ひがまなみ)さんが演じている。

 ある新潟市の映画館では「風立ちぬ」を上回る動員を記録した日もあったといい、宣伝担当者は「佐渡の人も知らなかった心温まる実話が興味をひいたのでは」と話す。

 映画の脚本の助言をした元新聞記者、清水薫さん(83)が出版した「実録 ダコタ物語り」によると、実際には英総領事ら11人が搭乗していたという。

 不時着現場から70メートル先に住む佐渡市の田中ミチさん(88)は当時20歳で、低空で旋回するダコタを目撃した。
「大きな音がしたので家から出ると、砂煙が立ちこめていた」と話す田中さんは、破損した翼を特殊針で上手に縫えない軍人に手をさしのべた。
「英語が分からず、身ぶり手ぶりでやったけど、手を合わせて『サンキュー』と言ってくれた」と懐かしむ。

 ■彼らは紳士的

 村人たちは機体の引き上げから修理、海岸に長さ500メートル、幅50メートルの滑走路も作った。
清水さんは「滑走路用の石運びをした3千人のうち600人は子供たち。わら草履を履き、寒さで鼻水を垂らしながら指先に息を吹きかけて運んだ」と振り返る。
当時、警防団員だった山本一麿さん(90)も「鬼畜米英と憎んでいたが、彼らは紳士的で敵味方の気持ちにはならなかった」と話し、映画の完成を喜んだ。

 映画は10月5日から全国ロードショー公開される。


勉蔵と地底鳥獣ギーガのへっぽこ日記
映画「飛べ!ダコタ」の不時着シーン




msn産経ニュースより