6世紀 琵琶湖の西 蓮華谷という所に

クスノキの巨木があったという


あるとき大水で この巨木が琵琶湖に流れ出た


巨木が流れ着いた集落の人たちが

巨木を薪にしたりして切り出すと

病人がでたり 火事が起こったりして

集落がさまざまな災難に見舞われた。


その為 集落の人たちは 木の祟りとして

再び巨木を琵琶湖に流した


しかし、この巨木の流れ着く先々で災難が

起こる


そして 祟りがあるとして

長い間 巨木は持て余される事となった


ある日 この地を訪れた徳道上人という方が

それほど強い力のある霊木で仏様を

造ったら さぞ力のある仏様ができる

のでは無いだろうか と

ねんごろに供養したあとに、2人の仏師に

造像してもらったのが、長谷寺の

十一面観音菩薩様 とのことだ


今の観音様は、焼失後 造られた

復興像である



というのを美術誌で読んだ事がある



長い回廊を登った所に日本一大きな木造の

十一面観音菩薩様は、安置されている





今の観音様は 復興像であり

最初の観音様は もちろん

見たことがないのだけど

最初に造られた仏様は

緊張感に溢れていたのではないかと思う



そして 今の観音様も その緊張感を

受け継いでいるように思える


緊張感を醸し出しながら

慈悲深く救ってくださる


自分を守り飾る為のつまらない嘘や虚栄心は

実に無駄なものなのだ


仏様の前で 格好つける必要はない

いう 当たり前のことが

私の心を伸びやかにしてくれる


長谷寺の十一面観音菩薩様は 強い力を持ち

助けの手を差し伸べてくださる


なんと ありがたい観音様なのだろうか

と思ってしまう