今回はヨーロッパの民間伝承より、魚人族の「セルキー」です。
イギリスのスコットランドやアイルランドにて伝えられている、
海の伝説です。いわゆる人魚や半魚人の一種と思われます。
彼(彼女)らは海ではアザラシの皮を潜水服のように使って暮
らしているようです。なので海で人間がセルキーを見かけたと
しても、見た目がアザラシなので全然気づかれないんですね。
ただ地上に上がるときは、そのアザラシの皮を脱いで、ヒュー
マノイド(人間)型の姿になります。平たくいえば頭の上に皿の
ない河童のような姿でしょうか。ちなみに水掻きは両手両足に
あるようです。
ちなみにセルキーは美女やイケメンぞろいなので、もし人間と
出くわしてしまったら、たちまち人間を誘惑してしまうという宿
命ももっているようです。実際に人間の男が、偶然浜辺に上が
ってきた女セルキーの色香に惑わされ、セルキーの脱いだア
ザラシの皮を隠してしまい、セルキーを海に帰れなくしたという
伝承があるみたいです。そのあたりは日本の「天の羽衣伝説」
(あまのはごろもでんせつ)に酷似していて面白いところです。
海や空にロマンを抱くのは万国共通でしょうか。