今回は四国地方の妖怪から、「山じじい」です。
山じじいは四国に出没する妖怪で、主に高知県の山中に棲んでいるそうです。
目が一つしかなく、足も一本という姿をしていて、一見すばやく動けなさそうで
すが、イノシシやサル等を獲って食べるので、素早くピョンピョン跳ね回って追
いまわすのではないかと思われます。ちなみに言い伝えによっては一つ目の
巨人の姿をしていることもあるそうなので、和製の「サイクロプス」ともいえます
ね。でも一つ目小僧とかがいるのでカブってしまうか。
この妖怪の武器は「頑丈な歯」と「大きな声」でしょう。
その頑丈な歯で、捕まえた野生動物の骨を容易く噛み砕き、その大きな声の
音波で振動を起こし、岩や木などを動かすという一種の音響兵器というところ
でしょうか。音響兵器というと、昔に大きなラッパのような装置で敵の飛行機
のエンジン音を聞き取って、空襲を事前にキャッチするというものがあったそ
うですが、山じじいの声はそれ自体が武器のようですね。
この妖怪は「大声勝負」をするために、人間の前に姿を現すことがあるみたい
です。負けた人間はガブリとやられるんでしょうか。
こんな山じじいですが、弱点は人間に騙されやすいことでしょうか。
お茶と間違えて油を飲んだり、餅と間違えて石を食べたりした例があるそう
なので、もし山じじいに出会った人は、いったん焦る気持ちをクールダウンして
頭脳戦を仕掛けてみましょう。