今回は、ネコの妖怪の猫又(ねこまた)です。
ネコの妖怪の歴史は古く、鎌倉時代からその記述があるそうです。
総じてネコの妖怪は、人を呪ったり化かしたり、食い殺したりとい
うマイナスイメージが多いようですね。中には手拭いを頭に巻いて
二本足で立って踊るというコミカルな個体もいるようですが。
化け猫で有名なお話はなんといっても”鍋島の化け猫騒動”です
ね。佐賀藩(現在の佐賀県)の殿様が、家臣を手討ちにして、悲し
みにくれた家臣の母親が、飼っていたネコに胸中を打ち明けたら
そのネコが化け猫になって、殿様を襲い、家臣の敵討ちをする
という物語です。このネコは最後には殿様の部下に退治されるの
ですが、何故かやっぱり殿様よりネコのほうに同情してしまうんで
すよね。カウボーイよりもインディアンのほうに感情移入してしま
うというか・・・・・・・・・・・
ちなみに年をとったネコの尻尾が二又に分かれるという話は
江戸時代になってからのようです。浮世絵にも結構描かれてい
ますしね。
最後に殺された化け猫さんの脳裏には、飼い主だった家臣や
その母親との楽しい生活の思い出が浮かんでいたのでしょうか。