離婚の爪跡
冬休み最後の週末。
南からの突風が吹き荒れた後、春らしい陽気になりました。日本では「春一番」と言うところでしょうが、フランスではこの様なお告げがありません。残念ながら。
快晴の日曜日、人出も多く売れ行きも順調でした。そこに現れた少年と母親。
4年前私がマルシェを始めた時、隣で花を売っていた女性です。味噌汁が大好物だったその少年は今は8才。味噌汁が目的で訪れてくれたそうですが、運悪く売れ切れでした。
『来週、取り寄せておくから』と提案したが
『来週はパパの家だから無理』と。
フランスの離婚に多い一週間交代で父親と母親の間を行き来する子ども。マルシェに来られるタイミングも毎週ではないのです。彼が再度訪れるまで味噌汁を一人前寄せて置くと約束しました。
一杯の味噌汁に垣間見た家族の事情でした。