きょうは大阪松竹座、七月大歌舞伎の千秋楽である。我らが愛之助丈を指導くださる

片岡仁左衛門丈が勤める義経千本桜・碇知盛を観たいが、名古屋住まいで遠征は

ままならず、NHK・Eテレ「古典芸能の招待」で録画した中村翫丈の映像を観るなど

している。観たい公演を我慢し、映像で観ることで我慢するのはオツなもので、今では

高麗屋親子の巡業で掛かってる幸四郎丈・猿之助丈の舞踊「色彩間苅豆かさね」が、

Youtubeで観られるので紹介しておく。松緑丈と壱太郎丈を観て、想像を重ねよう!

 すごく雰囲気よき恋人同士が…

https://www.youtube.com/?gl=JP&hl=ja

 

先日、午前の仕事をひと段落つけ、昼食休憩時に書店で歌舞伎の雑誌「演劇界」を

立ち読みし、片岡仁左衛門丈の七月大歌舞伎のインタビューを読んで、感じ入った。

職場に戻り、鳴った電話を取ったら、「タカオと申しますが…」と名乗るではないか!

 

片岡孝夫に戻る襲名かいっ! 

日常に散らばる歌舞伎な偶然に心ときめかせ、仁左衛門丈の碇知盛に思いを馳せた。

河内屋のおじさん三代目実川延若と、紀尾井町のおじさん二代目尾上松緑丈の型を

参考に、ご自身の型を作っていると松嶋屋は言う。本行重視の河内屋と、大きさや

格好よさの音羽屋の良いところを混ぜてるのだろう。延若丈は、碇を担いで登場し、

松緑丈は傘を差して花道を颯爽とやって来るそうで、仁左衛門丈は恰好良さを取り

傘をさして登場するのだそう。そりゃ贔屓衆はバリバリに格好良い松嶋屋を観たいぞ!

 

文楽の銀平は碇を担いで登場。延若丈は本行重視だ

 

 

碇で威嚇されては、船を出せとの無理難題もハネつけられる

 

颯爽と傘を開くさまは、人物の大きさや格好良さ全開だ

 

仁左衛門丈、格好良い!松嶋屋

 

こうすれば観られなくても、あたかも観たかのような錯覚を楽しめる。ぜひにオススメする。

さて、義経千本桜・碇知盛の、凄まじい映像をテレビで拝見してしまった。NHK・Eテレの

「にっぽんの芸能」で、歌舞伎解説者の高木秀樹さんが同時解説を交えて紹介する趣向で

数演目披露するなかの一本だ。こまかな演出を丁寧に解説して、「へぇ~!」と感心した。

 

なかでも、高木さんが仁左衛門丈から教えてもらったという「カニ見得」なる「見得の型」だ。

カニのごとく、真横に移動する立ち回りを見せるUSA型かと思うやもだが、さにあらず。 

DA PUMPのコレはカニ見得ではなく、インベーダー・フォーメーションです。

 

「カニ見得」とは?解説しよう!

碇知盛が荒武者4人に取り囲まれ

追い詰めると急に格好つけ出して

 

はるか宇宙の彼方へワープし

カニ見得のできあがり

 

 幕後は、かに道楽本店に直行!

 

番組では、二代目市川猿翁こと、三代目市川猿之助丈の碇知盛を紹介しており、

これが実に凄まじい迫力で、僕は三代目猿之助丈が碇知盛の最高峰だと感じた。

 

猿之助丈もカニ見得を披露

オリンピックも近いので「五輪見得」と名付けたい見得

 

凄い迫力の猿之助丈

 

柔らかな気品の秀太郎丈

 

中村翫丈の襲名の「碇知盛」の映像の、愛之助丈の父君・片岡秀太郎丈が勤める

源九郎判官義経も拝見し、僕は、いまの上方を代表するふたりの役者で観たくなった。

 

碇知盛:右團次

 義 経 :愛之助

 

とにかく三代目猿之助丈の台詞が迫力満点で凄まじいので、とにかく台詞が聴きたくて

猿之助丈の愛弟子である市川右團次丈に演ってもらいたい。右團次丈はブログで、

義経千本桜に登場する相模五郎を、拵えの順ぐり写真を並べて丁寧に紹介しており、

碇知盛を支えるグッジョブを披露してくれている。猿之助コピーと言われもしたそうだが、

いいじゃないか別に、猿之助歌舞伎の気迫を伝えてくれるのは右團次丈だと思う僕は、

 

右團次丈の碇知盛が観たい

愛之助丈がを添えて欲しい

 

猿之助丈の碇知盛には、愛之助丈に通ずる部分がある。知盛の瀕死の苦境を表すのに

仏倒れを演じているのだ

つんのめりに前方に倒れて

勢いよく地面に倒れこむ

 

これは、片岡愛之助丈が当たり役にしてる「義賢最期」の木曽義賢がクライマックスで

階段上から平舞台へと、前のめりに倒れ落ちる荒業を彷彿とさせる演出に通じている。

 

 

右團次丈と愛之助丈で「仏倒れ合戦」をして欲しい

 

さらに猿之助丈の碇知盛でビックリしたのは、さんざんに人を切りまくった知盛が

喉の渇きを癒すため、薙刀(なぎなた)に付着した鮮血を舐めるという

凄まじすぎる場面である

この場面も凄まじいがね

 刃物舐め二大演出

これは三谷幸喜監督の映画「ザ・マジックアワー」のワンシーンだ。三谷幸喜氏といえば

古畑任三郎の澤村藤十郎丈の回は凄かった

古美術商を営む春峯堂の主人を演ずる澤村藤十郎丈が古畑に語る台詞が凄かった!

 

古畑さん、あなたひとつ間違いを犯してますよ。あの時私には分かってました…

どっちが本物か。知っていて、敢えて本物で殴ったんです。用は何が大事で何が

大事でないかということです。なるほど、慶長の壷には確かに歴史があります。

しかし裏を返せばただの古い壷です。それにひきかえて、いまひとつは現代最高の

陶芸家が焼いた壺です。私1人を陥れるために、私1人のために、川北百漢は

あの壺を焼いたんです。それを考えれば、どちらを犠牲にするかは…

物の価値というのはそういうものなんですよ、古畑さん。

 

きょう大阪松竹座の七月大歌舞伎千秋楽で、関西・歌舞伎を愛する会結成四十周年記念で

「弥栄芝居賑 道頓堀芝居前の場」で、会結成の立役者である澤村藤十郎丈が登場する!

 

頑張れ!澤村藤十郎丈!

  紀伊国屋!

 

妻を起こす時間だ。アデュー!