しかし僕もしつこいが、四谷怪談との決着は平成のうちに、てな訳で、

今朝は二本、書くことを約束し、もう少し四谷怪談について、書こう。

 

現段階で発表の九月花形歌舞伎は、配役が少し残念なのだ。僕にはだが。

大人の事情でそうなのろうが、僕が望むのは以下のキャスティングなのだ。

 

伊右衛門:愛之助

  お 岩  :菊之助

与 茂 七 :菊之助

 小 平 : 菊之助

  直 助 : 中 車

 

こうである。尾上菊之助丈は、岳父・中村吉右衛門丈の「秀山祭」で九月は

歌舞伎座に出勤するのが愛娘・瓔子さんとの結婚後の通例とされる故に、

実現できぬ座組だ。僕は愛之助丈と七之助丈の組合せは、疑問に思うのだ。

 

いや、むしろ愛之助丈が役割を自身で捉えている「歌舞伎の発信」には、

僕のキャスティングの方が有利に働くはずだ。この三人を眺めると、判るよね?

 

そうです。『半沢直樹』と『下町ロケット』です。同じTBS系列「日曜劇場」です。

 

原作者:池井戸潤

 脚 本 :八津弘幸

 演 出 :福澤克雄

…の三つ巴で挑んだ現代ドラマの傑作!そこに梨園の役者が侵入した罠で、

ドラマファンを歌舞伎にゴッソリ捕まえてくる趣向にすべきなのです。でも秀山祭。

フジ(中村屋)、日テレ(海老蔵)、BSフジ(愛之助)、BS朝日(菊之助)と揃った、

歌舞伎役者密着連続ドキュメント番組に、地上波TBSにも果敢に参戦して頂き、

襲名時に地上波NHKが一度きり過程を捉えられた中車丈を、カメラで捉える

内容に仕上げて、香川照之と市川中車はTBSが「い・た・だ・き~!」にしよう。

 

もうひとつ言おう。そもそもこの企画は、八月納涼で演るべき四谷怪談をだね、

無理くり九月にもってくるのが間違っている。「四」を二倍にすると「八」だよね。

 

つまり、鶴屋南北の四谷怪談を南番と北番の二倍(ダブルキャスト)で演る、

それが、大南北とお岩様が浮かばれる演り方なのは、誰の目から見ても明白だ。

 

【南番】

伊右衛門:獅 童

  お 岩  :七之助

与 茂 七 :七之助

 小 平 : 七之助

  直 助 : 勘九郎

 

【北番】

伊右衛門:七之助

  お 岩  :勘九郎

与 茂 七 :勘九郎

 小 平 : 勘九郎

  直 助 : 獅 童

 

…こうするのが、望ましい。何やら尊大めいだ書き方になってるが、理由がある。

僕が最も好きな四谷怪談は、大衆演劇の松井誠丈が手掛けた「新・四谷怪談」だ。

 

伊右衛門:松井誠

  お 岩  :松井誠

2006年8月東京・明治座で、歌舞伎座納涼夜の部「南総里見八犬伝」を

向こうにまわし、伊右衛門とお岩の両方を同じ舞台で演っちゃう役者が居るのだ。

 

大歌舞伎で伊右衛門とお岩を同時に演じ分ける未来は来るだろうか?

さてはて、そんな未来は、必要あるのだろうか?それを考えるのが、歌舞伎である。