8月13日がX-DAYに決まり、礼儀を尽くして髪を切ることにする。
相方との居具合が良いように、相方の美容師に任せるのが良策と判断。
予約するとお盆休みでしょんぼり。結局、御園座前の行きつけの店に。
同じ髪型にしようかしらんと新妻気分満々でいると「妻じゃねーだろ」
失恋して髪を切るのとは真逆で、上気する頭を冷やせるよう短く刈ろう。

「貴女の色に染め五郎!」と見得をしたくなる程、相方色に染まりたい。
芸術大学で美術を専攻していた人だけに、色彩に対する感性は確かだ。
衣服の見立てはもちろん、照明写真から食材の彩りまで、心が行き届く。
小さな諍いを経て部屋に戻った時、真っ赤なシャツを羽織る僕に、瞳を
開いて「似合うね」という目配せをしてくれた可愛い表情を、忘れない。

思い返せば僕も、「色」に対する考えは何かしら持っていたように思う。
凶悪犯罪を起こすと取り沙汰される、高校の卒業文集に書いてあるのは
「原色したいね。原色したくないね。紅茶色が素敵。僕はホッシー紅茶」
C-C-Bの楽曲「原色したいね」の引用だ。卒業文集にC-C-B?
「あまりに自分の色を求め過ぎ、誰とも混ざれない色になった」という
悲痛の叫びが聞こえる。紅茶色からチャコールグレイに染まる高校時代。

今も色合いを変えられずにいる。自然に他の色に混ざる事が容易でない。
いや、目の前の人の色と色調を合わせていく「ふたり」は、鍛えてきた。
「ふたり」で居る時は自分色を出せるが、多数になると沈んだ色になる。
いや、なりがちだ。まずは「ふたり」で居る自分を染め上げ、そこから
様々な彩りに着色する。鳥なら巣、船なら港、月なら太陽が必要なのだ。

それが隣に居る相方ならばいいのだけれど。「いいよ」と言ってくれた☆