僕は今日から新生活を始めます。生まれてから住む市の隣街に引越して
今宵は引越し蕎麦を粋にすすって、末永く続く暮らしの幸を祈ります。
二八蕎麦の熱々のカケ蕎麦といきたいところですが、暑いのでモリ蕎麦
でサッパリと、コンビニで買う5本束の廉価蕎麦のお世話になります。
歌舞伎めく向きは、今日が誕生日の尾上菊之助丈の未来を描いて御相伴。
http://www2.rosenet.ne.jp/~spa/kabuki/html/ess/ess110.html

この流れは、あした観る大須オペラ「パロマの前夜祭」から来ています。
演出の岩田信市先生が筋書でサルスエラに触れて、その特長のひとつの
リアリズム、チラリ現れる風俗の現実味を、歌舞伎世話物に置き換えて
います。河竹黙阿弥の「天衣粉上野初花」の「直侍」の場で、雪の中で
立喰い蕎麦をすするシーンが魅力的なのと同じ特長が、スペインオペラ、
サルスエラの名作「パロマの前夜祭」に散在すると言及しているのです。

そして「天衣粉上野初花」は、今秋10月の名古屋・御園座の吉例顔見世
で坂東三津五郎丈が「天衣粉上野初花」のメイン場面、「河内山」で、
河内山宗俊を勤めて粋な啖呵をきかせてくれる意欲作。今宵すする蕎麦
は長く伸び、秋に御一緒する初の大歌舞伎へ夢を繋げる架け橋となる。

それはさしおいても、直侍とは何かをひも解いてみれば、僕が狂喜乱舞
な駄文を披露している意味がお判りかと思う。表情のほころびを止めら
れない勢いがあり、昨夜の弱い自分はどこ吹く風になるのが面目なし。

最後に、今冬2月に名古屋市北文化小劇場にて芸道60年一門会で客席を
沸かせた柳家小三亀松お師匠さん得意の都々逸で〆たいと思いまする☆
信州長野の新蕎麦よりも わたしゃあんたの そばがいい 「和那毘!」