泣いた…とめどなく泣いた…久しぶりです、嬉し涙の水圧に浴するのは。
中日劇場スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」公演千秋楽の終焉のことです。
カーテンコールで、頭領の市川猿之助丈が元気な姿を見せてくれました。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/entertainment/news/CK2008062802000063.html

嬉し涙の前兆は、ありました。中日新聞夕刊で作者の梅原猛先生が連載で
「世阿弥研究の旨を市川猿之助氏に伝えたら、スーパー歌舞伎として書い
て欲しいと頼まれた。今年中に書き上げて猿之助氏に見せたいと思う」と
綴られており、僕は胸が熱くなって、涙がにじみ出てきた。嬉しかった。

「ヤマトタケル」は、市川猿之助丈と梅原猛先生の、ロマンスだと思う。
猛烈な個性と気概を持ったふたつの魂が、手を取り合って生まれた奇跡。
その燃焼に一門の弟子たちが飛び込み、今では炎を観客に手渡している。

スーパー歌舞伎は「ヤマトタケル」に始まり、近作の「新・三国志Ⅲ」が
9作目に当たります。「世阿弥(ゼアミ)」が誕生すると10作目が加わって
「スーパー歌舞伎十種」が残ることになり、猿之助丈の夢がひとつ叶う。

ひとつの夢が現実味を帯びてきて、味わう観客のひとりに、僕も居る…。
終幕後に劇場2階席から緞帳を眺めると、ふと思い当たることがある…☆