辯才天様は、「弁天さん」と呼ばれるほど我々には身近な存在

しかし、その本体は「近いようで高い」存在と言える

「高い存在」がゆえに、現れる「霊験」は表面的ではなく「本質的」な現れ方をしてくる

一つの霊験譚として…

以前、私は大きな問題を抱えていた

それに対して自分なりに考えやれることは全てやっていた

もちろん、神仏の良き「お計らい」をも願いつつ…

だが、一向に問題は解決しない

心身も疲労が悪化し身体にあらわれるようになった

そんな状態の中、辯才天に祈りを深めていると脳裏に「捨て去れ」と語りかけてくる

何を捨て去るのか

問題を捨て去り逃げれば良いのか

確かに、そうすれば楽にはなるだろう

はて、辯才天がそんなことを言うのだろうか

次に出て来たのが、「戻れ」

「捨て去れ、戻れ」何をどうすれば良いのか

自問自答の末に出たのが、「己」そのもの

全ての元凶は自分の「望み」が招いている

そもそも、その問題に関わる人に対して自分の考えは「最善のこと」と走ったり、それが自身の体面を保つためであったりすることが大きな誤りだった

弁天さんはそれを「気付くまで」お見せになってくる

自身は間違っていないと言う「自惚れ」が原因であることを示され続けた

きっと…そこに信仰が無ければ…「破滅」していただろう

取り返しの付かない過ちを犯すところだったわけです

願いは「理に叶う」ことで無ければ叶うことはないのだと、ここで悟ることができた

最大の教えと言える

いくら努力しようが、事柄が周りや相手に対して「理に叶うか」どうかが重要なのだ

ひとりよがりの願いなど叶うはずがない

それこそ、「道理」である

人は時に道理を見失う

弁天さんを一心に信じずれば、必ずお導きにより「道理」「理」をお示し下さる

ただ…辯才天が美しい女神と侮ってはならない

八譬の辯才天を見ればよく分かると思うが…

最後は「剱」を下ろされることを覚えておかなくてはならない

人は「霊験」と聞けば、表面的物理的に何か変化が起こることを期待するが、本当の霊験とは「本質を知る」ことが一番の霊験と言える

何であれ「迷いに入る」のは、本質が分からないからだろう

辯才天へ全てを委ねれば、広大たる神力で妙なる霊験を受け、必ず全ての本質を知り苦難から離れることができる

辯才天曰く「苦難から離れんとする者には　解脱を与う」

この世に何故、「道理」が存在するのか

辯才天信仰の究極は「迷いなき眼」を養い「正道」を歩んで行くことで「豊かな心」「真の幸福」を得る

これが、真の辯天信仰の道なのです

辯才天の妙なる霊験